武藤里美 、村田亮 会員限定記事
北海道新聞2024年7月9日 20:43
札幌市内で開かれたアイヌ政策推進会議の冒頭であいさつする自見英子沖縄北方・アイヌ施策担当相
内閣官房アイヌ総合政策室は9日、英国の2施設が計6体のアイヌ民族の遺骨を保管しており、日本政府が返還を請求していると明らかにした。英国でアイヌ民族の遺骨を確認したのは初めて。札幌市内で開かれたアイヌ政策推進会議で報告した。
報告によると、英エジンバラ大とロンドンの自然史博物館がそれぞれ3体の遺骨を保管していた。エジンバラ大の3体は日高管内えりも町、同管内浦河町、釧路地域で発見されたもので、1913年(大正2年)に英国人医師ニール・マンローが寄贈したという。自然史博物館の遺骨については同館が調査を進めている。昨秋、両施設から報告があり、政府が今年4月に返還請求をした。
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出席者によると、委員からはアイヌ民族への差別について道外でも調査すべきだという意見が複数上がったという。内閣官房は各地のアイヌ協会と調整し、時期や方法を決めるとしている。