あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

考える練習帳

2018-03-26 16:17:04 | 

 AIの進展で人間がなさねばならぬこと、また、人間が優れていることを探るべく、多くの書籍を読む中で、本書に出会いました。『地頭力を鍛える』のベストセラーを書かれた細谷 功さんは、これから求められる人が、知識詰込み型の記憶優位の頭脳から、思考主体の頭脳の持ち主にシフトし、

人間に必要とされていること = 「自分の頭で考えること」

としています。そして、「考える」とは何か?、考えるためにはどういう視点が必要か?を多くのページを割いて、また、対比を重ねてわかりやすく説明しています。考えることの整理整頓をし、思考を柔軟にするように脳のしつけをしましょう!。特に、私自身が脳に明記しておきたいことは、

問題発見をすることを常に考える

ということです。現状をゼロベースで眺め、もっと良い状況にできると疑ってかかることは人間にしかできません。

『考える練習帳』(細谷功 著、ダイヤモンド社、本体価格1,500円)

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樹木たちの知られざる生活

2018-03-19 15:53:26 | 

 日本人はガスや電気の家庭への供給により、里山へ薪を取りに行くというエネルギーの自給をすることがなくなり、山、そして森との距離を置くことになりました。自然から学ぶことをしなくなり、自然の凄さや恐ろしさを忘れてきました。私は里山整備をすることで、毎月1~2度は自然とのコミュニケーションをしているつもりですが、やはり、専門家のエッセイを読むと学びの深さ、そして、森の樹木たちや動植物、菌類の存在の偉大さに驚きます。

 森林管理官である、著者のペーター・ヴォールレーベン氏は、仕事を通して、木も人間と同じように、痛みを感じ、記憶もあり、親子の関係も大切にしているというような、森の声を聴く結果、営林方法を、大型機械の使用を控え、伐採木を馬を使って運び出す、「樹木の習性を尊重したやり方」に変更し、「健康な森」「幸せな森」を形成しながら、生産性をあげています。

 さて、その樹木の習性とは、人間同様、社会的生活を営み、親の子に対する教育もしっかり行っています。樹木同士の情報交換も、自ら芳香物質や地中での根からのメッセージを発信しているし、病んでいる木には根から栄養補給も行っています。詳細は本書に譲りますが、読めば読むほど、樹木の誇り高き社会性に脱帽で、人間も見習うべきですね。「自然に学べ」ということには謙虚にならなければいけません。

 最後に、読者が理解しやすいように、人間の習性や社会を鑑み、各コラム名も付けられており、「社会福祉」「住宅供給サービス」「ストーリートチルドレン」など、その内容との連動は読者をワクワクさせます。

 『樹木たちの知られざる生活』(ペーター・ヴォールレーベン著、長谷川圭訳、早川書房、本体価格1,600円)

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3秒でハッピーになる 超名言100

2018-03-14 15:39:59 | 

   言葉は本当に力を持っています。今の自分の状況に適合する言葉をいただいたら、気持ちが軽くなり、高揚するのは間違いありません。また、その言葉は発した人の経験から生み出したものであり、聴く者にとってはその経験を知らなくても、将来の予習になります。言葉の防波堤かもしれません。

   現時点でどーんと胸に迫ってきた名言を3つ選んでみました。  

その1 他人が笑おうが笑うまいが、自分の歌を歌えばいいんだよ。 岡本太郎

その2  迷った時ほど遠くを見よ。近くを見れば見るほど船酔いをする。あらが見えてくる。遠くまで見ていると。実はそんなものは誤差だとわかる。 孫正義

その3 「助けてください」と言えたとき、人は自立している。  安冨歩

   落語を演じるものとしては、その1では、笑ってもらいたい!笑ってもらうために一所懸命に高座でやります。その2は、先の見えない出版界ですが、活字の本当の意味を信じて、未来を見つめたい。その3は、何でも自分でやれる人は素晴らしいが、その行動領域は限られる。やはり、「助けて!」と言える人的環境を自分が持てるかどうかがキーになります。

  名言の味わい方として、最低6回読んで欲しいというメッセージがあります。私は毎年1度同じ時期に決めて読めば、1年間の自身の経験から、今年のナンバーワン名言を決める気持ちで接すれば良いのではないでしょうか。

『3秒でハッピーになる 超名言100』(ひすいこたろう著、ディスカバー・トゥエンティワン、本体価格1,400円)

 

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目のつけどころ ものの考え方

2018-03-13 12:02:12 | 

  著者の相川氏は大学生在校時に「早稲田塾」という塾を創業し、世界の最前線で活躍されている各分野の第一人者であるエリートたちから、次世代を担う学生にメッセージをもらい続けてきました。彼らから学んだ、第一級の人間になるための考え方や習慣は何であるかをまとめたのが本書です。

 まずは、「自分のあり方」を確立していること、つまり、「to be」です。その上で、「自分にしかできないことは何か?自分だからこそできることは何か?それは他人の役に立つか?」を自ら問い続け、実行へ移す。

 また、「過去と未来の人とのつながり」を意識し、今という時間を生きています。さらには、他人の評価に左右されない自信も持ち合わせています。とは言っても、固定観念を崩す、常識にとらわれない心を持っています。「真逆」にトライする姿勢は常に維持しています。

 そして、私が一番納得したのは、

「人に感動を与えられる存在」が重要になってくる

ことです。機械化すると、人間の情は省かれる傾向にありますが、相手の心を動かす人になれば、その人の周辺にはその魅力に集まる人だかりがきっと生まれます。人生100年には欠かせない側面だと思います。

『世界のエリートが実践している 目のつけどころ ものの考え方』(相川秀希著、キノブックス、本体価格1,300 円)

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東大教授が教える知的に考える練習

2018-03-12 16:39:42 | 

  情報洪水の世、また、AIが進歩する将来、われわれ人間に求められることは「考える」頭を持つことです。大量な情報に振り回されることなく、いかに自己の価値を高めていくかには、その情報を取捨選択し、人とは違う発想ができることの重要性は高まってきています。

  それではどのように考えればよいか?第一番目には、質の高いインプットをするためにし、「頭の中に良い網を張る」ことです。但し、自分の関心だけでなく、問題意識外のことにも注意をしていくことが求められます。あなただけの発想には異質なものの融合が欠かせないためです。

  次に、考えるための土台作りを提唱しています。それは、情報を頭の中で加工するという「発想の転換」と「具体的なものを抽象化して一般化してとらえるクセ」をつけるべし! 詳細は本書に譲りますが、この思考が習慣化されれば、恐いものなしになるでしょう。 この発想法は、くまモンの生みの親、水野学氏が教えてくれるように、「集積した知識をもとに最適化する能力」と同じですね。

https://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/52433b27cf398246338de1a625ce50a9

柳川先生は「思いがけないものをくっつけてみる」がキーポイントであると言われています。これはまさに編集能力です。

  人間の習性として、どうしても同質な情報を好みますが、自分にとって真逆、嫌う情報に敢えて接していく度量を育まなければなりません。自分には関係ないと思う所に宝があるのでしょう。

『東大教授が教える知的に考える練習』(柳川範之著、草思社、本体価格1,300円)

 

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ローカリズム宣言

2018-03-08 16:09:35 | 

  グローバリズムが全世界へ伸長する環境下、その悪癖も全世界へ広がっています。特に際立っているのは格差の拡大であり、その先に階級社会へ移行しつつあります。同じ地上におぎゃと生まれても、幸せに生きていけないのは悲しいですね。

 『資本主義の終焉と歴史の危機』
https://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/a3c39a7a8e5fbebe88f89c2d9341f475

 『資本主義の終焉、その先の世界 「長い二一世紀」が資本主義を終わらせる』
https://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/16f1b11b147a173634853362ce6bcfc8

 『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』
https://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/ff1db8e5250aecfd5b4d396b606b6c59

などの著作で、水野和夫氏が資本主義の終焉を宣言しているように、便利や効率ばかり追いかけることが人に対して並々ならぬストレスを加え、グローバリズムの土俵から降りる賢明な人が出現しています。「成長」のものさしをかなぐり捨て、「定常」「相互扶助・相互支援的な人間のつながりをつくる」社会へ一歩踏み出しています。

  下駄ばきで歩いて生活でき、そこには食料、エネルギー、医療、介護、教育が自給自足できる小規模の街が無数に日本に存在することが望ましいですね。お客様からの声を聴いても、

「書店が街からなくなるとアカン!行けば在庫があるかもしれないが、三ノ宮まで行かずとも板宿で買える書店があることが嬉しい!」

とおっしゃられています。地域内でお金が回るしくみ、まちが生きやすいのでしょう。

『ローカリズム宣言―「成長」から「定常」へ』(内田樹著、デコ、本体価格1,600円)

 

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サイテーの偉人 スティーブ・ジョブズに学ぶ これからを生きる7つのレッスン

2018-03-03 07:46:44 | 

  スティーブ・ジョブズが亡くなって7年。彼の生み出したものは世の中を大きく変えてしまいました。Mac、iPod、iPhoneがデジタルの世界を人類にこじあけたと言ってもいいでしょう。そんな彼の生き様は、この本の書名の通り、世間一般からみれば、とんでもない最低の性格の持ち主でした。だからこそ、これまでのルールを一新できる商品を開発し、世に出したとも言えます。これからの21世紀は不測の時代。だからこそ、サイテーの偉人から学ぼうというのが本書の目的です。小学校高学年から読める人生指南書は次代を創る子どもたちにも、大人にも最適です。

 本書には7つの教えが書かれています。それは、

【Lesson 1】チャレンジしないで失うもののほうがデカすぎる!!
【Lesson 2】好きなことを見つければ、“一生ものの武器”。
【Lesson 3】空気を読まずに、正しいと信じることをやる!!
【Lesson 4】「なんで勉強しなきゃいけないの?」の答え
【Lesson 5】お金に“使われない”、正しい付き合い方
【Lesson 6】イジメをするやつ=権力者との戦い方
【Lesson 7】人を差別しない多様性こそ成功のカギ!

  勉強嫌いだった彼は興味のあること、エレクトロニクスだけは徹底的に自ら学びました。一点集中、一点突破。「物事を自分で考え、自分で納得しないうちは、正しいと判断を下すことが出来ない」考えを自立の根本にして、世の同調圧力に立ち向かいました。

 アップルは太陽光発電を取り入れ、iPhoneの製造先の他社工場にもアップルの資金で太陽光パネルを設置していることには驚きました。サイテーの偉人は21世紀を鑑み、これまでのルールを変えている、つまりは常識は過去から生まれているものであり、新しい常識は自ら考えて自ら構築していくものですね。自分の頭で考えることこそがこれからのキーになりますね。

『サイテーの偉人 スティーブ・ジョブズに学ぶ これからを生きる7つのレッスン』(竹内一正著、講談社、本体価格1,100円)

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