さんちゃんの家族経営の小売業が急激に減少しています。板宿でも物販店がシャッターを下すのを目にします。それに対して、コンビニ、ナショナルスーパー、ネット通販は増え続けている現下、小売業は如何にして対処していけばよいかを学ぶ良書がありました。
『福島屋 毎日通いたくなるスーパーの秘密』(福島徹著、日本実業出版社、本体価格1,500円)です。
福島徹社長はNHKのプロフェッショナルの流儀で拝見しました。福島県のお米の放射線量の測定を店舗で独自に行って、安全を確認し、お客さまへ周知して販売するという番組でした。TVでも訴えられていましたが、
「なぜ、何のために自分はスーパーをこの地域で営んでいるのか」
「自分は何をどうして売りたいのか」
を常に問いかけられています。理念がぶれてはいけません。福島屋では
「お客様にとっての美味しさ、安心を追求し、吟味したものを提供したい」
「美味しさづくりは幸せづくり」
というように、「安心、安全な正しいものを吟味した上で販売する」正義が前面に出ています。そして、ナショナルブランドや売れ筋商品にとらわれると、価格競争に巻き込まれるため、理念に立脚したオリジナリティの高い商品を吟味することを通して、お客様に明確に伝えることが福島屋の戦略です。
今回学んだのは、この「吟味する」ということです。「吟味すること」自体が自立型企業へつながることに対し、ナショナルブランドを選択することは安心感を得ることできますが、店にとっては依存型になり、お客様には「押し付け型の売り方」になると考えられています。食品では「吟味」は自ら食すことになりますが、書店の場合は「自ら読む」、つまり読書量が自立への道につながりますね。
このような考えに基づいた経営者の態度、売り場づくりや棚の思想には共感するものがありました。情報を編集しての棚や売り場はワクワクしたものなのでしょうね。今度、上京した折にはお邪魔したいですね。