親父が亡くなって、病弱の母親、弟、3人の妹の生活が長男である17歳の百姓・茂兵衛にのしかかり、気丈に生きようとすると、村の連中とは諍いが絶えないどころか、村に居れない状態になり、家康の家来の夏目家へ奉公に。長身で体格が良く、足が速い槍足軽として出世の道を歩みますが、当時の三河は家康と一向宗との戦いの真只中で、一向サイドに立っている夏目家は家康から見れば敵。野場城に籠城し、持ちこたえること半年。城内から密通者が現れ、あえなく落城・・・。
家康は今後の三河統一を鑑み、敗残兵の武士を自陣に招き入れ、茂兵衛も家康の直轄軍となる旗本衆、主君の護衛部隊に組み込まれ、岡崎の本多平八郎忠勝の旗持足軽へと昇進していきました。
この三河雑兵心得シリーズは現在全8巻ですが、累計50万部を突破する人気作品。百姓から足軽、そして、才覚を発揮して上昇気流を駆け上がる内容は世のサラリーマンや歴史小説ファンには面白いはずです。
『三河雑兵心得 1 足軽仁義』(井原忠政著、双葉文庫、本体価格630円、税込価格693円)