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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

縄文人、弓矢で狩猟していた 礼文島の遺跡 出土の骨に矢じり

2019-10-03 | アイヌ民族関連
北海道新聞 10/3(木) 6:02配信
国際調査団「貴重な証拠」
 【礼文】宗谷管内礼文町船泊地区の「浜中2遺跡」で行われた今夏の発掘調査で、縄文時代晩期(3千年前)の地層から黒曜石の矢じりのかけらが刺さったニホンアシカの骨が見つかった。発掘した北大などでつくる国際調査団は「縄文人が弓矢で狩猟をしていたという貴重な証拠。極めて珍しい」としている。
 国内外の研究者らによる発掘調査は2011年から毎夏行われており、今年は8月5日から23日まで実施。長さ7・5センチ、幅1センチのアシカの肋骨(ろっこつ)の一部が出土し、骨には、黒曜石で作られた長さ7ミリほどの矢じりのかけらが刺さっていた。
 過去の調査から、黒曜石はオホーツク管内の白滝(遠軽町)、または置戸町産とみられる。調査団の北大アイヌ・先住民研究センターの加藤博文教授(考古学)は「矢じりが骨に刺さったままで保存状態が良い。これまで縄文晩期の狩りの方法は想像でしかなかったが、狩猟方法を示す貴重な出土品だ」と話す。
 調査団などによると、日本列島の土壌は酸性の火山灰が多く、有機質の骨の遺物は溶けてしまって通常残りにくいが、浜中2遺跡の土は酸性度が低く、微生物の活動も活発ではないため残ったとみられる。
 浜中2遺跡では縄文時代後期(3500年前)から江戸時代までの地層が確認されている。今回の調査では、動物の骨などを除き、土器や石器など約760点の遺物が見つかった。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191003-00010000-doshin-hok

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アイヌ工芸品、アパレル大手ビームスで販売

2019-10-03 | アイヌ民族関連
日本経済新聞 電子版2019/10/2 20:00
釧路市阿寒湖温泉地区でアイヌ民族文化の伝統を受け継ぐ工芸品作家らが製作した雑貨や衣料品が10月中旬、セレクトショップ大手ビームス(東京・渋谷)の首都圏の主力店舗で販売開始する。品目はアイヌ民族伝統の文様の刺しゅうを取り入れたコートのほか、バッグや装飾品。ビームスの発信力を活用し、アイヌ工芸品の知名度アップと販売拡大につなげる。
12日からビームスの主力店舗「ビームスジャパン」(東京・新宿)で販売…
[有料会員限定] この記事は会員限定です。電子版に登録すると続きをお読みいただけます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50509400S9A001C1L41000/

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札医大が保管のアイヌ民族遺骨 「イチャルパ」で慰霊

2019-10-03 | アイヌ民族関連
北海道新聞 10/02 20:21

厳かな雰囲気の中、札幌医大で行われたカムイノミ
 札幌医大が研究目的で保管しているアイヌ民族の遺骨に対する慰霊祭「イチャルパ」(道アイヌ協会主催)が2日、札幌市中央区の同大構内で開かれ、同協会の会員や大学関係者ら約60人が集まり、遺骨の霊を供養した。
 同大は現在、アイヌ民族の遺骨263体を保管している。儀式に先立ち、同協会の加藤忠理事長は「遺骨が収集された経緯の解明など本質的な解決に向け、国と対話していく」とあいさつ。参列者たちは祭壇にまつった神々に神酒をささげるカムイノミ(神々への祈り)の後、果物などの供物を供えるイチャルパを行い、鎮魂の祈りをささげた。
 同大が保管する遺骨は、各地から返還要請があるものを除き、胆振管内白老町に建設中の「民族共生象徴空間(ウポポイ)」内の慰霊施設に集約する方針。同大で保管を続ける遺骨がある限り、同大でのイチャルパは継続するという。(斉藤千絵)
☆イチャルパのルは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/350791

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松浦武四郎の足跡 上川管内でたどる 19、20日

2019-10-03 | アイヌ民族関連
北海道新聞 10/02 05:00
 北海道開発技術センター(札幌)は19、20の両日、北海道の名付け親で、アイヌ民族と交流した松浦武四郎の上川管内での足跡とアイヌ語地名を巡る1泊2日のモニターツアーを行う。
 旭川市との共催。JR札幌駅発着で、ガイドの解説を聞きながら約20キロのコースを歩く。体力に応じ、一部は車での移動もできる。初日は旭川市の神居古潭を歩くほか、同市博物館、川村カ子トアイヌ記念館などを訪ねる。2日目は美瑛から上富良野までの変化に富んだ丘陵の風景を楽しむ。
 参加費は1人1万円(2人で申し込むと9千円)。申し込みは10日までに旭川市の「まるうんトラベル」(電)0166・22・3398へ。定員40人になり次第締め切る。(本庄彩芳)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/350476

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ブラジリア大学で国際会議=先住民族の言語を残せ!

2019-10-03 | 先住民族関連
ニッケイ新聞 2019年10月2日

先住民の言語や文化を残す事の大切さなどを話し合う会議が始まった(Marcelo Camargo/Agência Brasil)
 1日から6日まで、ブラジリア大学で、第2回先住民と少数民族の言語に関する国際会議が開催されている。同学会は国連が2016年に定めた「国際先住民族言語年」のイベントで、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が主導している。
 会議には29の教育・研究機関の代表が参加しており、その数は、ブラジリア大学外の人だけで約200人に上る。その内の80人は、チリ、ボリビア、ニカラグア、ペルー、カナダ、ニュージーランド、スペイン、米国からの参加者だ。
 2019年を国際先住民族言語年とする事は、16年12月19日に国連総会で宣言された。この宣言は先住民問題に関する国連常設フォーラム(71/178)に基づくもので、調整などをユネスコに依頼する事も総会で決まった。
 国際先住民族言語年は、先住民族の言語が直面するリスクに注目する事を目的としており、先住民族の言語や文化の持続性の再確認、生活の質の向上、より広い国際協力と認知度の向上、異文化間コミュニケーションの強化を目指す。
 今回の会議にあわせて開設されたサイトでは、先住民族の言語を残す理由と、様々な部族の歴史や文化を伝える資産としての重要性を伝え、この取り組みが始まった経緯などを説明している。
 国連によると、世界には6千から7千の言語があるが、世界の総人口の97%は4%にあたる言語を話しているに過ぎない。逆に言えば、先住民を中心とする3%の人々が、残りの96%の言語を保っているのだ。
 今回の会議のコーディネーターを務めるアナ・スエリー・アルーダ・カマラ・カブラル教授は、ある言語を話す部族が他の言語を話す部族の中に住み始めると、一方の部族が持つ言語が消滅する可能性が高くなると警告する。ある言語が残るためには、その言語を話す部族がおり、その部族のコミュニティが保たれている事が必要なのだ。
 同教授によれば、言語保存のためには、その言語を日常的に使う部族やその部族が他の言語の影響を受けずに生活できる空間が必要だという。ブラジルの場合、ポルトガル語が日常的に使われる環境に置かれれば、部族の言葉を学び、継承する機会は失われ、その言語の話者や言語自体が絶えてしまうのだ。そういう意味では、先住民保護区の存在意義は大きい。
 同教授はトゥピーやマクロ―ジェといった先住民言語を30年以上研究しているが、最も感動するのは、自分達の言語の構造などを研究し始めた先住民の研究者が見せる反応だという。自分達の言語がどのように機能するか、どんなに素晴らしいかを理解した研究者達は、年配者の言葉にもっと注意を払うようになり、自分達が集めたデータを文書に残すだけでなく、言語を研究しようとする学生や部族の人達に言語保存の必要性を説くようになる。
 先住民の言語の重要性を知る研究者や先住民の言葉の教師を育て、言語を記録し、より適切な方法で次世代に伝えていく事で、各家庭にも言語保存の意識が育っていく事が、言語を残すための道だと、アナ教授は力説している。(1日付アジェンシア・ブラジルより)
https://www.nikkeyshimbun.jp/2019/191002-02topics.html

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アマゾンの先住民保護活動家が殺害、危機的状況

2019-10-03 | 先住民族関連
ナショナルジオグラフィック2019.10.02
保護区に違法な侵入者が続々、高まる脅威、広がる不安と動揺、ブラジル

ロンドニア州のルーズベルト先住民区域で、違法な採鉱作業に使われたブルドーザーを解体する、ブラジルの環境保護機関「IBAMA」から派遣された特別査察グループ。ジャイール・ボルソナロ大統領は、ブラジルアマゾン全域の先住民地区における鉱物の採掘を合法化すると公約しており、広範囲に及ぶ環境破壊と地元コミュニティの分断が懸念されている。(PHOTOGRAPH BY FELIPE FITTIPALDI, NATIONAL GEOGRAPHIC)
 ブラジル西端部に暮らす孤立部族の保護に取り組む先住民保護活動家が殺害され、アマゾンの先住民や、その保護に携わる人々の間に不安が広がっている。
 マクシエル・ペレイラ・ドス・サントス氏は9月6日、ジャヴァリ谷先住民区域近くの街タバティンガの大通りで、バイクの後ろの席に乗った何者かに射殺された。ジャヴァリ谷は、孤立部族が世界で最も多く暮らしている地域だ。(参考記事:「動画公開はアマゾンの未接触部族を救えるか」)
 サントス氏は12年間にわたり、ブラジルの国立先住民保護財団「FUNAI」の職員として働いてきた。推定5000人ほどの先住民が暮らす、広さ約8万5000平方キロメートルの保護区に流れ込む2本の川沿いに設置された前哨拠点が、彼の職場だった。現在にわかに増加しつつある、野生動物や木材を狙う侵入者たちから、ジャヴァリ谷の豊かな生物多様性を守っているのは、この拠点に配置されたわずかな人数の職員だけだ。
 今年に入ってから、拠点は武器を持った暴漢による襲撃を5回受けた。4度目は7月中旬で、その数日後には、FUNAIの職員と護衛の兵士たちが、絶滅危惧種のカメ300匹とその卵4万個を保護区から盗み出そうとする密猟者たちを現行犯で捕えている。
 ブラジルアマゾンの全域で、野生動物の密猟者、違法な金の採掘者、土地を狙う開拓者、麻薬の密売人など、ありとあらゆる種類の犯罪者が、先住民族の土地に違法に入り込んでいる。ブラジル国立宇宙研究所によると、8月末の時点で、150カ所近い先住民区域内で3500件にのぼる火災が発生していたという。そのうち少なくとも13カ所に孤立部族がいた。
「これらすべての要因によって、孤立部族は危険にさらされ、悪人の手から常に逃げ回る生活を強いられています」。ロンドニア州ポルト・ヴェーリョの大司教で、カトリック教会による人権保護団体「先住民宣教師協議会」の代表を務めるホッキ・パロスキ氏はそう語る。同団体が先日発表したところによると、保護区で発生した侵入事例は、2018年の1年間では76カ所111件だったが、今年は年初からの8カ月だけで、153カ所160件まで増加しているという。(参考記事:「アマゾン森林火災、実態は「伐採規制前への逆行」」)
 評論家らが根本的な原因として指摘するのは、ブラジルの大統領ジャイール・ボルソナロ氏による、著しく反環境保護的な姿勢と、先住民の露骨な軽視だ。そうした態度が、犯罪者の間に何をしても罪に問われないという意識を生み出し、邪魔者を暴力で排除する行為を加速させているという。
「大統領は暴力をふるってもいいとは言いません」と、先住民保護活動家のベト・マルボ氏は言う。「それでも彼の話しぶりは、暴力を認めているのと同じです」
 ジャヴァリの先住民から親しみを込めてマクシと呼ばれていたサントス氏は、高い職業倫理を持つすばらしい友人で、危険を前にしても怯まなかったと、マルボ氏は言う。職場の同僚や先住民のリーダーたちは、サントス氏の殺害は、彼が先住民の土地とそこに暮らす人々の保護に熱心だったことによる「暗殺」だと考えている。
「この事件によって、人々の間に動揺が広がっています。もし先住民の権利、環境、人権の保護に関わる仕事をすれば、自分の身にも同じことが起こるのではないかと、誰もが不安に思っているのです」
急増する違法な伐採と採掘
「状況は危機的です」。元FUNAIの職員で、アマゾン東部で違法な木材伐採者と戦うグアジャジャラ族のボランティアグループ「森林ガーディアンズ」のアドバイザーを務めるカルロス・トラバソス氏はそう語る。
 グアジャジャラ族のほか、推定60〜80人の孤立部族アワ族が暮らすアラリボイア先住民区域では、ここ数カ月の間に、違法な木の伐採が急増している。
 例年とは異なり、違法伐採者たちは今回、乾期を待つことなく、11月から6月までの雨期にも木の伐採を続けていた。森林ガーディアンズのメンバーはその間ずっと、伐採にも、殺害の脅しにも、山火事にも、自分たちだけで対処してきた。法執行の責任者である政府関連機関からの支援は、一度も来ることはなかった。
 伐採者たちは今では保護区の奥まで入り込み、 繊細な生態系を支えている貴重な硬材の採れる木を盗み出している。「彼らは、孤立したアワ族が暮らしている、まさにその場所からとれる木材を狙っているのです」と、トラバソス氏は言う。
 一方、今年急増したアマゾンの火災に本腰を入れて取り組もうとしないことに諸外国から非難の声が上がったことへの対応として、ボルソナロ大統領は8月末、軍隊と警官隊を現場に送り込み、遅まきながら被害を食い止める作業に着手した。これにより、保護区における違法な伐採や開墾、採鉱の防止活動に従事する人々の安全は、ある程度は守られるようになった。
 それでも8月30日には、ブラジルの環境保護機関「ブラジル環境・再生可能天然資源院(IBAMA)」の職員と護衛の警察官が、パラー州のイトゥナ=イタタ先住民区域付近で違法な採掘作業所を解体している最中に、待ち伏せ攻撃を受けた。
 親ボルソナロ派の政治家たちはこの機を捉えて、現場で発見された重機をIBAMAが破壊したことを強く非難した。彼らは大統領に対し、先住民の土地での採鉱を合法化するという公約を守り、重機の破壊を禁じるようにと迫った。
 ブラジル全体の中でも、外部からの侵入が特に激しいのはおそらく、北のベネズエラとの国境沿いに位置するヤノマミ先住民区域だろう。
「フトゥカラ・ヤノマミ協会」によると、ヤノマミ区域内では現在、2万人もの人々が違法に金を採掘しているという。FUNAIによる推定はこれより少なく、採掘者の数は7000人程度としている。(参考記事:「アマゾンのヤノマミ族、希少な村に迫る「魔の手」」)
 9月上旬に、ある採掘場を軍が強襲したところ、600人が暮らす小さな街があり、家屋、店舗のほか、売春組織までが存在したという。先住民区域内には、約2万5000人のヤノマミ族が、あちらこちらに村を作って暮らしている。外の世界とほとんど接触を持たない彼らには、侵入を食い止める力はない。
 2016年に「オズワルド・クルス財団」が行った調査では、採掘現場近くに住むヤノマミ族の体から、危険なほど大量の水銀が検出された。水銀は金の抽出に使われている。
 FUNAIが3年前に公表した情報によると、違法な金の採掘者の中にひとり、未接触のヤノマミ族が暮らす場所から徒歩で数日という距離で作業をしている者が存在し、ヤノマミ族が病気や暴力によって一掃される恐れが高まっているという。非常に限られた予算と人手不足のせいで、FUNAIはこうした事態に対処できずにいる。
 一方、西部のロンドニア州では、ウルエウワウワウ族から、自分たちの土地が外部の人間に荒らされているとの声が上がっている。数十年にわたり、彼らは近隣の先住民以外とは友好的な関係を保ってきたが、それはもう過去の話だ。
 部族の若手リーダーのひとり、アワピー・ウルエウワウワウ氏は最近、近隣の街の住民から「お前たちは広い土地を持ってるじゃないか。そんなにはいらないだろう」と言われたという。これはボルソナロ大統領にならった表現だ。「彼らは以前、われわれの友人でした。今では敵です」とアワピー氏は言う。
ブラジル人の大多数は保護に賛成
 このまま政府の介入がなければ、ウルエウワウワウの保護区は増え続ける開拓者の波に数年以内に飲み込まれてしまうだろうと、先住民の権利保護に携わる人々は考えている。保護区の奥地で移動しながら暮らしている孤立部族は、外の世界の人々が気づきもしないうちに消滅することもあり得ると、人権団体「サバイバル・インターナショナル」のフィオナ・ワトソン氏は言う。
 あるウルエウワワウ族からワトソン氏が聞いた話によると、開拓者たちはその彼に向かって、森の中で孤立部族を見かけたと話し、開拓民のひとりは「今度奴らを見かけたら、俺たちが殺してやる」と自慢げに話したそうだ。
 それでも、明るい話がないわけではない。ヤノマミ地区にある違法な金の採掘場への物資供給の流れを制御するために、FUNAIは今年中に拠点を1カ所再開する予定だ。また9月中旬には、FUNAI、IBAMA、連邦警察の連合部隊によって、ジャヴァリ地区の東端を流れるジュタイ川で活動していた違法な採金船が60隻近く破壊された。
 ワトソン氏は、当局が時折介入して採掘・伐採組織を解体するだけでは不十分だと語る。「違反者を裁判にかけ、刑罰を受けさせるべきです」
 タバティンガで起こったマクシエル・ペレイラ・ドス・サントス氏の殺害は、FUNAI職員たちの恐怖を煽った。彼らは今年3月からずっと、高まる脅威にさらされている現場職員の安全を確保するために、本部が指揮をとってほしいと訴え続けてきた。今のところ、その願いが聞き届けられた様子はない。
 先住民の権利保護団体「インスティテュート・ソシオアンビエンタル」が9月24日に発表した新たな調査によれば、ブラジル人の大多数は、孤立部族が暮らす森を守ることに賛成している。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/100100565/

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部族の言葉や方言を大切にしよう

2019-10-03 | 先住民族関連
ニッケイ新聞 2019年10月3日 New!
 「何やってりゃーす」「とろっくさー事、言っとってかん」「怖ぎゃー事言やーすな」―。小5で転校した時、級友がそう話していたが、何もわからなかった。漢字交じりにすれば少しはわかり易いが、これを見てわかる人は名古屋弁に馴染みがある人だ▼各々、「何してるの」「バカな事言ってちゃダメ」「怖ろしい事言わないで」の意味だが、中学に転入した姉も同じ経験をして帰ってきた。だが、後にテレビで、本来の名古屋弁は非常に丁寧なもてなし言葉だと聞いた。同様に、転居や旅行で方言や他国語に接し、驚いたりした人は多いだろうが、言葉の豊かさは文化や歴史の豊かさでもある▼ブラジリア大学では6日まで、「国際先住民族言語年」にちなみ、先住民や少数民族の言語に関する国際会議を開いている(2日付弊紙サイト参照)。国連によると、世界には6~7千の言語があるが、世界の総人口の97%が話す言語は4%に過ぎない。残る96%の言語の存続は、先住民など3%にあたる人々にかかっているのだ▼NHK国際放送が見られるようになってから、めっきりコロニア語が聞かれなくなったのと同様、先住民の言語は、ポ語話者や他の部族語の話者と混じれば簡単に消滅しうる。先住民言語の研究者は、部族語保存にはコミュニティやテリトリーが必要だと説いている。部族語はその部族の文化や歴史とも密接に関係しており、先住民保護区は言語保存の意味でも重要なのだ。だが、ボウソナロ大統領は、西欧諸国がアマゾンに関心を持つのは鉱物資源が目的で、森林や先住民を案じての事ではないと繰り返す。本当は大統領の関心がそこにしかないと考えたくなるのはコラム子のみ?(み)
https://www.nikkeyshimbun.jp/2019/191003-column.html

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旅行作家・下川裕治が行く、台湾の超秘湯旅11 下馬から紅葉温泉旅社へ

2019-10-03 | 先住民族関連
朝日新聞 10/2(水) 19:31配信
【連載】クリックディープ旅
本連載「クリックディープ旅」(ほぼ毎週水曜更新)は、30年以上バックパッカースタイルで旅をする旅行作家の下川裕治さんと相棒の写真家・阿部稔哉さんと中田浩資さん(交代制)による15枚の写真「旅のフォト物語」と動画でつづる旅エッセーです。過去「12万円で世界を歩く」や「玄奘三蔵が歩いたルートをたどる旅」など過酷な?テーマのシリーズでお届けしてきました。
今回のテーマは「台湾の超秘湯旅」。10回目で栗松温泉を目指し険しい山道を歩いた下川さん。疲労困憊(こんぱい)で下馬の民宿に辿(たど)り着きました。11回目は、地図にない温泉を探しながら、紅葉温泉旅社に向かいます。
はたしてどんな秘湯や珍道中が待っているのでしょうか? もはや生き様ともいえる旅のスタイルや、ひょうひょうと、時にユーモラスに旅を続ける様子を温かいまなざしでお楽しみください。
【前回「栗松温泉から下馬へ、旅行作家・下川裕治が行く、台湾の超秘湯旅10」は下部★より】
轆轆温泉へ行くことができるのか。体力的な不安を抱えて朝を迎えた。
栗松温泉の翌日は轆轆(ルールー)温泉に挑むことになっていた。徒歩で片道5時間という長丁場。道もわかりづらく、ガイドをつけなければ危険だという。僕らの体力では日帰りは難しいようで、テント泊になるそうだ。
しかし台湾の猛暑と栗松温泉への険しい山道に体力を奪われ、はたして轆轆温泉に辿(たど)り着けることができるのか……という不安が頭をもたげてきていた。とにかくゆっくり寝ること。幸い、泊まった下馬民宿のある村は、標高が1000メートルを超え、暑さも遠のいていた。冷房を使わず、こんこんと寝た。そして朝……。
今回の旅のデータ
台湾の民宿は、基本的に夕飯はつかないことが一般的だと思っていい。地方の民宿の宿泊代は500元から600元、約1850円から約2220円といったところだが、この金額に含まれるのは朝食のみ。なかには朝食がつかないこともある。下馬民宿のように周囲に食堂がない場合は、宿に併設した食堂がある。日本の旅館のようにおまかせ夕食。焼き肉、野菜炒め、焼き魚、スープにご飯でひとり200元、約740円だった。
Scene01
気持ちのいい朝だった。下界は朝の7時には気温が30度を超える日々だったが、標高1200メートルほどの下馬は25度前後。民宿から見える中央山脈を朝日が照らしはじめる。しかし気分は晴れない。本当に今日、轆轆温泉に行くことになるのだろうか。朝から民宿のご主人はガイド探しに奔走してくれていた。
Scene02
結局、ガイドの手配はできなかった。筋肉痛の足をいたわりながら、胸をなでおろす。ここは先住民族、ブヌン族の村。山をよく知る彼らはガイドとして人気だった。登山シーズンの夏は、玉山方面のガイドに駆り出されているという。写真はガイド探しで頑張ってくれた宿のご主人、邱永福さん(左)と奥さん(中央)、娘さん。
Scene03
轆轆温泉に行かなくてもいいとなると、急に精神的に余裕が出てくる。で、確認のために轆轆温泉の登山口へ。南部横貫公路(なんぶおうかんこうろ)から折れ、山に入っていく。簡易舗装の道を進むと1軒の家があったが、3匹の犬にほえまくられて退散。ここから一気に山をくだり、東海岸に沿って北上していくことになる。
Scene04
山からくだる途中、村の人に聞くと、3キロほど下に行ったところに温泉ができたという。ゲートは閉まっていたが、その脇から入ると立派な温泉。しかし誰もいない。役所からの許可を待っているようだ。この一帯は少し掘れば温泉が出るってこと? 地図にない温泉を探しながら北上することにした。
Scene05
平地に出た。周囲に水田が広がっていた。この一帯は池上米という米の産地。台湾では一目置かれるブランドとか。その米を使った駅弁は、人気らしい。池上駅前の店でゲットしました。80元、約296円。まだ昼には早い。どこで食べた? それはシーン11の写真で。
Scene06
どうやって無名温泉を探す? とりあえず富里郷公所を訪ねてみた。日本でいう町役場だ。ありました。富里郷石牌村というところに温泉が流れ出ているという。職員は村長さんに連絡をとってくれた。と、村長、直々に案内してくれるという。なんだか皆、とても親切です。
Scene07
村長さんがやってくるのを待つことに。その間に、この旅の案内人、廣橋(ひろはし)賢蔵さんの車は……。買ったときはかなりの値段だったはずのドイツ車は、犬におしっこをかけられ、ボディーは傷つき……。そのうちに片側のドアが開かなくなってしまった。悪路を走りすぎた? 台湾の超秘湯旅は体と車を酷使する旅ですなぁ。
Scene08
村長の楊文慶さんがやってきた。地元で霊芝(レイシ)の栽培や販売を手がけているという。霊芝は漢方薬や健康食品に使われるキノコだ。彼の車の後を追って、山に向かっていく。こんな道を?という山道をずんずん進んでいく。先にあるのは、栗松温泉のような険しい道? 脳裏に不安がよぎる。
Scene09
車を降り、川に沿った道をしばらく進む。そして川に下りた。「これ、のぼるんですか?」。つい、声が出てしまった。道がない。折り重なる大きな石に足をかけ、川筋をのぼっていく。何回か足をぬらして川を渡る。そしてまた大きな岩。汗が噴きでてくる。台湾の超秘湯は本当にきつい。汗を拭きながら愚痴をこぼしたくなる。
Scene10
30分ほど川筋をよじのぼっただろうか。やっと温泉に着いた。といっても、湯が流れ落ちているだけだ。「これをためればつかることができる。でも少し温度が低い」と楊さんは説明してくれる。周辺にはイオウのにおい。この川は枋仔崙渓(ファンズルンシー)という。枋仔崙渓温泉と勝手に名づけさせてもらった。
Scene11
さらに北上し、玉里神社遺址へ。日本流にいうと玉里神社跡。日本統治時代、背後の山を借景に建てられた神社の跡だった。日本が撤退し、神社の多くはとり壊された。この神社の社殿はなくなっていたが、なぜか鳥居は残っていた。その前の石段で、朝買った池上米の弁当の昼食。米の味? 普通でした。
Scene12
この日の目的地は紅葉温泉旅社。1919年、日本の警察官向けの温泉として建てられた。当時は滴翠閣(ディーツイグ)と呼ばれていたと宿の入り口の案内板に書かれていた。建物は老朽化が進んでいるが日本風。どこかほっとする。宿の前には木々が植えられ、日本の温泉風情も伝わってくる。
Scene13
暑さと枋仔崙渓温泉のぼりに疲れていた。聞くと畳の部屋もあるという。体をのばして昼寝でも……。部屋を見せてもらうと、ご主人は、「この部屋、冷房がないよ。いまの季節は誰も使わない」。早々に冷房のある板敷きの部屋に移りました。1泊600元、約2220円。朝食付きです。
Scene14
紅葉温泉旅社には温度の違う3種の浴槽があった。どれも露天風呂スタイル。建物は日本風だったが、入浴は水着着用だった。中ぐらいの温度の浴槽につかる。周囲の緑がまぶしい。緑島の朝日温泉、紅葉谷温泉、栗松温泉……いくつかの温泉をまわってきたが、ひさしぶりに普通の温泉。やっぱり温泉は普通がいい?
Scene15
夕食は近くの瑞穂(ルイスイ)の街に買い出しにでかけた。車で10分ほど。典型的な地方都市の風情だがスーパーや食堂はそろっていた。カモ肉、ギョーザ、野菜炒め。台湾の食堂はテイクアウトする人が多いようで、それ用の容器もしっかりそろっていた。これでひとり140元、約518円。
【次号予告】次回は紅葉温泉旅社から清水断崖へ。下部☆よりご覧いただけます。
※取材期間:2019年7月30日
※価格等はすべて取材時のものです。
(文 下川裕治、写真 中田浩資 / 朝日新聞デジタル「&TRAVEL」)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191002-00010003-asahiand-int

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