西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

高槻市樫田(かしだ)の森林見学(9)その他気付いたこと

2005-10-12 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
私は、初めての所に行く時には緊張すると共にワクワクする。こちらは全く白紙なので全てが乾いたスポンジに吸い取られる水のように入ってくる。森林に直接関係がなさそうな現象にも触れておく。(1)都市との関係で出来ているもの、出てきているもの:砂利採取施設、茨木市にもあるようだ。大雨の時、砂利が流れ出し芥川で問題になったこともあると言う。/墓地・霊園、住民の反対もあったが「土地生産性(?)」が高いので出てきている。/有料老人ホーム(写真)、環境に何となく合わないマンション型、これは便益優先の都市型ではなく、自然環境優先の農村型である。(2)あったら良いな、と思った施設・・遊歩道路、車道ばかりなので安心してハイキングできる歩道が欲しい。

高槻市樫田(かしだ)の森林見学(8)椎茸栽培施設

2005-10-12 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
Oさんに案内され、椎茸栽培施設にも行った。学生は、殆ど初めてこういう所に来た、と言っていた。椎茸菌を埋め込む「原木」は、クヌギやナラという。その重さと同じくらいの椎茸が取れれば採算があうとのことだ。ここは、室内であり、温度管理することにより年中、椎茸が採れるらしい。「原木」を使い切った後、それらの「原木」は良質の肥料に加工されるという。別の話で、エノキ茸はビーカーかシャーレンで作られるようだ。松茸もこうして作られれば良いのに、それは今のところ無理のようだ。

高槻市樫田(かしだ)の森林見学(7)子どものための施設

2005-10-12 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
先のブログでドイツの黒い森における小学生に対する環境教育についてふれた。高槻の森林ではどうなのだろう、と思って観察した。確かに子どものための施設はあった。「山びこの森」である。森に向かっての遊歩道、あちこちに置かれたベンチ、バーべキューの施設等である。しかし、黒い森のような環境教育ソフトは果たしてあるのだろうか、とふと思った。

高槻市樫田(かしだ)の森林見学(6)高槻森林観光センター

2005-10-12 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
私は、農林漁業は、国民にとって一次産業というより「一義産業」と言うべきだと思っている。国民の生命と環境を根本で守る役割があるからだ。しかし、同時に国民的レクレーションを支える役割もある。高槻の樫田地区にもそのため「高槻森林観光センター」がある。そこでは、冷泉がある、水の温度が25℃未満なので温泉に認定されず、そういう場合、冷泉と言われる。そこで、それを温めるために、先にみた「ペレット」が使われているのだ。「ペレット・ボイラー」は、重油ボイラーより重装備になっていたが、管理は、かえって簡単なようだ。ペレットを燃やすと1/100位の重さの「灰」がでるが、それは良質の肥料になるようだ。

高槻市樫田(かしだ)の森林見学(5)並木、公園樹木を堆肥に

2005-10-12 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
間伐材等で「ペレット」を作る一方で、高槻市では市内の街路樹や公園樹木の毎年の定期的剪定で切られた小枝類を集めて細かく砕いて堆肥にしている。こうすると、仮に単に燃やせば年間900万円かかるのに、500万円で良いことになり、400万円の節約であるとともに、堆肥は市民の野菜作りや花作りのため無料で提供して喜ばれている。当日は、高槻市内の障害者施設の人達が堆肥の袋詰めをしていた。(写真)T先生がOさんに「樹木堆肥」1袋貰っていた。私は説明されたWさんに「家庭の庭の樹木剪定の枝や入れ替えのための不要になった樹木や枯れた樹木も引き取ってくれるのか」聞いた。答えとしては「今のところ引取り費用を負担してもらえば別だが、こちらで費用負担すると採算割れなのでやっていない」とのことだ。家庭のペットは保健所で引き取ってくれる。植物の樹木も行く末がきちんと分かっていれば育てていても安心だろう、と思っている。将来の課題である。

高槻市樫田(かしだ)の森林見学(4)ペレット工場

2005-10-12 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
ペレット(pellet)は元々「小弾丸」であるが、木質燃料に使われる時、次のようなことになる。ペレット・クラブのホーム・頁よりの引用。「木質ペレット燃料は、おが屑や鉋屑などの製材廃材や林地残材、古紙といった木質系の副産物、廃棄物を粉砕、圧縮し、成型した固形燃料のことです。長さは1~2cm、直径は6、8、10、12mmが一般的で、最大25mmまで製造することができます。家庭での利用に対しては、6mmのものが最良の燃焼状態を実現できるとしてスウェーデンで推奨されています。木材の成分であるリグニンを熱で融解し固着させることで成形しますので、バインダー(接合剤)の添加は一切必要ありません。」形が「小弾丸」に似ているのだ。高槻市の樫田地区にもあり、これは自治体では全国初の例と言う。スウェーデン等ではこれで発電しているが、日本では未だそこまでいかず、ボイラー、ストーブ燃料になっている。間伐材その他が、ここに持ち込まれている。
私は、間伐材等を砕き、乾かし、粉々にして、ペレットに成型する工程を見て、すごく大きなエネルギーを使っていると思った。そこで聞いた。「ペレットをつくるエネルギーよりペレットにより取り出されるエネルギーが大きくないと意味がないが、その点はどうなのか」と。答えは、まだきちんと実証されていないとのことだった。市議会でも質問されたようだ。早く「答え」を出して欲しい。スウェーデンで発電に使っているところをみると恐らくペレットはエネルギー「黒字」なのであろうが・・。

高槻市樫田(かしだ)の森林見学(3)杉と檜

2005-10-12 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
Oさんの話では、杉にも吉野杉のような南方系と秋田杉のような北方系があり、高槻のは北方系という。樫田は高槻市街より5℃ほど平均気温が低いようだ。元々、大阪市、京都市などの大都市向けに薪炭を生産していたので雑木林で良かったが、戦後、住宅用の杉や檜を奨励して人工林が5割強に増えた、と言う。昭和30年〔1955年〕頃からなので、その頃に植林した杉、檜は50年物になって、柱材等に使えるのだが、価格の低迷で「切れば赤字」とのことだ。
Oさんは、幹では余り明確に両者(杉檜)の区別がつき難いので、葉っぱを見せて両者の違いを説明して、皆納得のようだった。それに杉は若い頃は葉っぱの全体の先が尖っているが、段々丸みがついてくることでも分るとのことだった。今日は、私自身も「林学概論」の一部を聞いているようだった。

高槻市樫田(かしだ)の森林見学(2)竹と松

2005-10-12 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
樫田への道すがら見ていると、竹が立ち枯れになり、松も赤茶けて枯れているのが目に付く。聞くと、竹は、山奥のえさが少なくなった猪が里に近づいて竹の子を食い荒らす結果、次々と竹が出てこなくて立っているのも枯れてしまうとのことだ。ついでに竹の種類の講義も聞いた。我々の最も良く知っている竹の子が良く取れるのは「孟宗竹」で、材は太く肉厚で節が一筋、江戸時代の吉宗の頃に中国から入ってきた。二つ目は真竹(まだけ)、尺八などはこれを使うらしい、お握りを包んだ竹の皮もこれらしい。孟宗竹だと「ちくちく」毛羽立って駄目なようだ。三つ目は淡竹(はちく)である。「破竹の勢い」の破竹ではないようだ。茶せんはこれで作るらしい。孟宗以外のこれら二つは節が二重にあるようだ。高槻には「孟宗」が多いようだ。竹林面積は、大阪府一だ。
松も「虫」がついて困った、という。何とかしなければ・・と思うが。ここでは「今しばらくは待つがよかろう」と吉宗みたいなことは言っておれないのではないか。(最後の吉宗の話は、私のブログをづっと見ている人だけが分る「洒落」だ)

高槻市樫田(かしだ)の森林見学(1)高槻の森林と樫田

2005-10-12 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
今日は「生活環境フィールドワーク」で高槻市・樫田(かしだ)方面に森林及び関連施設の見学に行った。講師は先週と同じ〔10月5日ブログ参照〕高槻市のOさんと新たにWさんだ。私と一緒に担当のT先生も一緒だ。高槻市〔役所〕の好意でマイクロバスを出して頂いた。学生は16人参加した。
私は、勿論、高槻市の北端の樫田に行くのは初めてだ。すぐ北が京都府の亀岡であるが、Oさんに聞くと、実は昭和33年〔1958年〕に、京都府・亀岡の樫田であったのが、何と大阪府の高槻と合併したのだ。当時の樫田村の村長が関西経済圏の中心・大阪に属したほうが良いと判断したらしく、府県を越えた合併は日本初だったようだ。樫田は5つの集落で出来ている。平安女学院大学からバスで20分位、北に行くと、樫田だが、その道すがら0さんが高槻の森林を説明した。高槻市は人口36万人弱の中核市だが、市の総面積の44%が森林という「森林的自治体」でもある。大阪府では能勢町、河内長野市に次ぎ森林面積が大きい。圧倒的に民有林が多いが、その51.2%が杉、檜の人工林である。杉は水に近く水はけも良い所が良いので、川に近い山すそ、その上に檜、更に山頂近くは自然林とのことだ。高槻は南北に20kmと長く一番低いところが淀川で海抜3m、高い山がポンポン山で600余mとのことだ。河川敷、町、稲作農村、山村と展開している。今日は、その縦断面を見るため樫田を目指した。