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無罪事件に関して国家賠償請求

2007年10月22日 | Weblog
以下,朝日新聞からですが,刑事事件に端を発し,いくつも関連の民事裁判が起こされているようです。

公選法違反無罪の元被告ら17人、国賠求め提訴 鹿児島

 03年鹿児島県議選をめぐる公職選挙法違反(買収・被買収)事件で全員無罪が確定した元被告12人と、公判中に死去した元被告の遺族ら計17人が19日、鹿児島県警や同地検の捜査や取り調べ、長期間の拘束で肉体的・精神的苦痛を受けたとして、国と県を相手に総額2億8600万円を求める国家賠償請求訴訟を鹿児島地裁に起こした。無罪判決から8カ月。いまだ明らかになっていない捜査の端緒など事件の全容についても、訴訟を通して明らかにしたいとしている。

 訴状によると、原告らは県警や地検が(1)証拠や嫌疑がないことを知りつつ逮捕、勾留(こうりゅう)した(2)証拠がないにもかかわらず見込みで起訴した(3)無罪が明確なのにもかかわらず公判を続けた(4)常軌を逸した長時間の取り調べや、自白の強要など違法な捜査をした――と主張。捜査や公判を続けるために組織的にさまざまな違法行為を行った、と訴えている。

 在宅起訴された1人をのぞく元被告の勾留日数は、87日から395日に及ぶ。

 原告は、「主犯」とされた鹿児島県志布志市の県議中山信一さん(62)ら無罪判決を受けた元被告12人と、公判中の05年に病死して公訴棄却となった元被告山中鶴雄さん(当時77)の妻ら遺族5人。

 この事件をめぐっては、すでに3件の国賠訴訟が起こされ、1件が確定、2件が係争中だ。

 確定しているのは、任意の事情聴取中に県警の元警部補、浜田隆広被告(45)=特別公務員暴行陵虐罪で福岡地裁に在宅起訴=が、男性に親族の名前などが書かれた紙を無理やり踏ませた「踏み字」事件の損害賠償請求訴訟の判決。今年1月、同地裁が取り調べの違法性を認め、県に60万円の支払いを命じた。

 係争中なのは、捜査の過程で被告との接見内容を調書化されたとして弁護士11人が国と県を訴えた接見交通権訴訟と、事件の関連捜査で県警から違法な取り調べを受けて自白を強要されたなどとして同市の住民8人が県を相手に慰謝料を請求している訴訟。