書店も衰退産業の最有力候補でしょう。本書の「商店」の章の扉で明確に書かれています。
「全国で書店の数が減っていますが、大型書店やアマゾンなどのネット書店に品揃えや利便性で負けただけでなく、そもそも書店がオリジナルな商品を販売したり、付加価値がある売り方をしていないのが問題」
としています。独自商品や個性的で時代に合った販売方法を開発していくことが必須です。
本書では、商店、旅館、農業、伝統産業などの衰退産業がいかにして儲けることが出来るかを述べています。それには、「ビギナーズ・マインド」「増価主義」「地産外商」「地産外招」のキーワードがあげられています。長年従事している人は客観的にものを見ることが出来ないわけですが、まずは初心の視点で観て、その産業の価値を見出す。さらに、価値を増幅させ、地域では人口が減少するので、通販で地域外、これは世界までに外商し、地域外から自らが存在する地域へ足を向けてもらう「外招」を促すしくみを産み出していくべことを提唱しています。
まずは、初心。再度見つめてみましょう。
『衰退産業でも稼げます―「代替わりイノベーション」のセオリー』(藻谷ゆかり著、新潮社、本体価格1,500円)