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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「エーゴの話」

2009-07-06 20:45:17 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 そういえば、英語について書いたことがないように思います。
 暮らすのに不自由はない?と、日本に住む友人たちから聞かれることがありますが、もちろん最初は不自由だらけでした。

本文とまったく関係ないのですが。レモンソールを食べました。マークがグリルしてくれて。塩コショウにオリーブオイル、レモンをちょいとしぼっただけのシンプル調理。金曜日にだけ、ニューブリッジに魚屋さんのヴァンがやってくるの。新鮮な魚が食べられるのはしあわせです。
 そもそも学生時代、英語は大の苦手で、ほとんど大っきらい。
 今もときどき「なんで、そんなわたしが英語圏で暮らしている?」と不思議に思うことがあります。

 アルファベットを使う場所には近づきたくない、くらいで、30歳半ばまで海外旅行すら拒絶していたのですから。

 アイルランド人にはよく「ここに来る前に、英語の勉強をしてきたの?」と聞かれます。

 中学から大学まで10年ちかく、学校で学んできたなんて、恥ずかしくていえません。

 まじめに学ばなかった、わたしもいけないのですが、まじめに学んでいたにも関わらず、現地で喋れないという話もよく聞くので、それは根本的に学習方法に問題があるとしか思えませんよね。

 もう何十年も検討されているのに解消できないなんて、どうかしてます。
 小学校からの英語学習が導入されるようですが、あーあ、そんなことしたって上達しないよ。

  「小学校から10年以上も、勉強したのに喋れない」と、コンプレックスを大きくするだけです。

 語学はツール。肝心なのは「会話すべき内容」です。いくらツールが完璧でも、話す題材がしっかりしていなければ、目的である相手との交流は、はかれません。

 アイルランド人は、やさしいので「日本語と英語は、まったく違うから、学ぶのはたいへんだろう」と同情してくれます。

 しかし、高校もしくは大学に入ってから、あるいは仕事で来日してから、日本語を学び始めたアイルランド人が、かなりちゃんと話せるようになっていて、びっくりすることが少なくありません。

 この違いは、なに??
 日本の勉強の仕方は、まず暗記。どうもアイルランド人は、学ぶための「法則」や「構造」を知りたがる気がします。
 
 今はどうなのか知りませんが、わたしたちの時代は、まず基本文型ばかりを仕込まれました。

 でも、会話ですごく必要になるのは「時制」です。
 英語の達者な友人から「現在形で話すことって限られてるんだよね」っていわれたとき、そうだったかーっと、のけぞりました。今は、そうだよねっていえますけど。

 大人になって、英会話スクールにちょこっと通い出したときに、やはり苦労したのが「時制」。

 HAVEプラス過去分詞。HADプラス過去分詞。え、この場合はどっち??まてよ単なる過去形でオッケー?

 先生にすぐ聞かれます「それは、いつの話?」
 ようやく「雨があがった」を過去形でなく、すっといえるようになったのは、案外最近のことで。

 まぁ、まだそんなもんです。わたしの語学力。
 あ、そのくらいの人がレポートしてんの?ってがっかりされるといけないので、思い切り”壊れた”英語ではありますけど、現地の人たちとコミュニケーションはとれてるって、付け加えておかなくちゃ。

 語彙の不足は、他の単語への置き換えでしのぎます。
 あともうひとつ大事なのが、テンポ。特にアイルランド人は、会話のテンポおよびリズムがくずれることが苦手です。単語が出てこなくて、こちらが、うーんと考えこんだ”間”に困るらしい。相手の目が、ふっと宙をさまよいます。どうしたもんかと思うのでしょうね。

 こういう事態は、なるべく避けてあげたい。
 で、なんでもいいから、つなぎます。便利なのが「something like・・・」なんか、そんな感じ・・といえば、誰かが「これ?」って助けてくれる。

 たいていは、マークに「ほら、あれ何だっけ?」と、自分のかわりに思い出させるのですが。

 語学はスポーツと一緒で、使わないとすぐ錆びます。
 それと大事なのは、英語以前に、自分の得意分野を持つこと。この話ならまかせて、という分野がひとつでもあれば、英会話は劇的に上達します。

 たとえば音楽。ミュージシャンの名前をあげていくだけでも、会話はつながります。

 「おー、そのアルバムなら聴いた。いいよねー」みたいな会話から「あの曲の、サビのとこは泣かせる」じゃあ、あれは聴いた?とか続いて、お互いのキャラクターはつかめるでしょう?

 自分のことですが、わたしは写真に助けられました。
 見せればすむ、ということもあったけど、カメラについてなら理解できたし。

 「へー、フォーカスっていうのね、ピントじゃなくて」戸惑うことも、たくさんありましたが。

 そうそう、はずかしかったのは、ロバート・メープルソープと口にしたとき。ちょっと笑われた。

 石鹸のソープじゃなくて、MAPPLETHOPE。カタカナで学ぶことのダメさも痛感しました。

  ”TH”は”ソ”になっちゃうでしょ、あれが困りもの。
 アースって読むと、ぷっと吹いてしまいます。

 だって、地球のほうではなくて、”おしりの穴”のほうを想像しちゃうんだもん。


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