あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

小さなことにくよくよしない88の方法

2014-10-30 15:31:42 | 

  嫌なことは突然訪れます。仕事でミスをしてしまったり、人間関係で上手くいかなかったり、嫌なことは人により様々ですが、そこで落ち込む前に本書を読んで下さい。

  くよくよしないための心の持っていき方が全5章で記されています。しかも、簡単ですぐに実践できるものばかりです。また、掲載されていること全てを実行しなくてもよく、やりやすいものだけを選び実行しても大丈夫です。数よりも、ちゃんと実行出来るかが大事です。

  人生はたった一度きり。ちょっとしたことで落ち込んで、今を上手に生きられないなんてとても勿体ないことです!あたり前のように訪れる毎日ですが、いつか終わりは必ず訪れます。それを理解し、日々に感謝できるようになれれば小さなことにくよくよせず、今以上に人生を楽しめるようになるのではないでしょうか。

  『小さなことにくよくよしない88の方法』(リチャード・カールソン著、和田秀樹訳、三笠書房、本体価格552円)

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藻谷浩介対話集 しなやかな日本列島のつくりかた

2014-10-16 16:33:16 | 

  「里山資本主義」により、地域の負を地域内で正に変える仕組みを紹介された藻谷さんですが、現代に日本の地域のお荷物と考えられている、「商店街」、「限界集落」、「農業」、「医療」、「赤字鉄道」、「宅地開発」や、今後の日本の成長を担う「観光地」について、識者と対談されています。

 現代では「経済合理性」のものさしでしか判断しないため、「負」は「負」でしかありえず、ものさしを多様に、もしくは「経済合理性」だけでなくもう一つのものさしを加えた、二元共存の考えを指し示しています。

 特に、「赤字鉄道」に関して、道路の維持管理は行政の負担で行っていますが、公共交通である鉄道は「私」の運営としか認識していないことが誤りであり、「イコール・フィッティング」という、自動車、バス、道路、鉄道のすべてを競争条件を揃えて判断する視点を教えてもらいました。道路は延長するが、その維持管理は永遠に続くことを考えれば、まちのコンパクトシティ化を推進し、道路への予算(上下水道も含まれます)を減額できれば、鉄道は維持でき、鉄道は観光にも活用できます。

 現代社会、特に経済においては二元競争、ONE or ZERO ですが、禅の考え方である二元共存の思考を常に念頭に置かなければ、一極集中がますます進み、地方は原野に成り下がります。

『藻谷浩介対話集 しなやかな日本列島のつくりかた』(藻谷浩介著、新潮社、本体価格1,200円)

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大事なことから忘れなさい 迷える心に効く三十の「禅の教え」

2014-10-13 11:48:21 | 

 禅の本を読み進めていますが、今までで一番理解しやすい本に出会えました。京都・妙心寺退蔵院副住職の松山大耕氏の『大事なことから忘れなさい』です。松山氏は妙心寺生まれで、東京大学出身。禅を海外に発信し、外国人への禅指導は自ら英語で行い、政府観光庁「Visit Japan 大使」、 京都市「京都観光おもてなし大使」に任命され、海外での講演もされています。

 本書では禅の真髄を誠に簡単に書かれています。まず、禅とは、その漢字を分解すると、

 「単」を示す

となり、シンプルを目指す教えであり、その特徴を3つに集約されています。それは

①とらわれない、まっさらな澄み切ったこころ

②不要なものを極限にまで削ぎ落とし、あるべき本来の姿に向かう

③言葉よりも実践を重んじる

です。

  例えば、本書の書名の「大事なことから忘れなさい」ということは、一流になるには、大事なことは「型」を習得することが必要ですが、型にこだわると「型」に執着し、自らのオリジナルが発揮できなくなります。「型」を一つ一つ集中し、量をこなし、「型」を意識せずとも実践できるようになると、一流の域に達するのです。「守破離」に通じますね。

  過剰に商品や情報が氾濫し、そして、欲望を煽る現在、やはり、禅(ZEN)に人気が上がるのは頷けます。

 『大事なことから忘れなさい  迷える心に効く三十の「禅の教え」』(松山大耕著、世界文化社、本体価格1,300円)

 

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グローバリズムという病

2014-10-08 18:12:32 | Weblog

 平川 克美さんの本はちょいちょい読ましていただいてますが、この本で「グローバリズム」の本性が知れました。読了後は「感謝」の二文字です。

  我々書店業界では、グローバル企業の盟主が、「便利」「早い」「推薦図書もあり」をキーにして、インターネット通販でありながら、日本でも一番のシェアを握っています。販売を通して、お金を全国から集め、税金も日本国に一銭も落とさずに、一路アメリカへ流れていってます。昔の平家ではありませんが、「アマゾンであらずんば、人にあらず」の勢いにより、進出している多くの国、特にフランスでは問題視されています。本書にも、

 「グローバリズムと企業の垂直統合は、ワンセットのももになっており、それが地域性の破壊という今日的問題の原因になっている。」

と書かれています。資本主義下での株式会社は成長することが大命題であり、そのためには自国のシェアを獲得した暁には、海外へ遮二無二進出していくことが必要になります。そこで各国の保護主義的政策が邪魔になり、障壁の撤廃のために政府を動かすようになります。つまり、多様性を重んじ、各国の主権を尊重する「国民国家」を崩壊へ導いています。

 そこで、我々は「便利」「早い」というだけ、すなわち損得勘定、経済合理性だけで行動する、「アノニマスな消費者」となるだけでなく、地域内にお金を落とし、地域内で流通する、「地域内再投資」を考えて行動することが求められます。阪神・淡路大震災を経験した私は、災害時にはリアルな地域社会しか援けてくれない、多国籍企業やインターネット通販企業が瞬時にリアルに手を差し伸べてくれるはずはないはずということを身に染みて理解しています。

 生態系で「生物多様性」を考えるのであれば、経済においても「多様性」があってしかるべきだと思います。

『グローバリズムという病』(平川 克美著、東洋経済新報社、本体価格1,500円)

 

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女子の武士道 武士の娘だった「祖母の言葉五十五」

2014-10-06 17:20:15 | 

  著者の石川真理子さんは、米沢藩士の厳格な武家の娘として育てられた祖母と12歳まで一緒に暮らしました。明治から昭和の激動の時代を生きた祖母の生きる思想は「武士道」でした。武士である夫を援ける妻の極意を55のエッセンスにまとめられています。そして、1つ1つの教えには、関連する論語を付加しており、理解しやすくなっています。

 武士道の根幹は、「何事が起きても、常に心を平静に保つ」ことです。外的環境の変化にも動じない、強い「克己心」を養成し、いつでも明るく陽気でいることが求められます。夫が大事を迎えた時、夫を支える妻も付和雷同然でいるのはなかなか難しいものですが、「夫の窮地こそ女は強くあれ」と伝え、「心が強くなれば、自ずと穏やかになる」と祖母の教えは説きます。55のどの言葉も読む者を勇気づけ、危難に立ち向かう魂を作り上げます。

 現代の日本人には武士道が精神的背骨が必要であると考えながら、最終頁を閉じました。

『女子の武士道 武士の娘だった「祖母の言葉五十五」』(石川真理子著、致知出版社、本体価格1,400円)    

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