ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

クッキング

2015-06-18 14:51:37 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「クッキング」です。「クッキング」とは料理の事なので、石のブログとしては不自然なタイトルになるかもしれません。

私は料理するタイプではありません。それから文系の人間なので実験もどちらかというと苦手な方です。そんな私ですが、先日、「クッキング」のような実験をしてみました。

まず、その「クッキング」の結果の写真から出します。









上の写真は「クッキング」で造った「石の華」です。ガラスのグラスの上に花のような形状の結晶が花開きました。グラスの側面を見ると針状結晶が放射状になっているところもあって、正しく「石の華」が出来たと喜んでいます。







これは酢酸の中に苦灰石(ドロマイト)の岩石を入れただけで出来ましたので「クッキング」と呼べるような作業ではなかったかもしれません。酢酸の濃度は約30%。少し濃すぎたかもしれません。入れた途端に勢いよく発泡し始め、発泡は2、3日続き、岩石そのものは完全になくなってしまいました。その結果、このようなものができました。

酢酸の濃度をもう少し薄めて、その量も少な目にすると、母岩の上に花開いたようになったのかもしれませんが、私としては、これはこれで良しとしたいと思います。この「石の華」は世の中にひとつしかないものとして愛おしいものです。ただし、非常に脆いものなので取扱い要注意です。

この「クッキング」、ご興味のある方はいつでも簡単にできます。レシピはありませんが、材料提供は安価にできます。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

福楽

2015-06-15 13:23:02 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「福楽」です。「福楽」とは福井県で発行されているタウン誌の事です。

この「福楽」という雑誌は季刊誌なので最新号は夏号(2015 vol.63)となり、それは6月1日に発行されています。ちょっと鮮度が落ちてしまったかもしれませんが、これまで話題に出す機会を逃してしまっていた関係で、今頃になっての紹介です。

どうして石のブログで、「福楽」というタウン誌の話題かと言うと、実はこの夏号に「ふくいが生んだ二人の鉱物学者」というタイトルで(8ページの分量)、和田維四郎と市川新松の特集が組まれています。この二人は鉱物学的にアカデミズムとアマチュアリズムの象徴的な存在です。時代は異なっているもののその両者が福井県出身という事実は面白い現象だと思います。

今回の特集は福井県立こども歴史文化館に新設された常設コーナーの紹介に関連しており、石好きさんにとってはその展示コーナーもこの記事と共に興味深いものになると思います。

実は、この展示に関しては「石の華」も裏方的に関与しました。詳しくは書きませんが、それは見てのお楽しみに!

そうそう、今日の写真は常設コーナー開設時に撮らせてもらったスナップショットです。是非、現物をご覧ください。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石を拾う

2015-06-12 14:07:13 | 日記・エッセイ・コラム
今朝の北陸中日新聞の投書欄に気になる投書がありました。その投書は梅雨のテーマ特集で、「綺麗な小石を拾って宝物に」という見出しが付いており、ついつい読んでしまいました。その投書は小松の68歳の女性が書いた文章なのですが、以下一部引用すると「黄土色や水色、水晶のような石は、雨にぬれてとても美しく、大切な宝物として扱ったものだ。」

この投書を読んでいると、私も同じ小松で育ったせいか、小さい頃の石拾いの記憶が甦ってきます。確かに、私も未舗装の道端で水晶の欠片を拾った記憶があります。当時は尾小屋鉱山か遊泉寺鉱山か、どこかの鉱山の残土が道路に撒かれていたようです。私も紫水晶の欠片を拾いました。今思えば、そんな古き良き時代だったのだろうと思います。

「石を拾う」事は私にとっても小さい頃の思い出であり、そして、その行為は鉱物趣味への芽生えの第一歩だったのかもしれません。

「石を拾う」、宮田珠己さんのエッセイも思い出してしまいます。「石ころ拾いの楽しみ」はいくつかのタイプに分かれます。小さい頃の石拾い体験は水石や観賞石の趣味や鉱物(化石や隕石等も含む)採集の趣味、はたまた、何の変哲もないただの石ころ集め、等々へ繋がって行きます。石の楽しみ方も色々です。

そういえば、現在、東京・森美術館で開催中の「シンプルなかたち」という美術展では著名な建築家ル・コルビュジエが拾った岩や小石のコレクションが展示してあるようです。私はその美術展を見損なってしまいましたので、その図録を取り寄せました。その写真を見ているとル・コルビュジエの美意識がわかったような気がしてしまいました。

「石を拾う」行為は人間誰しも経験する人間的な根源行為なのかもしれません。

昨日、「石の華」の店の外で面白いものを見付けました。今日の写真はそれです。





これは子供か誰か?の悪戯なのでしょうか?どこかで拾ってきたと思われる小石がちょこっと置いてありました。何か?意味ありげです。ただ、気になるのはその値段です。丁寧に書かれたその値段には意味があるのでしょうか?

私的には、できれば、0円として欲しかった、と思いました。赤瀬川原平氏の0円札ではありませんが、そうする事によって現代芸術的な複層した意味が付加できて面白いのにと思いました。そのままですと檸檬爆弾的な意味しか連想できません。残念です。

そもそも、「石の華」は石を売ってはいますが、基本的に「石の華」では自採した石は売っておりません。「石の華」の石は仕入て来たものです。それと少数の委託品だけです。

それは拾ってきた石には値段を付け難いからです。また、自採品を売る事には何となく抵抗があるからです。そういう意味で、「石の華」は自採で乱獲して売りさばく業者ではありません。石好きさんとのコミュニケーションを楽しんでいる趣味のような店です。

それから、昨日、面白いお客さんがありました。そのお客さんは犀川で拾ってきたという石を持ってきました。そして、それらに価値があるものかどうか?と尋ねて来ました。残念ながら、私にはそのような趣味がないので、「正直、わからない。」と答えました。そのお客さんは「そうですか。それなら捨てて来ます。」とおっしゃいました。私は「捨てるなら、拾ってきた所に捨てて下さい。」とお願いしました。それから、「浅野川の上流の方なら瑪瑙が採れるようですよ。」という話をしました。そのお客さんは「調べて、行ってみます。」というような話になりました。

「石を拾う」事は趣味の範囲に留めるべきだと思います。つげ義治の「無能の人」ではありませんが、拾ってきた石は売れません。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一泊二日東京出張

2015-06-08 13:58:27 | 日記・エッセイ・コラム
昨日と一昨日、一泊二日東京出張して来ました。私は北陸新幹線に初めて乗りましたが、やはり2時間半という時間距離は東京が近くなったと実感できました。

金沢・百万石祭り中の店は妻に任せ、私一人での一泊二日東京出張です。その目的は飯田橋のミネマと新宿ショーでの仕入です。ただ、今回の石祭りにはもうひとつ大きな目的があり、それは新宿ショーでの講演会の聴講という事でした。今年は土曜日に角田謙朗氏の「日本式双晶の巨大産出地を行く」、日曜日に山田英春氏の「不思議で美しい石の模様の世界」という講演会が開催され、両方とも大変興味深く思いましたので、これまで日帰り出張にしていた石祭りは今年に限って一泊する事にしました。

今年のミネマも新宿ショーも大勢の人で混み合っていました。毎年、そうなのですが、東京に来ると、鉱物趣味は決してマイナーな趣味ではないと思います。そこには東京在住の人だけではなく全国から愛好者が集まって来ます。そこは各地の愛好家たちが集うリアルなコミュニケーションの場でもあるのです。私も石友が増えて、そのような石祭りを楽しみにしてきたひとりです。

今年は飯田橋には10時少し前に到着しましたが、既に多くの人の列が出来ていました。その後の会場前の30分間にも更に多くの人の列が出来ました。皆さん、少しでも早く良品をゲットしたいと思うのでしょう。人の思いは皆同じです。今回は混乱回避の為、少しずつエレベーターで会場となる7階まで上がって行きました。

会場に入るといつものHさんのコーナーに行きました。するとHさんから恋路の霰石の良品が出ている、との情報があり、すぐにその場所に行きました。そして、それをゲットできました。Hさん、ありがとうございます。今年はいきなり収穫ありとなりました。その後は軽い気持ちで、自分のコレクション用ではなく、仕入という観点から会場を見回りました。そこそこの収穫があったと思います。ただ、会場は混み合っていましたので、早めに会場を出て、Nさんと喫茶店で結晶ネタの話をしながらお茶しました。

午後は新宿ショーです。会場に入ってすぐに講演会の受講申し込みをしました。新宿ショーでは常連さんから頼まれていたものを探し、いきなりそれを仕入れる事ができ、その後は講演までの時間、会場を軽く見て参りました。

日本式双晶の講演は興味深いものでした。双晶にはミステリーが多く、今後の研究にも興味が湧きます。(私の隣に座ったKさんの合成水晶には日本式双晶が無い、という話にも興味が湧きました。)

講演の後は、明日も新宿ショーに来るので、早々と会場を出て、西新宿のホテルにチェックインしました。

土曜日はその後、銀座メゾンエルメスに行き、「線を聴く」という美術展を見ました。そこにはロジェ・カイヨワの瑪瑙コレクションの一部が展示してあり、それらを興味深く見ました。ロジェ・カイヨワの著書「石が書く」の影響力は絶大で、多くの瑪瑙コレクターに影響を与えたと思われます。そのすばらしい瑪瑙コレクションを見ていると、どこか見覚えのある男性がいました。彼は私の新入社員時代の同期です。私の方から声を掛けると、「30年ぶりだね!」という話になりました。彼は現在、某美術館のキュレーターをやっており、若くして会社を辞めたひとりです。名刺交換をすると、近々、金沢で講演の予定がある、というような話になりました。奇遇だと思いました。そこは美術館だったので立ち話は早めに終えて、私はすぐに新宿に戻りました。

翌朝、近くのホテルだったので、朝8時前に新宿ショーの会場に行ってみたのですが、既に開場を待つ多くの人の列ができており、少々驚きました。それも老若男女を問わず、といった感じでした。新宿ショーは28年目になり、私の鉱物趣味への目覚めのきっかけをつくってくれたミネラルショーです。

新宿ショーではコレクター的な観点から仕入をしました。そこそこの仕入ができたので、特別展「鉱物の不思議で美しい模様と結晶」を見ました。その会場入り口に「INSIDE THE STONE 石に秘められた造形の世界」の著者、山田英春さんがいらっしゃいましたので、ご挨拶をするとともに新刊本を購入してサインを書いてもらいました。

午後はその山田英春さんの講演会でした。山田英春さんの講演は非常に面白く十分に楽しめました。(瑪瑙の縞々模様と60年代サイケデリック文化との関連性の話は特に興味深く思いました。)高解像度のプロジェクターの写真も美しく、私は写真を撮りました。今日の写真はその一部です。





その講演会が終わってから帰路に着きましたが、実り多い一泊二日東京出張だったと思います。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水晶

2015-06-05 14:30:37 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「水晶」です。「水晶」というタイトルは過去にも使ったような気がしますが、今のこのブログ内検索ではタイトル検索ができないようなので、恐らくダブってしまうと思いながらも今日は「水晶」とします。

一昨日は定休日でしたが、天気は雨でした。ただ、せっかくの休暇だったので、近くのめいてつ・エムザでやっている「石川の伝統工芸展」を見に行きました。そして、その後、以前から気になっていた近くの「水晶」という名前の喫茶店に行きました。

その「水晶」の存在はずいぶん前から知っていましたが、近いという事からいつでも行けると思っていましたので、中々行けずじまいでした。一昨日、ようやくその店に入りました。

その店に入ってコーヒー付の日替わり定食を頼みました。それは「おふくろの味」といった感じのランチでした。(実は私の興味はそのランチの味ではなく、その店の名前の由来でした。)

その店に入って店内を見回しましたが、残念ながら水晶はありませんでした。で、コーヒーが出てくるタイミングで、店の人に「水晶」と言う名前の由来を聞いてみました。すると、その喫茶店が入っているビルの前はお米屋さんがあったらしく、どうもお米の「水晶米」から名付けたらしい、という話です。「水晶米」とはブレンドされた標準価格米の事で、その昔は普通に流通していたと思いますが、最近はあまり見かけないと思います。喫茶「水晶」の名前の由来は鉱物の「水晶」ではなかったのです。「水晶米」に関してはそれほど興味がないのでこれ以上深追いはしません。

「水晶」と言う名前は鉱物趣味の人にとっては気になる名前だとは思いますが、鉱物の「水晶」に関係ないとすると、それほど興味が湧きません。そのままですと、今日の話題はこれで終わりです。

「水晶」、その名前からイメージするのは透明感や結晶的な美しさだと思います。「水晶」からは好ましいイメージが連想できるので、米の名前やそこから派生して喫茶店などの店の名前になったのだろうと想像できます。

「水晶」、他には銭湯や温泉の名前になっていた事もありました。

私が名古屋に住んでいた頃ですが、住んでいた近所(かなりの距離がありましたが)に「水晶湯」という銭湯がありました。鉱物好きにとってはその名前はやはり気になります。私は銭湯に行く習慣がなかったのですが、ある年の10月10日(1010から銭湯の日)にその「水晶湯」に行ってみました。「水晶湯」は下町情緒があり味のある銭湯でしたが、やはりというか、残念ながらそこにも水晶はありませんでした。その「水晶湯」、Web検索してみると、現在はどうも休業してしまっているようです。恐らく、その理由は後継者問題からだと想像できます。実は、私の名古屋時代にひょんな事からその「水晶湯」の息子さんと知り合いになってしまったのですが、彼は弁護士になっており銭湯を引き継がなかったのです。それも時代の流れなのでしょうか。銭湯文化は急速になくなりつつあるようです。

下町的な銭湯文化はレトロな一種独特な雰囲気があって、私も好きな方です。時代の流れとは言え、それらが無くなってしまうのは寂しい気がします。

ただ、近年は新しいタイプの温泉があって、特に金沢近郊にもたくさんあるので、私も休みの日にはよく利用しております。特に私のお気に入りは高濃度炭酸泉です。それが天然温泉でなくても人工的なものでも構いません。

そうそう、まだ行った事がないのですが、岐阜県に「南濃温泉 水晶の湯」という所があって、気になっております。金沢からは遠いながらも、恐らく水晶が無いのだろうと思いながらも、いつかは一度は行ってみたい温泉です。

なんだか、温泉の話題に横滑りしてしまいました。

最後に今日の写真は先日の採集会で拾ってきたシトリンらしき水晶とします。そのサイズは1cmたらずの小さなものなのですが、新しいカメラの顕微鏡モードで撮ったものです。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする