西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

生活環境デザイン実習ー高槻の森林と間伐材利用

2005-10-05 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
後期学期(平女では秋学期と称す)が始まっている。私は1回生の「生活環境学フィールドワーク」を複数の教員で担当し、その前半は、学生達に「間伐材」で大学キャンパスに置いたら良いと思うものをグループで作ってもらうことである。高槻市役所の林業担当のOさんと高槻の林業組合の協力を得ている。今日は、Oさんの講義と学生達に「間伐材利用デザイン」案を出してもらうことだった。
最初に、学科主任のM教授が趣旨を説明し、Oさんを紹介した。Oさんの講義の前に私は一寸、取り組む意義に関し、私と森林の関係を述べた。最初に調査研究を発表したのは、奈良県の十津川村の林道開発の問題だったこと、最近ノルウエーやイギリスに行って、又福知山に行って、森林の意義、意味を改めて考えたことを述べた。Oさんは農学部の林学のご出身、長年、高槻の森、林にかかわってこられた。1965年頃に、以前は大阪のため薪炭を雑木林をベースに生産していたのを杉、檜の人工林に変えるのを指導し、丁度40年、柱等にするのに良い時期に入っているのに価格が安くて(1㎥4千円ほど)切るに切れない状態だと言う。私はO さんの格調高い話を、(1)経済材供給の意義、(2)炭酸ガス吸収=地球環境保全の意義、(3)保水力の涵養=洪水の防止、(4)目に優しい、いやし と黒板に書いてみた。他に他の草や動物達の生物多様性の中心という意味や環境教育の重要な空間という意味もあると後で思った。学生達の体を動かして得る認識は、この場合、正に環境教育に当たると思う。後で彼女等のデザイン案を見たら、ベンチやゴミ箱といった、まあ考えるだろうな、と思うものが主だったが実地に現地を見学し、体を動かして作っていく来週からが楽しみだ。

ロンドン報告(48)レイモンド・アンウィンとパトリック・ゲデス

2005-10-05 | 地域居住学
ブログでるる説明したハムステッド田園郊外を計画したレイモンド・アンウィンは、19世紀から20世紀にかけて活躍した人だが、重なっている人は一杯いて(例えば、E.ハワード、O.ヒル、H.バーネット、E.Lutyens等々)で彼等が互いに影響を及ぼしあっていた、ということを前提に、ではどのように影響しあったか、というのが研究テーマとなろう。その中で、パトリック・ゲデスが、レイモンド・アンウィンをどうみていたか、であるが、私達が昔(1982年)翻訳出版した『進化する都市』(Cities in Evolution)〔鹿島出版〕によると、序章の謝辞の第一に、レイモンド・アンウィンがあがっている。この本の出版は1915年で書き上げたのは第一次世界大戦以前とのことなので1913年頃、レイモンド・アンウィンがハムステッド田園郊外に取り掛かったのが1906年頃なので、その様子は、ゲデスは知っていた。本の中に何度も言及がある。実は、この本を翻訳出版したのは、私がイギリスに初めて行く直前(1982年10月)で、うかつにも「ハムステッド」(Hampstead)と書くべきところ、「ハムプステッド」と訳している。英語の発音初歩がわかっていなかった初歩的ミスである。本自体が難しいこともあるが、翻訳も今一つこなれていない。出来れば、両者の関係の研究と共に改訳したいものだ、と考えてはいるがどうなりますか・・。