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板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

辻調鮨科

2021-12-18 15:19:07 | 

 決壊しました!涙腺。エンディングを早朝に読んでましたが、嫁に「何、泣いてんのん?」が朝の挨拶。

 料理界の東大、辻調理師学校に昭和63年に鮨科が誕生し、そこに集う学生の1年間の成長物語。主人公・長谷川洋右は岡山県備中高梁の豆腐屋の息子。幼い頃に食べた鮨の味が忘れられず、握り手になるべく勇んで入学するも、劣等生一直線。やくざから鮨職人になり、ハイレベルの技術を持つ担当教師であり、師匠でもある城島永嗣は素直な洋右を徹底的に仕込みます。自身の努力の甲斐もあり、落ちこぼれから徐々に離陸し、卒業前には鮨科のリーダーにまで昇り、各科で競い合う卒展グランプリでは決勝にまで勝ち上がります。その間に、城島先生は視力を失い、不慮の事故でこの世を去りますが、優勝者発表のある卒業式の1日のクライマックスでは落涙必至です。

 卒業後は鮨職人としての厳しい世界を迎えますが、恩師の言葉、「成功は、それを信じて努力を重ねた者だけが手に入れられる」に支えられて生きていきます。

『辻調鮨科』(土田康彦著、祥伝社、本体価格1,800円、税込1,980円)

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