先住民族関連ニュース

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オオジシギ追ったHTB番組が高柳賞最優秀賞に(動画)

2018-01-20 | アイヌ民族関連
HTB 2018/01/19(金) 19:31 掲載
渡り鳥「オオジシギ」を追ったHTBのドキュメンタリー番組が科学放送高柳賞の最優秀賞を受賞しました。
 「HTBノンフィクション・カムイの鳥の軌跡」はオオジシギが日本とオーストラリアをどう旅しているのかを世界で初めて明かしたことに加え、アイヌの神話を織り交ぜ、詩情豊かに仕上げた作品だと評価されました。番組を制作した山上暢ディレクターは「科学的で難解なテーマをできるだけわかりやすく伝えられるよう心がけた」と受賞の喜びを語りました。番組は「HTB北海道onデマンド」で無料で視聴できます。
https://www.htb.co.jp/news/archives_535.html


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アイヌ民族遺骨 北大が照合調査 返還訴訟で

2018-01-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞01/19 05:00
 【旭川】アイヌ民族の遺骨返還をめぐる訴訟で、旭川アイヌ協議会(川村兼一会長)などと係争中の北大は18日、新たに同大で見つかった頭蓋骨のない2箱分の遺骨が、過去に協議会に返還した遺骨5体と関係があるかどうかを調べる作業を始めた。
 5体は旭川市内の墓から掘り出されたもので、1951年から同大が研究目的で保管し、85年に協議会に返還した。その後、これとは別に遺骨2体が同大に残っていることが分かり、協議会などは、この2体の返還を求めて昨年7月に提訴した。
 さらに、この訴訟の中で、頭蓋骨のない2箱分の遺骨が北大にあることが分かり、関連性を調べる。85年に返還された遺骨5体は、いずれも体全体の骨がそろっておらず、2箱分の遺骨と照合して同一人物の遺骨かどうかを鑑定する。現在返還を求められている遺骨2体とも照合するという。
 北大関係者らは18日、川村会長と旭川市の旭岡墓地を訪れ、納骨堂から遺骨5体を取り出した。北大側の代理人弁護士は「鑑定には2週間から1カ月かかる」と話した。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/157750

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LandSkip、北海道150年記念「赤れんが庁舎プロジェクションマッピング」を制作

2018-01-20 | アイヌ民族関連
東洋経済2018年01月19日

リリース発行企業:株式会社ランドスキップ
株式会社ランドスキップ(代表取締役 下村 一樹)は、北海道命名150年を記念して実施される「赤れんが庁舎プロジェクションマッピング」の企画・演出・制作を手がけました。北海道150年事業パートナーの加森観光株式会社(代表取締役 加森公人)が主催となり、道庁赤れんが庁舎(札幌市)で1月19日から2月25日まで開催されます。
[画像1: https://prtimes.jp/i/17046/13/resize/d17046-13-748179-0.jpg ]
北海道は、2018年に命名されて150年を迎えました。北海道150年を記念して、国重要文化財である道庁赤れんが庁舎に映像を映し出す「赤れんが庁舎プロジェクションマッピング」が1月19日から2月25日まで開催されます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/17046/13/resize/d17046-13-538226-3.jpg ]
LandSkipは、本プロジェクションマッピングの企画・演出・制作を担当。アイヌの神の使いであるシマフクロウが誘う大地創造の物語を、高さ14.6メートル、横54.5メートルの庁舎壁面に描き出します。白銀の北海道の夜を彩るプロジェクションマッピングをどうぞお楽しみ下さい。
開催概要
[画像3: https://prtimes.jp/i/17046/13/resize/d17046-13-703519-1.jpg ]
イベント名:道庁赤れんが庁舎プロジェクションマッピング「KAMORI Wonder Lights - 大地 -」
場所:北海道庁旧本庁舎(道庁赤れんが庁舎)
会期:2018年1月19日(金)~ 2月25日(日)
時間:18:30~20:30(12分の映像を10回放映)
主催:加森観光株式会社
企画・演出・制作:株式会社ランドスキップ
協力:公益社団法人北海道アイヌ協会、
一般財団法人アイヌ民族博物館
株式会社ランドスキップ
[画像4: https://prtimes.jp/i/17046/13/resize/d17046-13-854709-2.jpg ]
風のざわめき、緑の木もれ日、打ち返す波。私たちは「風景の流通」をビジョンに、だれもが心癒される世界を実現します。
本社所在地:〒104-0028 東京都中央区八重洲2-8-7 Diagonal Run Tokyo
代 表 者:代表取締役 下村一樹
設立年月:2015年6月1日(景観の日)
事業内容:風景配信サービス(LandSkip)バーチャルウィンドウ(Virtual Window)空間デザイン(Digital Space Design)
U R L:http://www.landskip.co.jp
関連するプレスリリース
LandSkip、北海道銀行と観光VRで業務提携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000017046.html
LandSkip、日本自然保護協会と事業連携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000017046.html
LandSkip、都内老人ホームにバーチャル・ウィンドウ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000017046.html
LandSkip、成田空港に「風景」を配信
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000017046.html
以上
http://toyokeizai.net/ud/pressrelease/5a61470a7765612418100000

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道庁赤れんがに自然や文化 加森がプロジェクションマッピング

2018-01-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞01/19 05:00
 観光レジャー業大手の加森観光(札幌)は19日~2月25日、札幌市中央区の道庁赤れんが庁舎に北海道の自然やアイヌ民族の世界観をイメージした映像を投影するプロジェクションマッピングを行う。
 北海道150年の記念企画で、同庁舎での本格的なプロジェクションマッピングは初めて。毎日午後6時半~8時半に、12分間の映像を10回放映する。観覧無料。天候不良で中止することもある。
 初日の19日午後5時半からオープニングセレモニーを行い、映像説明やカウントダウン上映をする。終了後に甘酒餅を先着150人に配る。問い合わせは道150年事業室(電)011・204・5995へ。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/157754

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「象徴空間」誘客に4億円 道予算案に計上へ アイヌ文化PR

2018-01-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/19 05:00
 道は、政府が2020年4月に開設するアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間」(胆振管内白老町)の誘客に向け、関連イベントやPRに関する事業費約4億円を新年度予算案に盛り込む方針を固めた。政府が掲げる年間来場者100万人の目標達成を後押しする。道内外で伝統舞踊を披露するイベントなどを開催するほか、海外でも先住民族文化がある国でPR事業を行う。
 観光による地域活性化を掲げる道は20年度の来道観光客数の目標を6千万人(16年度は5466万人)に据える予定。象徴空間の開設を好機として政府のPR事業との相乗効果で集客を促し、目標達成を目指す。事業費は国内向けに約3億数千万円、海外向けに約8千万円を計上する見込みで、関連予算案を2月下旬開会予定の定例道議会に提出する。
 国内向けには、札幌市、帯広市、日高管内新ひだか町、仙台市、福岡市、那覇市の6カ所で伝統舞踊の披露や、伝統的な生活を疑似体験できるイベントを開催。12月には道内で象徴空間開設500日前の記念イベントも実施する予定だ。
 海外向けには、先住民族文化がある米ハワイ州やニュージーランドなどの国・地域でPR事業を行う。先住民族に関心がある人たちにアイヌ文化の魅力を知ってもらい、海外からの集客につなげる狙い。
 象徴空間は、国立アイヌ民族博物館、体験交流ホールなどを備えた国立民族共生公園、アイヌ民族の遺骨を納める慰霊施設を整備する。道は部長職のアイヌ政策・文化振興監(仮称)を新設する方向で調整しており、象徴空間開設に向けた体制も強化する。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/157746

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アイヌ文様に見る精神性

2018-01-20 | アイヌ民族関連
読売新聞2018年01月19日
武四郎ゆかり 松阪で作品展
 幾何学的なデザインが特徴の「アイヌ文様」の刺しゅうなど、アイヌの工芸作家による作品展が松阪市外五曲町の市文化財センターで開かれている。
伝統の着物など女性作家170点

「アイヌ文様」が施された作品の解説をする竹内さん
 松阪市は、蝦夷えぞ地を北海道と名づけ、アイヌの理解者でもあった探検家松浦武四郎の出身地で、松阪木綿が特産の織物ともゆかりが深い地であることから、展示会の開催につながった。
 展示されているのは、女性作家3人が制作した約170点。自然界の全てのものを「カムイ(神)」とあがめ、畏敬の念を抱く自然を抽象化した「アイヌ文様」を施した伝統の着物や現代的なワンピース、バッグ、コースターなどが並んだ。
 作家の竹内あけみさん(59)(札幌市)は、暗闇でも見通せる目を持つフクロウをモチーフにした文様には、魔よけの意味があると解説。「アイヌに生まれた者として薄れつつある文化を伝えるために一針一針、心を込めて縫っている。北海道とつながりのある三重の多くの人に見てほしい」と語った。
 21日まで(午前9時~午後5時、最終日は午後3時まで)。入場無料。
http://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20180119-OYTNT50102.html

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着物はじめ170点 松阪で21日まで /三重

2018-01-20 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2018年1月19日 地方版
 松阪市出身で北海道の名付け親で知られる探検家、松浦武四郎(1818~88年)の生誕200年記念事業の一環の「アイヌ工芸作品展」が18日、松阪市外五曲町の同市文化財センターで始まった。
 武四郎は江戸時代末期、アイヌ民族の悲惨な状況を克明に記録し、交流を深めた。作品を展示したのは北海道アイヌ協会員で、工芸品制作や古舞踊の伝承に取り組む竹内あけみさん、結城志穂さん、内山藤子さん=写真(右から)。
 アイヌ模様の刺しゅうを施した着物をはじめ、頭巾や木の皮を繊維にして編み上げたバッグ、草木を加工した花ござなど約170点を展示した。初日は約50人が参加して開会式典があり、竹内さんが作品を説明。「長い歴史を誇り、武四郎と深いつながりがあるアイヌ文化をぜひ見てほしい」と話した。21日まで。【橋本明】
〔三重版〕
https://mainichi.jp/articles/20180119/ddl/k24/040/225000c

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松阪でアイヌ工芸作品展 武四郎生誕200年を記念 三重

2018-01-20 | アイヌ民族関連
伊勢新聞2018-01-19
【竹内さん(中央)らのアイヌ工芸作品展=松阪市外五曲町の市文化財センターで】
【松阪】三重県松阪市出身の北海道の名付け親、松浦武四郎の生誕200年を記念したアイヌ工芸作品展が18日、松阪市外五曲町の市文化財センター第3ギャラリーで始まった。入場無料。会期は21日まで。
札幌、釧路両市に住むアイヌ工芸作家の竹内あけみさん、内山藤子さん、結城志穂さんが主催。幕末にアイヌの協力を得ながら蝦夷地を探検し、アイヌへの迫害を告発した武四郎の生誕200年にちなみ、生誕記念事業のプレイベントとして開いた。
3人が制作したアイヌ文様の刺しゅうが入った民族衣装や、ガマで編んでクルミで染めた花ござなど約百点を出品。儀礼で用いる酒器「シントコ」を会場に飾り、アイヌ文化や武四郎関係の映像を上映している。制作実演や刺しゅうの講習も開催。
札幌市北区の竹内さん(59)は「松阪へは武四郎まつりで訪れて以来2回目。衣装はほとんど松阪木綿で作っている。地道な作業。自然と共生するアイヌ文化を次の世代につなげたい」と話していた。
http://www.isenp.co.jp/2018/01/19/13054/

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アイヌ文化発信 ガイド育成提案 周遊ルート協議会

2018-01-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞01/19 05:00
 道内6地域のアイヌ民族関係団体などでつくる「アイヌ文化周遊ルートづくり協議会」は18日、広域ルートづくりを紹介する報告会を札幌市内で開いた。観光関係者ら7人によるパネルディスカッションなどが行われ、市民ら約60人が耳を傾けた。
 パネルディスカッションでは、観光に関わるアイヌ民族の人材育成やアイヌ文化の発信について意見を交換した。地域のブランド化に詳しいアナリスト仲野里美さんは、秋田県内の五つの蔵元の若手が日本酒の魅力を発信する「ネクスト5」の活動を挙げ、「人を際立たせる手法は効果的で、リピーターにもつながる」と提言。協議会の秋辺日出男会長は「アイヌとして誇りを持って語れる一流のガイドを育てたい」と話した。
 協議会は本年度の現地視察を報告し、旭川では旭山動物園で民族と関わりが深い動物を紹介するガイドの育成の必要性などが提案されたことを紹介した。
 協議会は昨年5月に発足し、3年かけてルートづくりを目指す。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/157751

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アイヌ文化拠点化で集客 シンポ開催【札幌】

2018-01-20 | アイヌ民族関連
釧路新聞 2018年01月19日
 釧路市阿寒湖温泉をはじめ、道内のアイヌ文化を地域ごとに磨き上げて観光資源化し周遊してもらう「アイヌ文化周遊ルート造成事業(ユーカラ街道構想)」の事業報告会を兼ねたシンポジウムが札幌市内で開かれた。白老町に整備中の民族共生象徴空間の2020年オープンで来道する国内外の旅行者に各拠点を巡ってもらい、その経済効果を道内全体に波及させる。阿寒湖地域主導の取り組みで、19年度までにルートを造成する方針。     
http://www.news-kushiro.jp/news/20180119/201801193.html

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カンタス航空、787-9「VH-ZND」にアボリジニ・デザインを採用

2018-01-20 | 先住民族関連
flyteam.jp2018/01/19

カンタス航空は2018年1月18日(木)、 787-9にオーストラリアの先住民アボリジニ風のデザインを採用した特別塗装機を就航すると発表しました。オーストラリア先住民やトレス海峡諸島民への敬意を払う活動の一環として、最新のドリームライナーを迎えます。
カンタス航空は20年前からアボリジニをイメージする特別塗装機を運航しており、これが5機目です。新たな787-9は2月に納入される予定で、機体記号(レジ)は「VH-ZND」となります。また、カンタス航空が運航するアボリジニ・デザインの機体は運航中のものでは3機、このうち国際線に投入されるのは、「VH-ZND」のみです。
オーストラリアでは、18世紀から始まったイギリスによる植民地化以降、先住民やトレス海峡諸島民に対して長年に渡り、迫害や差別が行われてきた歴史があります。20世紀中にも白豪主義と呼ばれる人種差別政策が採られ、多くの人々が犠牲となりました。
なお、787-9に描かれるデザインは、先住民が運営するデザイン・スタジオBalarinjiが手がけます。「VH-ZND」はカンタス航空の4機目の787-9で、2018年3月初旬にアリススプリングスで歓迎イベントが開催されたのち、メルボルン/ロサンゼルス線、パース/ロンドン線に投入される予定です。
ニュースURL: Qantas - Qantas announces special Indigenous aircraft livery
https://flyteam.jp/news/article/89390

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アステカ人の大量死、原因はサルモネラ菌か

2018-01-20 | 先住民族関連
ナショナルジオグラフィック2018.01.19
16世紀に大流行した疫病「ココリツリ」、遺骨から病原菌を特定

発掘調査が始まる前の、テポスコルラ・ユクンダー集団墓地の大広場。(PHOTOGRAPH COURTESY OF CHRISTINA WARINNER, TEPOSCOLULA-YUCUNDAA ARCHAEOLOGICAL PROJECT)
 現在のメキシコ南部に、かつて栄えたアステカ文明。ヨーロッパ人がやって来て、この地域を支配した直後の1545~1550年、恐ろしい疫病が蔓延し、500万~1500万人のアステカの人々が命を落とした。疫病は地元の人々にココリツリと呼ばれていたが、その正体は500年間謎に包まれていた。(参考記事:「アステカ 解明される王国の謎」)
 だが、科学誌『Nature Ecology and Evolution』に発表された最新の研究で、その原因は致死率の高いサルモネラ菌だった可能性が指摘された。
 メキシコのテポスコルラ・ユクンダー集団墓地は、ココリツリとの関連がわかっている唯一の墓地である。この墓地で見つかった遺骨の歯を分析したところ、10人の歯からサルモネラ菌(Salmonella enterica)のひとつであるパラチフスC菌のDNAが確認された。
 論文の著者でドイツ、マックス・プランク研究所のアーシリ・ウォージン氏によれば、この菌は腸チフスとよく似たパラチフス感染症の一種を引き起こすが、現代では極めてまれな菌であるという。他のサルモネラ菌と同様、汚染された食物や水を摂取することで感染し、死に至る。症状は、発熱、嘔吐、そして発疹などだ。(参考記事:「「黒死病」はネズミのせいではなかった?最新研究」)
古代のDNAを採取
 歴史家や考古学者はこれまで、ココリツリが血液の感染症ではないかと考えていた。当時のスペイン人や先住民が描き残した絵には、鼻や口から出血する感染者が描かれている。(参考記事:「シリーズ:エボラ出血熱、被害国の実情ルポ」)
 だが、直接的な物的証拠を見つけるのは難しい。「目に見える手掛かりが骨に残らない病のひとつです」とウォージン氏。ほとんどの病気がそのように手掛かりを残さないとも付け加えている。
 そこで、病原菌の痕跡を探すため、24人の遺骨の歯に残っていた500年前のDNAを調べることにした。DNAの解析には、MALTと呼ばれる、既知のすべての病原菌に関する情報が保存されたプログラムを用いた。
「仮説を立てる必要がないという点が重要でした」。論文の共著者で、同じくマックス・プランク研究所のアレクサンダー・ハービッグ氏はいう。この解析法であれば、研究者はいくつかの異なる病原菌にしぼって仮説を立てることなく、データベースにある豊富な情報とDNAを照らし合わせるだけですむ。
 その結果、24人のサンプルのうち10人から、サルモネラ菌の痕跡が見つかった。この24人は全て、ヨーロッパ人が新大陸に進出してきた後に亡くなった人々だったが、他にもヨーロッパ人上陸前に埋葬された5人のサンプルも調べてみると、いずれもサルモネラ菌のDNAは発見されなかった。
ヨーロッパ人が持ち込んだものか
 歴史的記録によれば、ヨーロッパ人は、天然痘やはしかなど、様々な伝染病をアメリカ大陸へ持ち込んだ。その結果、こうした病気に全く免疫を持っていなかった先住民に大打撃を与えた。
 ウォージン氏とハービッグ氏も、スペイン人がメキシコにやってきたとき、同じことが起こったと考えている。
 2017年2月に公開された研究で、これと同じサルモネラ菌株が1200年に死んだノルウェー人女性のDNAから発見されたことがわかっている。つまり、16世紀にアステカ人の命を奪ったかもしれない菌株が、その300年前に太平洋の反対側に存在していたということだ。
 ウォージン氏は、病原菌がそれ以前からメキシコに存在していた可能性も考えられるというが、そのような証拠はまだ見つかっていない。(参考記事:「「人食いバクテリア」とは何か? 対処法は?」)
疫病のルーツ
 メキシコの歴史に残るアウトブレイクが本当にサルモネラ菌によるものであるかを確かめるには、他の埋葬地から採取したDNAもさらに調べる必要があるという。
「私の直感ですが、あの疫病には複数の要因が関わっていたと思います」と、米ウィスコンシン大学マディソン校で感染を研究するケイトリン・ペペレル氏はいう。同氏は、今回の研究には関わっていない。
 ペペレル氏によると、植民地化の結果「食糧供給路が混乱し、飢饉が起こり、人口密度が変化し、人が移動し」、そこから生まれた様々な要因が働いていたのではないかという。(参考記事:「希少な古代アステカの地図、16世紀メキシコを描く」)
 米アリゾナ州立大学進化・社会変化学部のアン・ストーン氏も「はっきりとは言えませんが、先住民には新しい病気で、あそこまで被害が大きくなったことから、恐らくヨーロッパが起源なのだと思います」とコメントした。この説を立証するには、より多くの埋葬地からDNAを採取することだと、ストーン氏はいう。(参考記事:「アステカの犬だけの墓を発見、メキシコ」)
 ウォージン氏も、ココリツリ犠牲者の埋葬地が他にも特定されなければ、今回の結果は仮説にとどまるだろうと認めている。その時まで、ハービッグ氏はDNA解析を使って、人類の歴史に影響を与えた重大な病について研究を続けたいとしている。
文=Sarah Gibbens/訳=ルーバー荒井ハンナ
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/011800021/?P=2

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