水晶と方解石が一緒になった共生標本はそれほど珍しくはありません。
ところが、インクルージョンとして方解石が水晶の中に入っているものは稀なような気がしております。
それは、恐らく、方解石と水晶の結晶化する温度が異なっている事と、方解石の方が分解し易く溶け易いからだろうと勝手に思っております。
ただ、なんでも例外が発生する事があります。
上の写真はそのような一例です。
水晶の中に方解石がインクルージョンしているように見えます。
それもそのはず、これは、カルサイト with クォーツの原石です。数個の方解石の結晶が水晶に突き刺さっており、その中の一つが水晶の中に入り込んでいます。
そういう意味で、これは、カルサイトinクォーツと呼んでも良いような気がしております。
その成因は先にカルサイトがあり、後から水晶が成長した、と考えるのが妥当だと思います。
これはブラジル産のカルサイト with クォーツですが、ブラジルのような水晶を多産する産地では、このような珍しいものもあり得るという事でしょうか?