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台湾地震1か月、花蓮の観光客激減・夜市は閑散と…「惨たんたる状況だ」

2024-05-05 | 先住民族関連

読売新聞2024年5月4日

手持ちぶさたな店員の姿が目立つ東大門夜市(2日、台湾・花蓮で)=大原一郎撮影

© 読売新聞

 【台北=園田将嗣】18人が死亡、2人が行方不明となっている台湾東部・花蓮沖を震源とする地震の発生から、3日で1か月が過ぎた。震度6強を観測した花蓮は観光客が減り、宿泊施設や夜市などが打撃を受けている。

 花蓮は面積の大半を標高3000メートルの山々が占め、風光明媚(めいび)な景色で知られる。昨年、有名観光地・太魯閣(タロコ)渓谷の公園には340万人以上が訪れた。

 同渓谷にある宿泊施設「太魯閣山月村」は地震で周囲の山からいくつも落石があり、共用のシャワー施設、客室が損壊した。外国人ら85人が泊まっていたが、朝食時で部屋におらず、従業員とともに無事だった。経営者の鄭明岡さん(67)は「祖先の霊が守ってくれた」と振り返る。

 山月村は、9割の従業員が先住民・太魯閣族で、伝統的な歌や踊り、食事で客をもてなし、息をのむほどの星空も魅力の一つだった。だが、施設は断水と停電が続き、通信も途絶えたままだ。

 被災して閉園中の公園は、年内の復旧・開園を目指すものの、専門家は余震や台風で山が崩落する可能性を指摘する。山月村も修繕が必要で、鄭さんは1~2年間、施設を閉鎖することにした。20年間働く林鳳嬌さん(44)は次の仕事が見つかっておらず、「ずっとここにいたい」と肩を落とす。

 地震がなければ、鄭さんは20年間の契約が満了する9月以降、経営権を再取得して運営を従業員に任せる予定だった。「また入札に参加し、太魯閣族の従業員に(運営を)引き継ぎたい」としている。

 震度6強を観測した花蓮では、その後も余震が続いた。台北市につながる主要道路が被災して大型バスが通れず、観光客は激減している。「花蓮県観光協会」によると、4月の宿泊施設の宿泊率は3~4%で、5~7月も8%以下を見込む。陳義豊理事長は「観光客が来ない以上、飲食店や旅行会社、タクシーも商売が成り立たない」と打ち明ける。

 台湾の風物詩の夜市も影響を受けている。約400軒の店舗が集まる花蓮中心部の「東大門夜市」は、観光客が7~8割を占める。先住民料理や射的などの屋台が並び、地震前は深夜までにぎわっていた。現在は約半分が店を閉め、残りも閉店時間を早めており、閑散としている。

 この夜市で10年間、ゲーム店2店舗を営む江淑燕さん(58)は、「本当に客がいない。惨たんたる状況だ」とため息をつく。以前は家族連れなどが立ち寄り、1日1000~2000台湾ドル(約4800~9600円)を売り上げていた。地震後は売り上げが半分になっている。

 江さんは「観光客が頼り。夏までには売り上げが戻ってほしい」と願っている。

■能登観光「一歩ずつ復旧」

 元日の地震で大きな被害を受けた石川県でも、朝市で知られる輪島市の朝市通りや七尾市の和倉温泉など、能登半島の主要な観光地が深刻なダメージを受けた。

 国が観光支援策として宿泊費を補助する「北陸応援割」や北陸新幹線延伸の影響で、被害が比較的少なかった金沢市や加賀市の観光業は持ち直している。一方、能登半島の観光施設はまだ復旧途上にあり、大型連休中も観光客の姿はほとんど見られず、復旧作業員やボランティアの姿が目立つ。

 和倉温泉では、一部の旅館や日帰り温泉施設が再開したが、大半は休業が続いている。同温泉旅館協同組合の担当者は「一歩ずつ復旧を進めているので、受け入れ可能になったらぜひ来てほしい」と話している。

https://www.msn.com/ja-jp/news/world/台湾地震1か月-花蓮の観光客激減-夜市は閑散と-惨たんたる状況だ/ar-AA1o7Wce#

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