日本裁判官ネットワークブログ
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7 少し前に私の親しい知人が肺ガンで亡くなった。ヘビースモーカーであった。私がどうしても健康のためになすべきと考えていることは2つある。1つはすぐに煙草を止めることである。もう1つは自分にできる唯一のガン防止対策としてビタミン剤を飲むことである。身近なところでもガンの話があったりするので,案外私が健康について,特にガン防止に関して本気になっているということでもある。
8 それ以外にも,食事や運動など健康のために有意義なことは沢山あるが,そんなことはどうしてもということではなく,適当にやればよいという程度のことに過ぎない。ビタミン剤も効果があるかどうかという問題はあるが,とにかく後で後悔しないためには,この2つは是非やっておくべきことだと思うのである。
9 私が煙草を止めたのは今から35年前のことである。動機は甚だ単純で,「健康のために」ではなく,釣具を買う資金を捻出するためであった。裁判官になって和歌山に赴任したとき,和歌山は釣りのメッカだとして釣りを誘われ,釣具を買うために妻に小遣いの増額請求をしたところ,妻は冷たく「煙草を止めて買ったら」と言って,即座に増額を拒否した。その年の5月の給料日に,私は6000円のチヌ竿を1本買って,煙草を止めることになった。私は翌月までに1度,当時住んでいた大阪から和歌山まで防波堤釣りに行き,必死に煙草を我慢した。翌月の給料日には釣った魚を入れるクーラーを,その翌月は大きな玉網を買った。釣具が増えるのが嬉しくて3か月で禁煙に成功した。多忙な中,2か月に1回のペースで釣りの醍醐味を味わった。
10 それは昭和53年の話である。当時はまだ煙草の発ガン性は指摘されていなかった。私が今元気でいられるのは,動機はともかく,そのとき煙草を止めたためであり,妻のお陰であると心から感謝している。買った釣竿も10本を超えた。
11 禁煙のためには,まず煙草の危険性を認識する必要がある。喫煙している人はおそらくその認識が甚だ不足していると思われる。煙草は「死に至る病」であり,喫煙は「緩慢な自殺行為」であり,煙草1本の喫煙で,何分間か命が縮まっているとされている。それを認識した上で自分で喫煙したい衝動(ニコチン中毒)との戦いに勝つための動機を見つける必要がある。「健康のために」という立派な動機で簡単に止められるほどニコチン中毒はやわではない。
12 毎月の給料日に煙草代として1箱400円,月額1万2000円を全額預金してしまい,翌月の給料日まで必死に煙草を我慢する。そしてたびたび預金通帳を眺めて,年額約15万円の「埋蔵金」を楽しみにすれば禁煙闘争に勝利できそうな気がする。この「埋蔵金大作戦」は奇策であり,名案ではなかろうか。
 禁煙に成功した人は「埋蔵金」の増産は続けながら,いずれこの埋蔵金で別荘を建ててやろうなどと妄想すると,一層効果的である。その傍ら「健康のための備え」として小遣いの中から月々少額の資金を投じてみてはどうかと私は思う。現代医学によると,健康のため特にガン防止の最大のポイントは,抗酸化物質すなわちビタミン類やポリフェノール類を十分摂取することであるとされている。勿論それに効果がないとする反対説もある。ただそれによりガンを防止できるのではないかと勝手に期待するのは本人の自由であり,これも精神的なメリットとなる。(ムサシ)

 



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