![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/b9/b5a02e0f53d9e1bd1e371ceebd0a6fa4.jpg)
店頭の健康書コーナーでは「腸」関連の本が賑やかです。『新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸から始まる』(江田証著、池田書店)や『腸がすべて』(フランク・ラポルト=アダムスキー著、東洋経済新報社)がロングセラーとなっています。腸は消化器という役割と学生時代は学びましたが、第二の脳とも呼ばれ、消化以上の働きを司っています。口から肛門までの消化管はどんな生物にも存在するベーシックな器官であり、その中でも腸は、異物である食物を栄養素として変化させ吸収します。腸内には多くの細菌が住み、これらのしくみに寄与しています。
腸内細菌がいかに豊富で活動的であるかどうかがその人の健康を左右します。これと全く同じことが土壌にも言えます。土内の微生物の量の多さや多様性が森や田畑の健全性を示し、多様な生物や農産物の量や質を決定します。
われわれ人間はその土壌が生んだ穀物や野菜、また、それを飼料にした牛、豚、鶏などを食しています。つまり、土壌が良ければ、腸内も良好になり、健康を維持増進できます。何を食べるかが健康度合いを決めるのであれば、優れた自然環境を創り出すことが重要なキーポイントになり、地球環境全体を考える視点を与えてくれます。食事をファーストフードだけにした場合、腸内細菌は激減し、さまざまな病状を呈するという実験結果からも、土壌の微生物を含んだ食物を摂ることが腸内細菌の活性化につながり、健全な身体にします。
人間の目では見えない微生物をいかに活躍してもらうかが今後を占います。
『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(桐村里紗著、光文社新書、本体価格920円、税込1,012円)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます