北海道新聞 10/31 05:00
東京五輪のマラソン・競歩会場の行方について、中央政界も注視する。政府・与党幹部は札幌開催に理解を示すが、世論が割れていることもあり、与野党から懸念も出ている。
菅義偉官房長官は30日の記者会見で「検討状況を静かに見守ってるところだ」と述べるにとどめた。だが周囲に「(札幌開催は)北海道にとって最高だ」と繰り返し、道内出身の橋本聖子五輪相も前向きとされる。
菅氏らが理解を示すのは札幌開催が浮上した経緯と関係する。国際オリンピック委員会(IOC)から打診を受けた大会組織委員会会長の森喜朗元首相は、安倍晋三首相の派閥の大先輩だ。森氏は公表前、首相や橋本氏らに根回しした。
官邸内には、五輪に合わせて胆振管内白老町に開業するアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の集客に期待する声がある。ウポポイは菅氏の発案で年間来場100万人の高い目標を掲げる。
東京開催を訴える小池百合子東京都知事との距離感も背景にありそうだ。自民出身ながら、2017年の衆院選前に希望の党を結成し、政権を脅かした。「北方領土でやったらどうか」とも発言した小池氏に政権幹部は冷ややかで、関係が良好な二階俊博幹事長ですら「(札幌で)仕方がないんじゃないか」と話す。
小池氏に同調する声はある。当初は札幌賛成が優勢だった報道各社の世論調査で、反対が上回る結果も出始め、東京選出の自民衆院議員は「札幌だと残念だ。もはや東京五輪ではなくなる」と指摘する。
野党は地域間対立を避けたいとして静観する向きが多いが、こうした中、立憲民主党の初鹿明博衆院議員(比例代表東京ブロック)は30日の衆院文部科学委員会で「日程をずらすのが一番だ」と主張し、あくまで東京で行うべきだと求めた。(金子俊介、佐藤陽介)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/359942
東京五輪のマラソン・競歩会場の行方について、中央政界も注視する。政府・与党幹部は札幌開催に理解を示すが、世論が割れていることもあり、与野党から懸念も出ている。
菅義偉官房長官は30日の記者会見で「検討状況を静かに見守ってるところだ」と述べるにとどめた。だが周囲に「(札幌開催は)北海道にとって最高だ」と繰り返し、道内出身の橋本聖子五輪相も前向きとされる。
菅氏らが理解を示すのは札幌開催が浮上した経緯と関係する。国際オリンピック委員会(IOC)から打診を受けた大会組織委員会会長の森喜朗元首相は、安倍晋三首相の派閥の大先輩だ。森氏は公表前、首相や橋本氏らに根回しした。
官邸内には、五輪に合わせて胆振管内白老町に開業するアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の集客に期待する声がある。ウポポイは菅氏の発案で年間来場100万人の高い目標を掲げる。
東京開催を訴える小池百合子東京都知事との距離感も背景にありそうだ。自民出身ながら、2017年の衆院選前に希望の党を結成し、政権を脅かした。「北方領土でやったらどうか」とも発言した小池氏に政権幹部は冷ややかで、関係が良好な二階俊博幹事長ですら「(札幌で)仕方がないんじゃないか」と話す。
小池氏に同調する声はある。当初は札幌賛成が優勢だった報道各社の世論調査で、反対が上回る結果も出始め、東京選出の自民衆院議員は「札幌だと残念だ。もはや東京五輪ではなくなる」と指摘する。
野党は地域間対立を避けたいとして静観する向きが多いが、こうした中、立憲民主党の初鹿明博衆院議員(比例代表東京ブロック)は30日の衆院文部科学委員会で「日程をずらすのが一番だ」と主張し、あくまで東京で行うべきだと求めた。(金子俊介、佐藤陽介)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/359942