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香港 : オキュパイ・セントラルからみた二つの民主的価値観

2015-04-02 | 先住民族関連
レイバーネット日本-2015.4.1
雨傘運動のきっかけとなった学生の授業ボイコット(学生スト、9/22~9/26)では、ストの期間中に学生たちが自主講座を開催、学生を支援する教員らが熱弁をふるいました。
2014年9月22日に中文大学で行われた突入集会には1万人が集まり、翌9月23日には立法会や政府庁舎ビルに隣接する添馬公園に場所を移して、自主講座が行われました。
23日には區龍宇さんが「オキュパイ・セントラルからみた二つの民主的価値観」と題して、自主講座の講師を担当しました。
その時の映像 https://www.youtube.com/watch?v=QUFmmgE9bIY
学生ストの時間割はこちら http://www.hkfs.org.hk/strike-intro/strike-schedule/
そろそろこのネタも古くなってきたのでもうやめにしますが、これは前から訳そう訳そうとおもって先延ばしになっていたので、エイプリル・フールということで訳してみました。
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オキュパイ・セントラルからみた二つの民主的価値観
區龍宇 2014年9月23日 添馬公園メインステージ
みなさんは民主主義とは人民が主権者だという共通の価値観があると思っているかもしれません。しかし実際には当初からこの民主主義には二つの立場と方向性がありました。
一つは、上から下へ向かう民主主義です。巨大な太守運動によって、政治権力の一部を開放するものですが、これでは永遠に本当の民主主義を実現することはできません。
もう一つの民主主義は下から上へ向かう民主主義です。この民主的価値観こそ、徹底した全面的なものです。自分で勝ち取ったものだからこそしっかりとするのです。
私がこの授業で言いたいことの一つ目は、「教授」とは何なのか、ということです。みなさんもご存じのとおり、「教授」を名乗るある人物(李國章のこと。元中文大学学長、政府教育統括局長を歴任:訳注)が、この学生ストは役に立たない、中央政府は聞き入れない、と発言しました。こういった「教授」は孔子の言葉を忘れているのではないでしょうか。孔子は中国最初の教授と言える人物ですが、論語ではこう言っています。「知其不可而為之」(その不可なることを知りて、しかもこれをなす:困難を知りつつ挑戦する)。このような態度こそがまさに「教授」と称するに値すると言えるでしょう。
昨日の学生スト突入集会で、わたしは学生たちから多くを学ぶことができました。ある学生はこう述べました。いっときの闘争の効果に疑があるかもしれないが、権利を侵害されているのに抵抗もしないことのほうに、もっと疑いを持つべきでないか、と。学生たちはみんな「知其不可而為之」の道理を理解しているのに、かの元学長はといえば、自分が「教授」と呼ばれないことに不満を持っているのです。しかし彼に「教授」と呼ばれる資格は全くありません。
言いたいことの二つ目は、家父長主義に「ご退出」してもらいたいということです。これは次への第一歩です。若者たちが私たち上の世代にすばらしい講義を行ってくれたことは、もう明らかでしょう。私のかつての戦友、同志、友人たちはすでに、流れに身を任せて運命を受け入れてしまっています。ですが若者たちは「抗命不認命」(不服従で運命に抗う)と主張することで、私たちにすばらしい講義を授けてくれたと思っています。これまで教育、社会、文化には家父長主義が充満していました。家父長主義の特徴は、未経験の若者たちは経験豊富な上の世代の言うことを聞くものだ、ということです。まさに、かの元学長が学生のことをいつも「子どもたち」と呼んでいた理由です。しかしそのような呼び方は封建時代を彷彿とさせます。もう21世紀だというのに!
モダニティの特徴は新しい世代が古い世代を教育するということにあります。昔は古い世代から新しい世代に物事を伝承していくことが普通でした。なぜなら昔は何百年もかけて一つの発明が生まれたからで、そのような時代において青年たちは上の世代から学ぶ必要があったからです。家父長制の存在意義もそこにありました。しかしモダニティの現在、世界中で数時間に一つの発明が生まれており、若い世代が上の世代を教育する時代ともいえます。
中年以上の皆さんは、インターネットの利用方法について子どもたちに聞かないとわからない、というちょっと情けない経験があると思います。ですがこれは実はインターネットの技術だけに限ったことではありません。過去100年、私たちは皇帝、臣民、親方などの概念から自由でした。それは、どの時代の青年たちも新しいビジョンを持ち、新しい社会的発明は、技術だけにとどまらず、政治、文化、社会、芸術にも広がったからです。だからこそ新しい主義主張や価値観がもたらされたのであり、だからこそ五四運動が広がったのであり、だからこそ60年代から70年代にかけて世界中で青年の急進化が起こったのです。その時には古い世代に対して性の解放を訴えました。それ以降、社会的な開放はかなり進みました。フェミニズム運動、先住民族運動、民主化運動などが盛り上がりました。いうまでもなくその時も青年たちが反乱に立ち上がったのです。ですから言いたいことの二つ目は、今回も青年たちが我々の世代を指導するために立ち上がってほしい、ということです。
三つめは、自分のことは自分でやる、替え玉や代理人に任せないでほしい、ということです。中国大陸の官僚たちが報告を読み上げるときは、誤字脱字もそのまま読み上げます。自分で書いた報告ではないから分からないのです。私がいま話している内容は自分で書きましたよ。学生たちや学聯が提起したスローガン「自分たちの政府は自分たちで選ぶ」と同じですね。私はこのスローガンに大変注目しています。これは台湾のひまわり運動で使われていた「自分たちの国家は自分たちで救う」から発展したものです。
学生のみなさん、このスローガンは大変インパクトのあるものだということを知っていますか? 「自分たちの政府は自分たちで選ぶ」というスローガンは18世紀のジョン・ロックの思想と共鳴します。民主主義の基本思想は、政府の統治は市民による同意が必要だというものです。人民こそが主権者ということです。香港の主権は自分たちにあるということは、みなさんも言われることです。では中国国家の主権は誰にあるのでしょうか?
これについて、皆さんにはぜひ韓国映画の『弁護人』を見ることをお勧めします。映画の中で、国家主権を破壊したのではないかと被告の学生に迫る検察官に対して、弁護人はこう質問します。「国家主権は誰のものなのか?」と。憲法ではそれは人民のものだと書かれているからです。中国の憲法も同じです。主権は人民にあり、ある一つの党のものではないのです。
「自分たちの政府は自分たちで選ぶ」というスローガンは、ジョン・ロックの主張の現代版ですが、それを若い世代が主張したということが脅威なのです。これは1968年のフランスの学生運動を引き継いだものだともいえます。その時のスローガンは「自分たちの学校は自分たちで管理する」(大学自治)、「警察はキャンパスからでていけ」というものでした。反戦運動が盛り上がっていた時期で、警察もキャンパスに突入して学生に暴行を加えていたからです。学生たちは学生ストで対抗し、警官はキャンパスから出ていけ、大学自治などのスローガンを掲げます。この時の学生ストは1000万人の労働者が参加するストライキに発展します。地下鉄、飛行機が止まり、パリの交通はマヒします。労働者たちは「自分たちの工場は自分たちで管理する」という自主管理を提起、病院でも若手の医師たちが「自分たちの病院は自分たちで選ぶ」と反乱を起こします。反乱は社会の様々な領域に浸透していきます。サッカー選手でさえもサッカー協会に反旗を翻します。
私は皆さんから学ぶだけです。皆さんに教えることは何もないでしょう。なぜなら皆さんはすでに自分たちで学びつつあるからです。
四つ目に言いたいことは、学聯の事務局長である周永康の知的所有権を犯すことになるかもしれませんが、紹介しましょう。彼は昨日の発言で「民主主義と普通選挙が実現するだけではダメだ。皆年金制度、労働時間規制など、民生における民主主義も必要だ」と述べました。ですから四つ目に言いたいことは「飯の食える民主主義」ということです。
民生と民主の関係については、ここでまた先人の言葉を紹介したいと思います。ルソーは「社会契約論」で、当時のイギリスの代議制民主主義を批判しています。つまりイギリス人は自由だというが、その自由は選挙の時だけに限られており、選挙が終わると自由でなくなる、なぜなら議員たちは有権者を裏切るからです。
また、民主主義を実行しようとするのであれば、その前提は私たちが本当の意味で運命共同体でなければなりません。私たちが運命共同体であろうとするのであれば、その中に大富豪のような存在があってはならないでしょう。大富豪が大富豪たるゆえんは富を独占しているからで、そのような存在があっては運命共同体など話しにもならないからです。
例えば、あなたがとても貧しいのであれば、わずかの利益誘導でも投票行為に影響がでるでしょう。多くの人々が貧困である社会で民主主義を根付かせることは不可能です。特権的資本主義でない社会においてこそ、民主主義に意味があるのです。
五つ目は、普通選挙だけではなく、民主的憲章が必要だということです。過去30年の民主化運動の公式はとても単純なものでした。「民主=普通選挙」というものでした。ですが先ほどの四つ目で言ったことを思い出してください。社会の大部分が貧しければ、時間的にも精神的にも公共や政治に参加する時間もないでしょう。ですから普通選挙だけでなく、まともな生活=民生が必要なのです。
ある学生の討論のなかで、運動には規約のようなものが必要ではないかという意見がありました。それは世界の民主化運動のなかの言葉で言えば、charter(憲章)というものです。たとえば南アフリカでは1952年に反アパルトヘイト運動によって自由憲章が提起されました。それは綱領的な文書で、民主化の実現のほかに、国家の富の共有、土地は人民のもの、国家による小農の支援、働く権利、団体交渉の権利などが明記されていました。
私たちもこれに倣って普通選挙権だけでなく、民主民生の憲章が必要になるでしょう。
そして言いたいことの最後は「希望は人民にあり、変革は抵抗から始まる」ということです。民主主義は常に下から上への抵抗でした。先ほどのロックにしても、1640年に展開された下から上への巨大な闘争(清教徒革命:訳注)がなければ、今日のような民主主義があったかどうかはわからないのです。アメリカ合衆国憲法にある人民の権利に関する条項(権利章典)がどのようにして制定されたか知っていますか?当初、憲法制定の際にはこれらの条項が明記し忘れましたが、人民はそのことを忘れていませんでした。個人の権利に関する条項を追加する運動を展開した結果、修正条項として憲法に書き込まれたのです。
ですから学聯や学生の皆さんが掲げるこの「変革は抵抗から始まる」は、まさに至理名言(この上なく正しい道理を説く名言)といえるでしょう。
ありがとうございました!

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クリミア 先住民族系テレビ局が放送停止

2015-04-02 | 先住民族関連
産経ニュース 2015.4.1 19:25更新
 ウクライナ南部クリミア半島の先住民族、タタール系住民向けのテレビ局「ATR」が1日、ロシア当局の認可を得られず放送を停止した。インタファクス通信が伝えた。関連のラジオ局なども活動を止めたとみられる。タタール系はクリミア半島の約12-15%の人口を占めるが、ロシアによる同半島の併合に反対したことなどから、当局によるさまざまな圧力を受けているとされる。タタール系の民族組織メジリスは声明で「クリミアの先住民族に対する人権侵害だ」として、露当局を非難した。(モスクワ 黒川信雄)
http://www.sankei.com/world/news/150401/wor1504010035-n1.html

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白老町教委が須貝さんら4人を伝統文化継承者に認定

2015-04-02 | アイヌ民族関連
室蘭民報 【2015年4月1日(水)朝刊】
 白老町教育委員会は3月30日、虎杖浜越後盆踊りやアイヌ文化の普及・継承に長年関わってきた4人を町指定無形民俗文化財・伝統文化継承者に認定した。
 須貝千代雄さん(84)=虎杖浜=は虎杖浜越後盆踊り保存会の初期からの会員で、数少ない歌い手として活躍してきた。本間ユキ子さん(80)=同=は同じく虎杖浜越後盆踊り保存会の会員で踊り手として活動。虎杖小学校、虎杖中学校に出向いて指導するなど後進の育成に尽力している。
 岡田育子さん(65)=川沿=はアイヌ文様刺しゅうサークル「フッチコラチ」の主宰者。白老や苫小牧で講師を務めるなど文化伝承、発信に精力的に活動している。高橋志保子さん(65)=大町=は昨年11月に退職するまで白老・アイヌ民族博物館に32年間勤務、古式舞踊を披露してきた。道外、国外での公演も多数。
 町コミュニティセンターを会場にした認定式には高橋さんを除く3人が出席した。認定書を手渡した教育委員長代理の野瀬征宏教育委員が「先住民族であるアイヌ民族が伝承してきた踊りや技術、新天地として虎杖浜に移り住んだ方々が大切にしてきた越後盆踊りはいずれも北海道の象徴的な文化であり、歴史と文化の町・白老になくてはならない財産。認定された皆さまが培ってこられた知識や熱意はこれからも脈々と受け継がれていくと思います」とあいさつした。
 須貝さんは「私が教えますから、何とか跡取りを見つけてほしい。虎杖浜に来てもらい踊りを見て、歌を聞きながらどこまでも発展させていきたい」、本間さんは「これからも後継者の育成、伝統・文化の継承に会員全員が一枚岩となって前に進んでいきたい」、岡田さんは「この認定を機にこれからますます精進し、白老のアイヌ文化の発展に少しでも貢献できればと思っています」とあいさつした。
 町教育委員会は今回を含め22人を伝統文化継承者に認定、登録した。
(富士雄志)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2015/04/01/20150401m_08.html

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