そういえば、英語について書いたことがないように思います。
暮らすのに不自由はない?と、日本に住む友人たちから聞かれることがありますが、もちろん最初は不自由だらけでした。
そもそも学生時代、英語は大の苦手で、ほとんど大っきらい。
今もときどき「なんで、そんなわたしが英語圏で暮らしている?」と不思議に思うことがあります。
アルファベットを使う場所には近づきたくない、くらいで、30歳半ばまで海外旅行すら拒絶していたのですから。
アイルランド人にはよく「ここに来る前に、英語の勉強をしてきたの?」と聞かれます。
中学から大学まで10年ちかく、学校で学んできたなんて、恥ずかしくていえません。
まじめに学ばなかった、わたしもいけないのですが、まじめに学んでいたにも関わらず、現地で喋れないという話もよく聞くので、それは根本的に学習方法に問題があるとしか思えませんよね。
もう何十年も検討されているのに解消できないなんて、どうかしてます。
小学校からの英語学習が導入されるようですが、あーあ、そんなことしたって上達しないよ。
「小学校から10年以上も、勉強したのに喋れない」と、コンプレックスを大きくするだけです。
語学はツール。肝心なのは「会話すべき内容」です。いくらツールが完璧でも、話す題材がしっかりしていなければ、目的である相手との交流は、はかれません。
アイルランド人は、やさしいので「日本語と英語は、まったく違うから、学ぶのはたいへんだろう」と同情してくれます。
しかし、高校もしくは大学に入ってから、あるいは仕事で来日してから、日本語を学び始めたアイルランド人が、かなりちゃんと話せるようになっていて、びっくりすることが少なくありません。
この違いは、なに??
日本の勉強の仕方は、まず暗記。どうもアイルランド人は、学ぶための「法則」や「構造」を知りたがる気がします。
今はどうなのか知りませんが、わたしたちの時代は、まず基本文型ばかりを仕込まれました。
でも、会話ですごく必要になるのは「時制」です。
英語の達者な友人から「現在形で話すことって限られてるんだよね」っていわれたとき、そうだったかーっと、のけぞりました。今は、そうだよねっていえますけど。
大人になって、英会話スクールにちょこっと通い出したときに、やはり苦労したのが「時制」。
HAVEプラス過去分詞。HADプラス過去分詞。え、この場合はどっち??まてよ単なる過去形でオッケー?
先生にすぐ聞かれます「それは、いつの話?」
ようやく「雨があがった」を過去形でなく、すっといえるようになったのは、案外最近のことで。
まぁ、まだそんなもんです。わたしの語学力。
あ、そのくらいの人がレポートしてんの?ってがっかりされるといけないので、思い切り”壊れた”英語ではありますけど、現地の人たちとコミュニケーションはとれてるって、付け加えておかなくちゃ。
語彙の不足は、他の単語への置き換えでしのぎます。
あともうひとつ大事なのが、テンポ。特にアイルランド人は、会話のテンポおよびリズムがくずれることが苦手です。単語が出てこなくて、こちらが、うーんと考えこんだ”間”に困るらしい。相手の目が、ふっと宙をさまよいます。どうしたもんかと思うのでしょうね。
こういう事態は、なるべく避けてあげたい。
で、なんでもいいから、つなぎます。便利なのが「something like・・・」なんか、そんな感じ・・といえば、誰かが「これ?」って助けてくれる。
たいていは、マークに「ほら、あれ何だっけ?」と、自分のかわりに思い出させるのですが。
語学はスポーツと一緒で、使わないとすぐ錆びます。
それと大事なのは、英語以前に、自分の得意分野を持つこと。この話ならまかせて、という分野がひとつでもあれば、英会話は劇的に上達します。
たとえば音楽。ミュージシャンの名前をあげていくだけでも、会話はつながります。
「おー、そのアルバムなら聴いた。いいよねー」みたいな会話から「あの曲の、サビのとこは泣かせる」じゃあ、あれは聴いた?とか続いて、お互いのキャラクターはつかめるでしょう?
自分のことですが、わたしは写真に助けられました。
見せればすむ、ということもあったけど、カメラについてなら理解できたし。
「へー、フォーカスっていうのね、ピントじゃなくて」戸惑うことも、たくさんありましたが。
そうそう、はずかしかったのは、ロバート・メープルソープと口にしたとき。ちょっと笑われた。
石鹸のソープじゃなくて、MAPPLETHOPE。カタカナで学ぶことのダメさも痛感しました。
”TH”は”ソ”になっちゃうでしょ、あれが困りもの。
アースって読むと、ぷっと吹いてしまいます。
だって、地球のほうではなくて、”おしりの穴”のほうを想像しちゃうんだもん。
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暮らすのに不自由はない?と、日本に住む友人たちから聞かれることがありますが、もちろん最初は不自由だらけでした。
本文とまったく関係ないのですが。レモンソールを食べました。マークがグリルしてくれて。塩コショウにオリーブオイル、レモンをちょいとしぼっただけのシンプル調理。金曜日にだけ、ニューブリッジに魚屋さんのヴァンがやってくるの。新鮮な魚が食べられるのはしあわせです。 |
今もときどき「なんで、そんなわたしが英語圏で暮らしている?」と不思議に思うことがあります。
アルファベットを使う場所には近づきたくない、くらいで、30歳半ばまで海外旅行すら拒絶していたのですから。
アイルランド人にはよく「ここに来る前に、英語の勉強をしてきたの?」と聞かれます。
中学から大学まで10年ちかく、学校で学んできたなんて、恥ずかしくていえません。
まじめに学ばなかった、わたしもいけないのですが、まじめに学んでいたにも関わらず、現地で喋れないという話もよく聞くので、それは根本的に学習方法に問題があるとしか思えませんよね。
もう何十年も検討されているのに解消できないなんて、どうかしてます。
小学校からの英語学習が導入されるようですが、あーあ、そんなことしたって上達しないよ。
「小学校から10年以上も、勉強したのに喋れない」と、コンプレックスを大きくするだけです。
語学はツール。肝心なのは「会話すべき内容」です。いくらツールが完璧でも、話す題材がしっかりしていなければ、目的である相手との交流は、はかれません。
アイルランド人は、やさしいので「日本語と英語は、まったく違うから、学ぶのはたいへんだろう」と同情してくれます。
しかし、高校もしくは大学に入ってから、あるいは仕事で来日してから、日本語を学び始めたアイルランド人が、かなりちゃんと話せるようになっていて、びっくりすることが少なくありません。
この違いは、なに??
日本の勉強の仕方は、まず暗記。どうもアイルランド人は、学ぶための「法則」や「構造」を知りたがる気がします。
今はどうなのか知りませんが、わたしたちの時代は、まず基本文型ばかりを仕込まれました。
でも、会話ですごく必要になるのは「時制」です。
英語の達者な友人から「現在形で話すことって限られてるんだよね」っていわれたとき、そうだったかーっと、のけぞりました。今は、そうだよねっていえますけど。
大人になって、英会話スクールにちょこっと通い出したときに、やはり苦労したのが「時制」。
HAVEプラス過去分詞。HADプラス過去分詞。え、この場合はどっち??まてよ単なる過去形でオッケー?
先生にすぐ聞かれます「それは、いつの話?」
ようやく「雨があがった」を過去形でなく、すっといえるようになったのは、案外最近のことで。
まぁ、まだそんなもんです。わたしの語学力。
あ、そのくらいの人がレポートしてんの?ってがっかりされるといけないので、思い切り”壊れた”英語ではありますけど、現地の人たちとコミュニケーションはとれてるって、付け加えておかなくちゃ。
語彙の不足は、他の単語への置き換えでしのぎます。
あともうひとつ大事なのが、テンポ。特にアイルランド人は、会話のテンポおよびリズムがくずれることが苦手です。単語が出てこなくて、こちらが、うーんと考えこんだ”間”に困るらしい。相手の目が、ふっと宙をさまよいます。どうしたもんかと思うのでしょうね。
こういう事態は、なるべく避けてあげたい。
で、なんでもいいから、つなぎます。便利なのが「something like・・・」なんか、そんな感じ・・といえば、誰かが「これ?」って助けてくれる。
たいていは、マークに「ほら、あれ何だっけ?」と、自分のかわりに思い出させるのですが。
語学はスポーツと一緒で、使わないとすぐ錆びます。
それと大事なのは、英語以前に、自分の得意分野を持つこと。この話ならまかせて、という分野がひとつでもあれば、英会話は劇的に上達します。
たとえば音楽。ミュージシャンの名前をあげていくだけでも、会話はつながります。
「おー、そのアルバムなら聴いた。いいよねー」みたいな会話から「あの曲の、サビのとこは泣かせる」じゃあ、あれは聴いた?とか続いて、お互いのキャラクターはつかめるでしょう?
自分のことですが、わたしは写真に助けられました。
見せればすむ、ということもあったけど、カメラについてなら理解できたし。
「へー、フォーカスっていうのね、ピントじゃなくて」戸惑うことも、たくさんありましたが。
そうそう、はずかしかったのは、ロバート・メープルソープと口にしたとき。ちょっと笑われた。
石鹸のソープじゃなくて、MAPPLETHOPE。カタカナで学ぶことのダメさも痛感しました。
”TH”は”ソ”になっちゃうでしょ、あれが困りもの。
アースって読むと、ぷっと吹いてしまいます。
だって、地球のほうではなくて、”おしりの穴”のほうを想像しちゃうんだもん。
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