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鉱物の部屋へのいざない

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ゴジラムリオン

2014-01-13 10:38:57 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「ゴジラムリオン」です。

昨日、YAHOO!ニュースでYOMIURI ONLINEの見出し《マントル「のぞき窓」海底で発見、名はゴジラ》という記事を見ました。気になってすぐにその記事を読みました。

その記事では、地下のマントルが露出した世界最大のドーム状の岩塊(縦125キロ・メートル、幅55キロ・メートル、高さ約4キロ・メートル)が存在し、その巨大さから、まるで海底にいる怪獣のようだとして「ゴジラ・メガムリオン」と命名された、とありました。

「ゴジラ」と「メガ」はすぐその意味が分かると思います。「ムリオン」の事を少し説明すると、東京有楽町にある有楽町マリオンの外壁にはアコーディオンのような凸凹がありますが、その意匠をMullion(ムリオン・マリオン)と建築学では呼ぶそうで、その形状の名前からとったそうです。私は有楽町マリオンが出来た当時に、そこの映画館で映画「ゴジラ」を見ましたが、その映画の中でゴジラが出来たての有楽町マリオンの壁面(ムリオン)を破壊したシーンを思い出します。そのシーンの時に観客から拍手があった事が印象的でした。それは自分の見ている劇場が壊されるという自虐的な拍手だったと思います。

それから「ゴジラムリオン」の幅55キロ・メートルというと、野球の松井秀喜の背番号55を想起してしまいます。どうも「ゴジラ」と「ゴジラムリオン」には偶然性が重なっているように思えてしまいます。ゴジラの名前は正式な論文にも使用され、これまでに頭、首、尾などと呼ばれる14個の丘が確認されているようです。面白い事です。

その「ゴジラムリオン」の石がここにあります。

Photo
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これらは私の名古屋時代に受講していた朝日カルチャーセンターの講座で、静岡大学の道林克禎教授から頂いたものです。潜水艇しんかい6500で直に採集してきた標本の一部です。マンガンノジュールはそのものですが、切断された岩石は薄片標本を作った際の残りの断片だと思います。

思うに、かんらん岩研究の守備範囲は非常に広大です。そのフィールドは、ある時は山の山頂ですし、ある時は深海底です。マントルから直接採集する事は未だ不可能なのですが、かんらん岩は地球で最も存在量の多い岩石です。否、宇宙でも最も存在量の多い岩石です。そういう意味で守備範囲は地球そのものから宇宙へも広がります。

かんらん岩は非常に興味深い岩石だと言えそうです。

コメント (1)
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