現在の外の気温は氷点下1℃、今回の寒気も今日がピークのようです。ただ、今年の冬は金沢駅前近辺の雪は大したことはありません。
今日の話題も氷です。
数年前に彫刻家の石原秀雄さんから面白い話を聞きました。石原秀雄さんは多面体の石の彫刻家です。それは名古屋のギャラリーアパという画廊で、石原さんの個展の時に聞いた話です。
それは石原さんのご自宅の庭に置いてあったバケツに氷柱が出来ていた、という話です。それもいくつかバケツがある中でその一つのバケツだけに氷柱が出来ており、そのバケツの上には水滴が落ちてくるようなものはなかった、という事です。
その時その場ではその写真はなかったので、不思議な事があるのですねー、という話で終わってしまったのですが、私の記憶に残ってしまいました。
氷ったバケツの表面から氷柱が生えてくる事があるのか?
Web検索で調べてみると、そのような現象は確かに起きているようです。何件か写真付きのブログが見つかりました。
私はそのような実物の氷は見た事はないのですが、鉱物結晶で、例えば方解石の細長く伸びた母岩付きの標本なら見た事がありますし、そのような標本はお店にもいくつかあります。
?ブラジル Rio Grande do sul 産の方解石
氷の場合は、保存する事ができないので、その場にいない限り、実物を見る事が難しいのです。
では、どのようにしてそのような氷柱が出来るのでしょうか?
ここに2007年3月14日の中日新聞の朝刊社会面のスクラップがあります。通風筒というコラムです。「水面が徐々に凍ると密閉状態になる。一方で膨張した水は、まだ凍っていない部分に押し上げられ、外気に触れて短時間に氷柱に成長した」と富山大理学部の対馬勝年教授(氷雪工学)。とあります。
どうも水は凍る直前に膨張する性質があるようです。
鉱物結晶の場合は別のメカニズムがあるような気もしますが、結晶成長には不思議な現象が潜んでいます。
氷柱が発生するからくりは分かりましたが、どうして石原さん宅のそのバケツにだけ氷柱が出来、その他のバケツには出来なかったのか?どのような環境の違いがあるのか?謎は深まるばかりです。
このような氷柱に詳しい方がいらっしゃたら教えて下さい。