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1 人が健康長寿であるためには色々な工夫と努力が必要である。肉体の老化防止とガン予防とは同じメカニズムであり,同じ努力が必要だということのようである。脳の老化防止と活性化についても,基本的には同じメカニズムではあるが,脳独自の特殊性もあるので,全く同じ努力で足りるということではない。
2 健康長寿・ガン予防のためには,(1)適度の運動(2)蛋白質の摂取(3)野菜と果物の摂取(4)より本格的でありたいなら,ビタミン剤,ポリフェノール類の摂  取,ということになる。
3 本稿の目的は,これらの一般的な不老長寿の努力がなされていることを前提にして,「脳の老化防止と活性化」について考察するという点にある。最近これをテーマにした雑誌などが多数発刊されており,それらを読んだ上で,自分で継続できそうで実行する価値がありそうな項目を,実践論的に役立つように纏めてみようということになった。
4 脳の老化防止と活性化について,いろいろと本を読んでみても,決定的に重要とされているのは適度な運動ということである。そこでいずれ運動についても深く検討してみようと考えているが,とりあえず運動以外について,面白そうなことから順次書いてゆくことにする。
5 最近週刊誌で読んだ記事によると,わが国は世界一の長寿国で,百歳以上の高齢者は5万人を超えたが,世界一寝たきり人口の多い国でもあるというのである。これは余り愉快な話ではない。かくしゃくと元気で自立して長寿であることに意味があるのであって,家族に大きな負担をかけながら,医学の力で長生きすることは,私自身については避けたい気がする。その点ではピンピンと生きてコロリと死ぬという「ピンコロ人生」を目指したいと思うのである。
6 最近ある大学の「百寿者研究チーム」が,百寿者500人から直接話を聞いたり,アンケート調査や血液検査の結果などをもとに分析したところ,百寿者も何らかの慢性疾患を抱えていることが多いが,糖尿病の罹患率だけは70歳台の人の平均の約3分の1以下(6パーセント)であったというのである。そして糖尿病の罹患率が低い理由を分析すると,血液中に「アディポネクチン」という,聞いたこともないようなホルモン物質を多く含んでいるというのである。このホルモンはインスリンの働きをよくし,糖代謝を活発にすることで糖尿病を予防したり,動脈硬化を防ぐ作用がある。
7 「アディポネクチン」の血中濃度は通常5~10マイクログラム/mlであるが,百寿者はその2倍以上であり,そのため糖尿病にならないのだそうであるし,肥満の人はこの血中濃度が低いそうである。このホルモン物質は蛋白質であるので,サプリメントとして呑んでも胃で分解されてしまうので,夢の長寿薬の誕生までにはまだ時間を要するとのことである。
8 このホルモンは100歳まで生きられるかどうかの命運を握る物質であるが,75歳が運命の分かれ道で,75歳を無事過ぎるとこのホルモンの血中濃度が増えるとのことである。大豆に含まれるβコングリシニン,青魚に含まれるEPAを摂取するとこのホルモンの増加の効果が大きいので,豆腐や納豆,青魚を食べて,内臓脂肪を燃やす運動を心がけようというのであるから,「何だ,結局そんなことか」ということになるが,まあこのような理屈を聞くと,一層努力する動機にはなるというものであろう。(ムサシ)


 



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