ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

美しい数

2013-07-03 15:47:22 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「美しい数」です。

「美しい数」とは何でしょうか?数とは抽象的な概念なので、そこには美など存在しないのかも知れません。それでいて、数にも美しさを感じる事があります。その感じは美しく結晶した鉱物から感じられるものに近い感覚です。

素朴に美しいと感じる数はまず1でしょうか。それは最もシンプルで、存在を示す基本的な数です。それから0でしょうか。それは無を意味し、数学的な美の根源に存在する重要な数です。この二つの数はあらゆる美しい数の根源にあります。

1と0以外にも美しい数は幾つもあります。2や3や4もそうですが、その次の5には多くの美しい性質があります。次に続く6もそうです。それは最初の完全数でもあり、結晶世界にも繋がっている数だと言えます。7や8や9もそうです。列挙するのはやめましょう。キリがありません。1ケタ台の数は全て個性があり独自の美を持っていると言えます。

それから数字が並ぶ様にも、ある種の美しさがあります。例えば、同じ数字が並んだ時(2011年11月11日)や777のような場合で、それは他の数とは違った特別な意味があるように感じます。また、0123456789のように規則正しく数が並ぶ小町数にも美しさを感じます。

「美しい数」は自然数や整数だけではありません。1/7(0.142857142857・・・)のような有理数にも小数の中に出てくる142857が循環するダイヤル数があり、やはりある種の美しさを持っています。

さらに美しい数の極めつけは、やはりπ(3.14・・・)だと思います。π(パイ)は割り切れない無理数でありながら、すっきり割り切った性質があり、円以外にも様々なところで出現する魅惑的な数だと思います。実際、πの美しさに捕らわれた人はたくさんいるようです。

実数の世界では他に究極の美の象徴であるφ(1.618・・・)があります。φ(ファイ)は黄金比に登場する数で、パルテノン神殿やミロのビーナスの中にも見出され、さらにそれは自然界に潜んでいる美しさの秘密の数でもあります。φには面白い性質がいくつもありますが、φの逆数は1/φ=φ-1=0.618・・・となったり、φ×φ=φ+1=2.618・・・となったり、不思議な性質を持っています。

自然対数の底であるe(2.71828・・・)も美しい数字のひとつだと思います。実数の世界には美しい数が複数あります。

さらに虚数i(アイ)もある意味美しいと思います。それは実際の数とは言えませんが、抽象的な数学の世界では非常に重要な数です。実数と虚数を横軸と縦軸にとった複素数平面上に現れるeとiとπと1と0とが現れるオイラーの等式(オイラーの多面体定理ではありません)は最も美しい数学的な美とされています。オイラーは生まれた時代が良くて、かなりの美しい数を独占しております。

複素数を拡張すると四元数や八元数や十六元数の世界になり、高次元の数の世界が広がっていくようですが、直感的には分かり難くなり、その世界の数の美は感じ難くなってしまいます。

どうも我々は3次元の世界に住んでいるせいか、4次元以上の事を実感し辛いところがあります。フラクタル次元を含めて3次元より低い次元の事なら分かり易いのです。どうも我々は2次元的に思考するように出来ているようです。

2次元の絵画的な美しさや3次元的な鉱物結晶の美を愛でるのはその事と関係があるのかも知れません。

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