ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【10月も毎週日曜日は休業します。】【10月19日(土)は店主は終日不在です。店は通常通り営業します。】

黄色

2017-12-17 12:47:47 | 日記・エッセイ・コラム
今日の金沢は久しぶりに積雪がありました。こんな日は誰もお客さんが来ないだろうと思って、これまた、久しぶりにブログを書こうと思っていたところ、来週のクリスマスプレゼント(小学3年生と小学6年生の兄弟用)として鉱物を買い求めて来たご夫婦のお客様がいらっしゃいました。クリスマスプレゼントとしての鉱物とは!良い時代になったのだと、複数の意味で、非常にうれしい気持ちになりました。

さて、これまた、久しぶりに色をテーマにしたいと思います。(「緑色」2017.9.29 「青色」2017.10.06)今日は「黄色」です。

黄色の鉱物と言うと、真っ先に想起するのは、やはり、イタリアのシチリア島産の硫黄の結晶なのですが、残念ながら、売却済みで、現在残っておりません。それで、今、店に残っている黄色の鉱物の写真を幾つか撮りました。



まず、最初はモロッコ産の蛍石です。黄色の蛍石は世界各地で産出しますが、El Hammmanのものは比較的安価で流通しており、お手頃だと思います。



次は産地不明の硫黄の結晶の塊です。実は、これと同じ硫黄の結晶を磨いたものを見た事があるのですが、それは透明感があり、複屈折がしっかりわかるものだったので、非常に魅力的に思いました。この塊を磨きたい気持ちがあるのですが、それは難しい事なのかもしれません。



次は北海道大湯沼産の自然硫黄です。中が中空になっている粒状の結晶が面白いと思います。

最後に、少し変わったところで、エチオピア産のオパールです。



このオパールは透過光で黄色に見えます。





普通に見ると、オパールらしい遊色が見えるのですが、ライトで照らし、透過光で見ると鮮やかな黄色に見えるところが面白いと思います。

ところで、黄色い鉱物と言うと、その昔、約20年前の話になるのですが、私が東京に住んでいた頃で、鉱物コレクションを始めた初期の頃、「カルサイト」(確か、岩本町のビルの2階にあったと思います。)という鉱物ショップに行った事があり、その店主が愛でていた見事な硫酸鉛鉱の結晶の事を思い出します。それは、目の覚めるような鮮やかな黄色の結晶でした。当時の私は硫酸鉛鉱の存在を知らず、それが硫黄の結晶だと思ったのですが、店主から、「これは硫酸鉛鉱だ。」と教えられた事を思い出します。

その「カルサイト」はもうありません。懐かしい思い出です。

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碧玉

2017-12-08 11:49:00 | 日記・エッセイ・コラム
この前の日曜日、埼玉県からいらっしゃったお客様がおられました。どうも考古学に興味関心があられるようで、小松の遺跡を見る為にいらっしゃったようです。そのお客さんはサイエンスヒルズこまつにも行ってこられたようで、ヒルズショップで菩提産のメノウも購入し、その流れで「石の華」にも立ち寄ったそうでした。

そのお客さんから求められたのは緑碧玉でした。それは管玉の石材です。「石の華」は主に鉱物コレクター向けの結晶した鉱物を取り扱っている店なので、石材的な潜晶質石英である碧玉の重要度は低いと言えます。残念ながら店内には緑碧玉は置いてありませんでした。ただ、菩提産の赤碧玉の原石サンプルがありましたので、それを見せると、それを購入して下さりました。

そのお客さんとの会話では、碧玉も今年の5月から小松市の保護条例の対象となっている事をお話しました。また、話の中で、群馬県の岩宿遺跡(旧石器時代の遺跡)の話になり、その発見者を小説にした「石の華」(数野和夫 著 甲陽書房 1985)の話も出しました。

そう「石の華」(「石の花」ではありません。)というタイトルの小説があったのです。それは考古学的な大発見をしたアマチュア考古学者のお話でした。私は考古学的な興味関心が薄いものの、店の名前にも無関係ではないという事で、その小説を読んでいました。ただ、そのタイトル「石の華」とは考古学的な「石の華」だったのです。

ミネラルショップ「石の華」の「石の華」とは結晶した鉱物の事です。考古学とは関係ありません。

今日の写真は碧玉ではなく「石の華」と思える紫水晶です。





これは先日の池袋ショーで仕入れて来た新入荷のブルガリア産のアメシストです。このフラワー状の結晶集合体、気に入っております。もちろん商品ですが、イッコダケです。

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牙王

2017-12-04 13:17:37 | 日記・エッセイ・コラム
まずは写真からです。



上の写真は今年の春の「雑貨×作家マーケット」で購入した羊毛の苑さん製作の柴犬のブローチです。柴犬好きの私ですから、これを選んだのは自然な事なのですが、これを見つけた時から何か?記憶の奥の方から懐かしい気持ちになっておりました。当然の事なのですが、私はレプリカントではないので、偽の記憶を植え付けられているはずはありません。(映画「ブレードランナー2049」参照)

先週、小松の実家に置いてあるクルマの冬タイヤ交換に行った時に、久しぶりに実家の2階に上がり、あるものを探しました。それはすぐに見つかりました。



上の写真はそのあるものです。これは小学6年生だった頃の私が学校の図画工作の時間の作ったハガキ入れです。

どうでしょうか?羊毛の苑さんの柴犬のブローチを見つけた時から、何か懐かしい思いがしていたのは、これだったのです。



その埃まみれのハガキ入れの埃を拭いて、柴犬のブローチを並べてツーショット写真を撮って見ました。何となく似ています。

実は、このハガキ入れは柴犬ではありません。オオカミとアイヌ犬との間に生まれた雑種なのです。

私が小学生だった頃、実家のすぐそばに貸本屋があり、私はそこで、よくマンガ本を借りていました。その頃は、ほとんどの少年マンガ雑誌を毎週読んでいました。

それらの中に「少年マガジン」もあり、その中でもお気に入りが「牙王」(戸川幸夫・石川球太)でした。その「牙王」のキバを描いたのがハガキ入れなのです。

この「牙王」、たった一度だけ一話、単発テレビアニメで放送されています。(「大雪山の勇者 牙王」1978年9月23日に放送)

私はその放送も見ながら、その音声だけをカセットテープに録音しました。当時はまだVTRがなかったのです。

久しぶりにその主題歌を聞きたくなり、そのカセットテープを探そうと思いましたが、さすがにそれはすぐに見つかりません。それで、もしかするとYouTubeにあるかなー?と思って検索してみると、何と!音声だけでしたが、しっかりアップしている人がいて、その歌を聴く事ができました。

その主題歌は過去に何度も聞いていた歌だったせいか、聞いていて、感動のあまり、こみ上げてくるものを感じてしまいました。

そして、今、また、自宅の書庫に眠っていた「牙王1.2.3」(秋田漫画文庫)を取り出してきたので、これから読み直そうと思っております。

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氷裂文茶碗

2017-12-01 13:56:21 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「氷裂文茶碗」です。



上の写真は先日、金沢の茫茫屋で行われていた「今泉 毅 陶展」で購入した氷裂文茶碗です。

私はこの茶碗を見た瞬間に見入ってしまいました。それはその氷裂文が花のように見えてしまったからです。思わず「石の華!」と心の中で叫びました。

それは店の名前「石の華」にも通じる事もあって、それを無性に欲しくなってしまいましたが、その日は諦めて、その日は同じ作家の別の貫入装飾のお皿を1枚だけ購入しました。

実は、どうして「今泉 毅 陶展」に行ったかと言うと、「炎芸術」(2017 秋)という雑誌の特集が「現代の天目」となっており、その特集に今泉 毅さんの作品も載っていたからです。それを直に見たいと思い、天気の良かった日に普段あまり乗っていない電動自転車で初めて茫茫屋に行きました。雑誌に載っていた窯変天目は同じようなものが複数あって、それほど魅力を感じなかったのですが、氷裂文茶碗の方はその氷裂文の出方に個性があり、その強烈な唯一無二の花のような割れ方に魅了されてしまいました。

これは私が鉱物を選ぶ時の審美眼と同じです。私は基本的に工業製品のように同じものが複数ある物にはあまり興味が無いのです。どうしても鉱物と同じように工芸品にも唯一無二を求めてしまうようです。

その氷裂文茶碗はそれなりに高価だったのですが、後日、どうしても忘れられなくなってしまい、購入を決めました。そして、つい先日、桐箱に入って届きました。

私の「石の華」コレクションがまた一つ増えました。鉱物は今では「石の華」の商品となってしまいますので、いずれ手元を離れて行ってしまいますが、これはしっかり手元に残ります。それは今の私にとっては細やかな楽しみなのです。

そう言えば、つい先日、「KOGEI Art Fair Kanazawa 2017」と言うイベントがあり、GALLERY龍屋ROOMで渡邉貴子さん(貫入装飾をやっている作家さん。)と7年ぶりに再会しました。このブログの「割れ目1」(2013.01.12)と「割れ目2」(2013.01.14)に書いている作家さんです。その彼女との久しぶりの会話の中で、薔薇の花のように貫入したものの中には今でも貫入が進んでいるものがある、というような話が出て、少し驚いてしまいました。それは自然界で長期の風化や浸食で変化している地質と同じような現象で、陶器の割れ模様も人間的な時間の中で変化しているというような話で、非常に興味深く思いました。

久しぶりに自宅の中のどこかに眠っている渡邉貴子さんの貫入装飾の作品を発掘したくなってしまいました。
コメント (2)
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