Z世代と付き合いがほとんどないので興味本位で読んでみて驚きました。書名の通り、日本社会がZ世代化しているとは…。
Z世代だけではないかもしれませんが、ビジネスにとって重要なのは、テーマパークのように「快楽」を提供するとか、推しへの熱狂によって「幸福感」を抱かせるなど、そういう状況にしかお金を落とさないため、大学でさえもテーマパーク化していると大学で教える著者は述べています。本末なら学びの必要性から取捨すべきですが、ゼミや講義の選択もコスパやタイパから決断するという本末転倒が起きています。
また、ビジネスの顧客へのもう一つのアプローチは「不安」をあおること。学生たちは就活や、社会に出てからもこのままで良いのか、他の会社や職場の方が自分の成長により良いのでないか不安に陥っている人が多いらしい。
こういったZ世代への大人たちの対応も怒らない、あるいは怒ることに会社から制限がかけられているために、大人たちも気の毒な立場に追いやられています。
社会全体が「快楽」「幸福」を求めたり、「不安」を利用して、ビジネスへ誘導される仕組みに組み込まれているのが非常に癪です。人間は置かれた環境で、いかに他者の役に立つか、喜ばれる存在になるかが大事なのに、すべてはビジネス感覚で計られていく~損得だけではあかんと思うけどなぁ~
『Z世代化する社会 お客様になっていく若者たち』(舟津昌平著、東洋経済新報社、本体価格1,600円、税込価格1,760円)
取り上げていただき、ありがとうございます!