あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

読みたいことを、書けばいい。

2019-09-30 16:05:17 | 

 読書や読書術だけでなく、文章術、文章の書き方の本も数多く出版されています。インプットだけでなくアウトプットも重要なのです。その中でも、本書は細かいテクニックなどはあっちに置いとき、電通で24年間コピーライター・CMライターの経験から、大上段からズバズバと教えてくれています。

 まずは、「自分がおもしろくなければ、他人もおもしろくない」とし、 「文章は自分のために書く」ことを奨めています。

 その書く内容は、「言いたいことを書いている人がいない」内容であれば問題ありません。随筆は、自分の外部にある「事象」を見つめ、心象を語るものであり、そのためには「9割9分5厘6毛調べろ」、もちろん、ネットの情報だけで済ますことなかれ!、「一次資料に当たれ!」書く手順としては、「事象に出会う→心象を抱く→仮説を立てる→調べて、証拠を並べ、考える→結論を出す」で、「起承転結」で良しとしています。

 「書けば、人生がパっと変わる」のですから、躊躇せず、量が質を向上させてくれます。

『読みたいことを、書けばいい。  人生が変わるシンプルな文章術』(田中泰延 著、ダイヤモンド社、本体価格1,500円)

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9月1日 母からのバトン

2019-09-26 16:09:24 | 

 樹木希林さんが病室でつぶやいた、「死なないで、ね・・・どうか、生きてください・・・」を娘の也哉子さんが聞いたのは9月1日。その日は、いじめやひきこもりなどで学校にいけない、行きたくない学生が自殺する、1年でもピークの日。そのことを知っていた希林さんは活きることに関して、とても重いかつ大切なことを語っています。

 難の多い人生はありがたい自分に対して災いを起こし、不本意なことをやってくる人間を、逆に私にとっての『師』であるという気持ちで受け取る。」

 「人間がなぜ生きたかと言えば、難を自分の身に受けながらも成熟していって、最後、死に至るため~成熟って難がなければできない。」

 「せっかく生まれたのなら、無理して急がず、最後に自分がどんな轍を残せたり、どんな景色を見れるのか、それを楽しみにしていく。」

 だからこそ、ひきこもりや不登校の子どもたちに対して周りの大人は、

 ・人生のオプション(選択肢)を子どもたちがたくさん発見できればできるほど、死というオプションは小さくなっていく

 ・本人が自分で「底」をつくまでほおっておいてあげてほしい~それを待てるゆとりを持つことが大人には大事

 ・大人も”絶対”を疑う

 ・親自体が生きることを楽しむ

姿を見せなければなりません。

 9月1日問題とは関係ありませんが、「地球上におびただしい数の人間がいて、人間としていちばん幸せなのは適職に出会うこと」や「本はハッチ、いろんな世界に飛び出せる扉」など、含蓄深い言葉があり、お亡くなりになって1年を経ますが、ますます注目される存在ですね。

『9月1日 母からのバトン』(樹木希林・内田也哉子著、ポプラ社、本体価格1,500円)

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「空腹」こそ最強のクスリ

2019-09-21 14:42:38 | 

  私の唯一の健康法は朝コップ2杯のにんじんジュース。これだけの朝食を17年間継続している きっかけは『石原式朝だけにんじんジュースダイエット』(石原結實著、海竜社、ただいま絶版中)です。体形は当時と全く変わらず、快腸快便生活を続け、風邪も寄りつきません。この本 との出会いは私の健康の根源であり、新潟は魚沼産のキャロットジュース とのめぐりあいを生み出しました。

  そして、この朝食抜きを理論的に応援する本、『「空腹」こそ最強のクスリ』(青木 厚著、アスコム)が私の健康を支える1冊になりました。食べない時間が16時間続けば、古くなった細胞が新しく生まれ変わる「オートファジー」が活性化して、体の内側から若々しくしてくれます。「オートファジー」は2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞した、東京工業大学の大隅良典教授の研究でもあります。1日3食は内臓が過労状態であり、内臓を休ませる、内臓の働き方改革が必要です。

 朝食抜きに関しては、 甲田光雄先生が発信し続けてこられ、著作もたくさんありましたが、2008年に亡くなられてからは、当店でも、『長生きしたければ朝食は抜きなさい 体の不調を根本か ら改善する驚異の「甲田式健康法」とは』(東茂由著、甲田光雄監修、KAWADE夢新書、本体価格760円)は常備しております。少食は自分自身の健康だけでなく、地球規模の環境問題や人口問題にも寄与します。人間の少食が地球の健康を改善します。

 石原式 朝だけにんじんジュースダイエット 長生きしたければ朝食は抜きなさい  

『「空腹」こそ最強のクスリ』(青木 厚著、アスコム、本体価格1,400円)

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誰にも書ける一冊の本

2019-09-20 16:24:25 | 

 この7月に亡くなったオヤジの洋服ダンスや収納スペースから大量に出てきたものは、洋酒(もちろん封は空いてません)、新品の靴下(段ボール一杯の量の新品ですが、オヤジの足のサイズは24.5cm)、コピー用紙、茶封筒でした。洋酒や靴下は満中陰志の日に親戚で分け、コピー用紙と茶封筒は井戸書店で有効利用しています。

 さて、本書では、「入院している父がもう危ない」という連絡で帰省した時に、母から渡された原稿用紙は父が自分の人生を振り返った自分史。高校を卒業してから、函館を離れ、男子の常として、めったに帰省しない息子は父の生き様を知りませんでした。読み進めるうちに、フィクションめいていると思いながらも、父の生き方を知ることは息子にはとても貴重なことでしょう。人生の時々でどう思い、そして、どう行動したのか?これらをインプットするだけで、息子である主人公は自分の人生を豊かにできるのではないでしょうか。

 「息子よ、娘よ。   人生は、何をしたかではない。何をなそうとしたかだ。」

  「人は人生を一炊の夢に譬えるが、私には、ひとひらの雪に感じられる。てのひらの雪は、たちまちのうちに溶け、ひと滴の露となる。             指間から消えまいと、拳を握り続けるうちが人生だ。」

 この原稿用紙の存在が親子の絆を深めてくれます。私には、父が書き残したものはありませんが、残したものに思いを見出し、父との絆を深めようと思います。

『誰にも書ける一冊の本』(荻原浩著、光文社文庫、本体価格457円)

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令和の現場力

2019-09-10 18:29:16 | 

 日本では、人手不足が顕著になり、その一方ではAIが進み、現場力の再構築がなされようとしています。ドイツの工場などでは、人が全く介在しない現場が生まれているらいいですが、日本ではやはり、人間を中心に置いた現場にロボットやAIが介在する形態をとることが望ましいと訴えています。

 本書で一番印象に残ったのは、現場の理想像は、「YTR」を目指すべしとしています。これは、

「Y=役に立つことを、T=楽しく、R=楽にやる」

であり、人間本位の目標です。

 また、 「To Do」より「To Be」 を考えることを奨めています。つまり、何をするかではなく、どうあるべきかを優先的に考え、行動していくこと。そうなると、現状の改善により延長線上を掘り下げるのではなく、現状を否定し、ゼロベースで考える現状破壊型が当たり前になってくるでしょう。

 良品計画、変なホテル、SOMPOケア(介護)など、変貌した現場を紹介し、理解が深まります。最後に、私も知っている、千葉の大里綜合管理の「YTR」の今を伝えてくれているのは嬉しかった~

『令和の現場力 デジタル×AI時代の「業革3.0」』(遠藤功・山本孝昭 著、日本経済新聞出版社、本体価格1,600円)

 

   

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奇跡のホルモン・スイッチ

2019-09-03 16:04:01 | 

 製薬会社の研究室で血液関連の薬の開発をしていた著者は、「薬は対症療法であって、病を治せない」と感じ、根本療法とは何かと考え、食事や運動も包括的に施すホリスティック療法を目指します。そこで、人間自身が分泌するホルモンに着目し、人生や生活の場面で、どのホルモンを分泌しやすくすればよいかを研究しました。

 数多くあるホルモンの中で、3つのホルモンに注目しています。

 まずは、やる気ホルモンの「ノルアドレナリン」。これを分泌すると、闘争か逃走しやすくなります。逃走しないように、小刻みな目標を設定し、成功体験を積み上げ、ノルアドレナリンを分泌しても闘争へ思いが向くように習慣化する必要があります。

 次は、達成感のホルモンの「ドーパミン」。しかし、「平穏無事な生活を送っていると、脳内のドーパミンは減少する」ことから、少しばかりは逆境や苦境にいるように自分を追い込むと、火事場のバカ力ではありませんが、ドーパミンは分泌され、実行力を呈するはずです。

 最後に、理性のホルモンである「セロトニン」。すべての感情に対して、制御コントロールを発揮し、平常心を取り戻そうとします。闘争のノルアドレナリンが脳内に分泌されても、一気呵成に行って良いか、ここはセロトニンも同時に分泌できれば、人生まる~く収まるのでしょう。逆に言えば、あおり運転の傾向のある人には脳内にセロトニンが分泌されるスイッチが押されればよいのですがね。

 他にも、愛情ホルモンの「オキシトシン」は、「守るもの」や「背負うもの」があれば分泌するので、妻や子との生活を守ることや、自分の身の丈よりも少し高い買い物をするなどの、ちょっと背伸びをすることがオキシトシンのスイッチになります。また、「負けるなホルモン」の「テストステロン」には、自尊心をくすぐる、褒めて認めるなどの手法を取れば、分泌します。

 「ホルモンを制する者は人生の質を向上させる」って思いました。だからこそ、その場面に適したホルモンが分泌されるように、自らがスイッチを押すことが大切です。本書には、食事と運動についても詳細に書かれており、ホルモンのコントローラーになれる手引書になっています。

『奇跡のホルモン・スイッチ 潜在能力を引き出す』(加藤雅俊著、幻冬舎新書、本体価格780円)

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