先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

ボルネオ島農村部での障害者支援

2017-07-07 | 先住民族関連
Ministry of Foreign Affairs of Japan (プレスリリース)
原稿執筆 在コタキナバル日本国領事事務所
先住民族の村で障害者福祉に取り組む日本人
 ボルネオ島のサラワク州シブ,先住民イバン族が暮らす村落に障害者福祉施設「ムヒバ」はあります。ムヒバはシブ在住の日本人,中澤健氏により2007年に設立され,農村部に居住する障害者へのデイサービスを提供しています。この活動を,日本政府の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」による支援が支えてきました。
日本政府による草の根支援 日の丸を付けた送迎車が運ぶ笑顔
 この施設は中澤健氏に賛同する多くの地元住民等の協力により建設されましたが,当時,活動を始めるにはまだ課題がありました。施設利用者の住居は農村部に点在していますが,家庭は総じて貧しくそのほとんどが自家用車を持たないため,自力で施設に来ることができないのです。バスなどの公共交通もありません。
 また,「ムヒバ」の運営協会の活動資金は,助成金や寄付金等によりまかなっているため車両を購入するための余裕はなく,この状況を解決するため,日本政府から利用者送迎のための車両が供与されました。
供与品の引渡式には,州福祉局の職員や地元住民,約100名が駆けつけ,皆で盛大に祝福しました。

引渡式,伝統衣装で出迎える施設利用者とスタッフ
 ムヒバ代表と来賓の国会議員からは日本国民に対する感謝の言葉が述べられ,式の最後には,供与車両に日章旗のステッカーが貼られました。供与品の活躍もあり,当初4名だった利用者は年々増加し,今では25名に。今日も日の丸を付けた送迎車が,利用者の笑顔とともにボルネオの大地を走ります。
両国友好の礎として
 「ムヒバ」は現地語で「ハーモニー」を意味します。この名前のとおり,国,民族を超えた協力の下,施設では様々な個性を持つ人達が互いに助け合い活動しています。サラワク州農村部では障害者福祉が進んでいない中,ムヒバはモデル的な活動として認められ,政府からの支援も始まりました。新聞にも特集が組まれ,中澤健氏は「サラワクで愛の種を植える日本人夫婦」と紹介され,地域における親日感情の醸成にも繋がっています。
 2017年,日本とマレーシアは外交関係樹立60周年を迎えましたが,このような正に草の根の取組が,両国の友好関係を国民レベルからより強固なものにしています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/hanashi/page22_000612.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変わるマレーシア阻む守旧的政治、真の現代化へ課題山積-Quicktake

2017-07-07 | 先住民族関連
ブルームバーグ 2017年7月6日 13:40 JST
1957年にマレーシアが英国から独立して以来、多くの点が変わった。マレーシアは入植者が切望していたスズやゴムの生産から、エレクトロニクス製品工場ややし油用農園に軸足を移した。今やイスラム金融の拠点になっており、世界有数の超高層ビルが並び立つ国でもある。
  しかし変わらない点も多い。少数民族に不利な数十年来の法令に加えて、汚職や縁故主義も根強く残っている。政党の党首から一般大衆へと資金が渡っていく金権政治もまかり通っており、与党連合が60年にわたって政権を維持する一因になっている。首相の汚職疑惑に対する抗議デモが行われてもなお、野党が近い将来に現状を打破する公算は小さく、より開かれた現代的国家となるためのマレーシアの取り組みは後退しているとの指摘も聞かれる。
汚職疑惑
  汚職スキャンダルの舞台は、ナジブ首相が2009年に設立し、1MDBという略称で知られる政府系投資会社だ。米司法省は首相の個人口座に預け入れられた6億8100万ドル(現在の為替レートで約770億円)が1MDBから盗まれたものだと主張。これに対し首相はサウジアラビアからの寄付金であり、所属する統一マレー国民組織(UMNO)と「一般社会で必要とされているもの」に資金を充当したと説明した。このスキャンダルはスイス、シンガポールなど複数の当局が捜査に乗り出す事態に発展した。
  マレーシアの捜査当局は首相に不正行為はなく6億2000万ドルが寄付者に返金された上に、首相が他のいずれの捜査の対象にもなっていないと説明した。米当局は1MDBからは35億ドル以上の金額が不正に引き出されており、一部は「ウルフ・オブ・ウォールストリート」という映画の製作費に充てられたと主張している。
  数万人が参加する反汚職デモが行われた。しかし、それから1年しか経っていないにもかかわらず、16年の州議会選挙では与党連合の国民戦線が圧勝し、18年中盤に予定されている総選挙でも勝利する可能性がうかがえる。その一因は、現首相批判の急先鋒アンワル・イブラヒム氏が14年に同性愛の罪で収監された後(人権擁護団体によれば政治的動機に基づく事件)、内輪もめが激化して野党が分裂しているためだ。現政権はまた反対派を弾圧し、扇動に関する法律を根拠にメディア幹部や活動家、風刺漫画家さえも拘束している。
人種間の緊張と優遇策
  マレーシアは1998年のアジア通貨危機時の経済的打撃から立ち直って、コモディティー大国としての地位を確立した。今やアジア唯一の原油純輸出国で、世界2位のやし油出荷国になっている。人口3170万人のこの国には世界で最も高いツインタワーと世界最大のイスラム債市場が存在する。安定した政府に投資家寄りの政策、およびイスラム教という寛容なブランドも寄与して、マレーシアは欧州・アジア間の通商の導管としての歴史的役割を基盤に自国を築いている。
  この国の歴史はまた、人種間の緊張によっても形作られてきた。1969年にマレー系と中国系との間で民族衝突が起きた当時、ナジブ氏は10代だった。父親のアブドゥル・ラザク・フセイン氏がその翌年に首相に就任し、マレー系と先住民族から成るブミプトラ、いわゆる「土地の子」を優遇し、中国系の実業支配を減らす制度を打ち出して収拾に当たった。住宅費用軽減や大学奨学金などの優遇策は今も続いている。

なお続く論争
  ヒューマン・ライツ・ウオッチなど批判的な立場を取るグループは、マレーシアには反対派の伸張やより自由なメディア、およびより強力で独立した汚職取締機関が必要であり、今後スキャンダルが再び起きないようにするため汚職を促すような利権政治を根絶すべきだと主張している。選挙資金規制を強化すれば、金権政治のまん延は軽減されるだろう。ナジブ首相がこうした指摘に応じて設立した委員会の委員長は、海外や政府系からの寄付を禁じる意向を示した。
  財界首脳はブミプトラ政策が競争を妨げ、既に他の東南アジア諸国に後れを取り始めている経済の足かせになっていると主張。これに対して政府は、マレー系の経済的窮状を改善するためにブミプトラ政策は依然必要だと主張している。ナジブ首相は景気浮揚を狙って高速道路や輸送手段に数十億ドルを投じる一方、財政状況改善のために燃料と砂糖に関する助成金を撤廃している。マレーシアの学識者は、国内でイスラム教徒が過激化する可能性に警鐘を鳴らしている。
原題:Malaysia’s Modern Ambitions Curbed by Politics of Old: QuickTake(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-07-06/OSNGA46KLVRA01

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

釧路空港、アイヌ文化を紹介するショーケースの展示品をリニューアル

2017-07-07 | アイヌ民族関連
FlyTeam2017/07/06 11:35
釧路空港の1階到着ロビーに、アイヌ文化を紹介するショーケースが設けられていますが、2017年7月3日(月)に展示品の入れ替えが行われました。新たな展示物は、鮭の皮とシナノキで作った「チェブケリ」という靴や、「マタンブシ」というはちまきなどを見る事ができます。
これらの展示品は、アイヌ文化振興・研究推進機構の支援を受け、同機構が収蔵している工芸作品などが公開されています。釧路空港では、来港時には見学して欲しいと呼び掛けています。
期日: 2017/07/03から
http://flyteam.jp/news/article/81294

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自然に感謝の祈り 伝統儀式「シラッチセカムイノミ」-恵庭アイヌ協会

2017-07-07 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 2017/07/05

トノトをささげる藤原会長=2日
 恵庭アイヌ協会(藤原顕達会長)は、恵庭市盤尻にあるヒグマの送り場跡「シラッチセ(岩屋)」で祈りの伝統儀式「シラッチセカムイノミ」を千歳アイヌ協会(中村吉雄会長)の協力を得て2012年から行っている。ここには祭壇やクマの頭骨、当時アイヌ民族が寝泊まりした跡も残り、中村会長は、こうした場で今もシラッチセカムイノミを行うのは国内で唯一とみている。
 恵庭や千歳はかつてヒグマが多く生息している地域として知られ、恵庭市内にはシラッチセが5カ所確認され、うち1カ所は軟石だったため4年前に崩落している。この日儀式を行ったシラッチセではかつて、アイヌ民族が自然への感謝を込めて仕留めたヒグマの魂を天に送る儀式「シラッチセカムイノミ」を執り行っており、祭壇などの送り場が残っている。そのほかに、火を使った跡や飯ごうなどの道具も見つかっており、かつてこの場で寝泊まりしながらヒグマ猟をしていたことがうかがえる。
 中村会長は「飯ごうなどが残っているのは、ここで寝泊まりしていたということ。アイヌ民族は、シラッチセに次に来る人が食料に困らないよう、自分たちの食料をこの場に残して絶やさないようにしていた。慈しみ、優しさの跡だ」と語る。自身の親戚が関わっていたことから、このシラッチセは少なくとも120年前よりも古いという。
 この場は地元の元猟師が今から60年以上前にアイヌ民族の友人から託され、恵庭猟友会として儀式を行い守り続けてきた。中村会長がこの元猟師から相談を受け、12年に恵庭アイヌ協会が引き継いで毎年、文化伝承のためにこの儀式を執り行うこととした。
 中村会長は「自分は別の地域でシラッチセカムイノミを執り行っているのを聞いたことがない。全国でここだけだと考えている」と話す。
 今月2日にも、恵庭アイヌ協会の会員や中村会長、苫小牧アイヌ協会の澤田一憲会長など約20人が参加して儀式を執り行った。木を薄く削って作ったイナウを祭壇にささげた後、祈りの言葉を口にしながらトノト(お神酒)もささげた。終了後には近くの森の中で交流会も開いた。
 恵庭アイヌ協会の藤原会長は「さまざまな人の手で長年守られ続けてきた大切な場所。これからも、儀式を長く続けていきたい」と話している。
https://www.tomamin.co.jp/news/area1/11657/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[アイヌとして 文化振興法20年]娘への差別経て啓発に力

2017-07-07 | アイヌ民族関連
読売新聞 2017/07/04
 札幌市内のとある森で6月下旬、自然を楽しむサークルのメンバー約20人にアイヌの伝統料理「オハウ」などを教えた。手伝った四女さやかさん(23)も「あったまる」という参加者の声に目を細めた。
 アイヌ文化振興・研究推進機構のアドバイザーとして全国の団体や小中学校に足を運んで講演する一方、アイヌ刺繍ししゅうの教室を主宰する。積極的にアイヌ文化を教えるようになったのは、50歳代も半ばを過ぎてからだ。
 きっかけは、さやかさんが受けたいじめだった。小4の授業で、アイヌはカヤで建てた家に住んでいると教えられた。さやかさんが「こんな家には住んでいません」と反論したことで、アイヌと知られ、雑巾を投げつけられたり、意味もなく国語辞典の「アイヌ」の項を見せられたりした。学校に問い合わせると、校長らは民族差別のいじめと認め、謝罪したが、「アイヌのことを正しく知ってもらうためには、自分が経験を話さなければ」と痛感させられた。
 平取町二風谷で生まれ育った。18歳から2年ほど、道内の観光地に派遣され、伝統衣装を着て踊ったり、木彫りを販売したりした。「アイヌは見せ物か」と、嫌で仕方なかった。「観光客から一緒に写真に写ってと頼まれても、笑顔は作れませんでした」
 その後、結婚して北海道を離れ、20年以上大阪で暮らしたが、母親の看病のため帰郷、札幌に住んだ。さやかさんの一件を受け、2002年に登録していたアドバイザーの活動を本格化させた。
 7年前、岩見沢市の中学校から授業の依頼がきた。高校生になっていたさやかさんを連れて行った。中学生にはアイヌ文化ではなく、差別を伝えようと考えたからだ。さやかさんが自身の体験を語った。「いじめはつらかった」「でも中学生になって勉強して言い返せるようになった」。成長した娘の姿に胸が熱くなった。約100人の生徒の中には涙ぐむ姿もあった。
 最近は、頻繁に携帯電話が鳴り、講演依頼などが全国から舞い込む。アイヌ文化を知りたいという人すべてに応えたい。「こんな年でも人の役に立てるのは自分がアイヌだから。それが誇りです」 (黒田高史)

 アイヌ文化振興・研究推進機構アドバイザー アイヌ文化振興法に規定された業務を行う組織として設立された同機構に登録。道内外の文化団体や学校などからの要請に応じ、専門的な知識や技術を生かして、アイヌ文化の普及・啓発を行う。6月末現在、328人が登録している。
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20170704-OYTNT50164.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする