ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

共生7

2019-02-15 13:26:31 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「共生7」です。

「共生」の話題はいくつもあるのですが、今日の話題は鉱物の共生の中でも、共生していた痕跡のあるものです。それはある鉱物に別の鉱物が共生していただろうと思われる跡が残っているもので、そのようなものも、ある意味面白い共生と言えます。

まず、最初はブラジル産の水晶です。



この水晶はガタガタなので、一見、それほど魅力的に見えませんが、穴だらけの中に菱形の抜けがあったり、一部には、その穴を作った緑簾石の欠片が付いていたりして、その共生を物語っており、面白いと思います。これは何となくヒマラヤのアイスクリスタルと呼ばれている水晶にも似ています。共生していた別の鉱物が溶解や風化などで無くなってしまって、その痕跡だけが残ってしまったもののように思えます。これは特に頭の錐面も残っていたりして、標本的には価値があるような気がしております。






次もブラジル産の水晶ですが、これは通称スターバーストとも呼ばれているものです。私的にはその花のような放射状の痕跡が気に入っております。その痕跡部分を拡大して良く見ると、そこには共生していた雲母が部分的にまだ付着しております。痕跡の正体を物語っている貴重な標本だと思います。





次もブラジル産のトルマリンと水晶の共生です。そのトルマリンの柱面部分に傷のような跡があります。これも何かの鉱物の痕跡だと思われます。



「石の華」の店内には同じくブラジル産の巨大な水晶とブラックトルマリンの共生標本があるのですが、そのトルマリンの柱面にも同じような傷跡が付いております。
この傷を付けた共生鉱物は何だったのでしょうか?恐らく、雲母か何かの長石だろうと思われますが、詳しい事はわかりません。

他にはロシアのダルネゴルスク産の成長干渉水晶(このブログの「成長干渉水晶」2015.11.12参照)も今日の「共生7」の話題にふさわしいものだと思います。それは、水晶の成長を干渉した薄い方解石の層が残っているものでした。そのような痕跡の鉱物が残っているものは、それを物語っており、標本価値が高いと思われます。その水晶は水晶の研究者のところに行きましたので、「石の華」的には良かったと思っております。

 
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