聞き手・加藤敦 、聞き手・石井純太 、聞き手・山田智 、聞き手・和田樹 有料記事
2024年6月25日 18:50(6月25日 19:10更新)
日高管内の7町を含む、陸域の面積では国内最大となる日高山脈襟裳十勝国立公園は25日、国から指定が告示され、正式に誕生した。新ひだか町の旧JR静内駅では管内の首長らが集まり、横断幕を掲げ記念撮影をして祝った。管内の自治体、観光、登山、自然保護の各界の関係者に、新国立公園誕生の喜びや期待、課題を聞いた。
■高山植物の今知って アポイ岳ファンクラブ会長・田中正人さん(67)=様似町
アポイ岳は国立公園エリア内では気軽に登れる山です。温暖化や土壌の乾燥で高山植物は大きく減ってしまいましたが、それでも春や夏には楽しめるので多くの人に来てもらい、花を見るとともに現状も知ってほしい。
ファンクラブ会員は、登山道が荒れないようボランティアで整備しています。国立公園化で、行政がもっと関わってくれるといいのですが。
■地域ごとの発信必要 沙流川愛クラブ事務局長・平村徹郎さん(51)=平取町
私たちが取り組んでいる自然保護に加え、いかに地域ごとの魅力を発信できるかが課題です。
海側と山側、日高側と十勝側とで、山への思いが異なる側面がある。平取では山々の景観に加え、アイヌ民族と強い結びつきがあるという文化的な価値が重要です。たくさんの関係者の声に耳を傾け、広い視野での保護、利用の取り組みが必要と考えます。
■安易な登山、事故懸念 平取町山岳会会長・山木正生さん(55)
待ちに待った国立公園化ですが、インバウンドのほか初心者を含む登山客の増加は間違いありません。幌尻岳をはじめ難関の山への安易な登山で事故が増えないか懸念しています。
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