あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

流されるな、流れろ!

2017-11-23 10:52:05 | 

  荘子を理解するのは難しい。これは現代人にインストールされている価値観とは真逆のような座標軸を持っているからだと思います。通常なら「役に立ちたい」と思い、そうなるように努力しますが、

「無用の用」

では、有能な人は誰かも期待され、自分自身も期待に応じようとがんばりますが、そんな人の存在があればこそ、「いっそ無用で無能で無益なほうが、争いもなく、疲れもせず、混乱も少なく、のんびりと人生を過ごせる」という考えが生まれるのです。

  また、日本人は他人の目を気にするため、世間一般の常識に沿うことを心掛けますが、荘子は「相対的な価値観に振り回されたり惑わされたりすることなく、自分のいる場所を見つめ直しつつ生きる」ことを奨めています。これが流されるな、流れろ!の書名の通りの

「無為自然」

です。

  情報革命、AI人工知能の進展で、過去の価値観は通用しなくなる激動の時代には、個人にとっていかに生きるかを考えることも頭の片隅に置いておくべきかと考えます。難解と捨て去るのではなく、「ケセラセラ、なるようになるさ!」という気持ちだけは持っておきたいですね。 

『流されるな、流れろ! ありのまま生きるための「荘子」の言葉』(川崎昌平著、洋泉社、本体価格1,200円)

 

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京大式DEEP THINKING 

2017-11-20 16:25:22 | 

  『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか? 不便益という発想』という長文の書名で、「不便益」という概念と、そのメリットを知り、今回はその思考法を学びました。『不便益という発想』は以下の通り。

http://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/25de720a3f261068d7e403d5f385a26b

 初めから振り下ろされた論旨、頭が良いとは、『深く考えること』」とは、今の世の中、人間が情報や環境に流されていることがベースになっているのではないでしょうか。人間はもともと「深く考えることが初期設定」されているにもかかわらず、簡単なしくみに乗っかり、あるいは乗せられ、漂うままになっています。その方が楽だとはいえ、「考え抜いて、新しい概念を自分の中に形作る」ことによって、「自分らしさ」を生み出せば、不確実性の高い時代にも不沈艦船の如く、高い価値を生み出し、維持できるのでしょう。AIが発達すればするほど、人間にとっては思考することの重要性は増してきます。

 良い発想をするには、どのように思考すればよいか?そのヒントは、不便益の研究から、「引き算」を奨めています。つまり、「便利な手段を引く」ことで、「一瞬不便にすることで、『何かを自分で工夫しよう』と能動的かつ深く考えるチャンス」になり、結果的に「価値が高まる」わけです。デジタルでの連絡が多くなると、手書きの手紙やハガキは受け取る方にとっては嬉しさも増大します。また、京都の苔寺では予約を取得するにはハガキだけだし、米国グランドサークルのウェーブの入場許可は、環境の問題もありますが、前日朝の抽選だけなら、やはり行きたくなります。

  人生100年時代を生きるなら、思考と選択の連続が待ち受けます。深く考える習慣を得ると、人生も豊かになるでしょう。

『京大式DEEP THINKING 最高の思考法』(川上浩司著、サンマーク出版、本体価格1,400円)

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天才! 成功する人々の法則

2017-11-13 14:18:09 | 

   私自身は全く関係のない存在と信じている天才はいかにして生まれるのか?を大胆に書かれています。個人の資質かと思いきや、意外な要因があることがわかりました。何点か紹介をしましょう。

・世界の一流スポーツ選手に共通する、ある「幸運」とは?

例えば、アメリカやカナダのアイスホッケー選手は1~3月生まれが多い。これは年齢の区切る期日が1月1日のため、身体能力よりも体格がモノを言う。すなわち、「社会やシステムが非常に大きく影響を及ぼしている」結果があらわれています。

・ビートルズやゲイツ、ジョブズが成功した本当の理由は?

「熱心に努力するかどうか」のボーダーラインは1万時間の法則に支配されています。1万時間以上の演奏をしたビートルズ(ドイツ・ハンブルグで演奏していたらしい)や、初期のパソコンに触る好機を得て、1万時間以上のプログラミングをしたゲイツ、ジョブズは成功者への道を歩みました。1万時間の練習を積み上げることのできる時代や環境こそが重要である視点は大切です。

・IQ190“全米一の天才”が大成できなかったのはなぜ?

信じられないかもしれませんが、家庭環境が大きく左右しています。

  他の事例は本書に譲りますが、成功者の内部要因よりも外部要因が無視できないことは当然と言えば当然ですが、当たり前だからこそ視点として見抜けない。その意味では、著者のグラッドウェルも天才でしょうね。天才といわれる人はその場に身を置ける幸せを感じなければならないのでしょうね。愚才でも、いまここを精一杯生きるんだから同じですね。

『天才! 成功する人々の法則』(マルコム・グラッドウェル著、講談社、本体価格1,000円)

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怒らない、落ち込まない、迷わない

2017-11-13 13:29:58 | 

  『仏教と科学が発見した「幸せの法則」』を読んで、

http://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/96f4c25adebb33c8a8fdd7058bff29d6

ブッダの本当の教えを非常にシンプルに教えてくれるアルボムッレ・スマナサーラ師の本をさらにあたりました。

この本でも、いかに生きるべきかをやさしく説いてくれています。私がその根本と読み取ったのは、

①「いまここで」に自分の持てる力で精一杯取り組め!
  ~ 「いつか」も「そのうち」もこの世には存在せず、あるのは「いま」だけ。
  ~ 「いまいる場所が、あなたが花を咲かせられる場所」

②無常ならざるものはない
   ~ だからこそ「いま」に集中せよ!
  ~ 苦に対しても、自分を成長させよ!

③与えることはという善行為をしていれば、因果法則によって必ず幸福になる

④自我の張り出していないメンタルの状態が良いを維持できれば、無我の境地に至り幸せに生きていける。

⑤人生は苦であると承知せよ!
   ~ 「人生で起きるすべての出来事は、その人に課せられた宿題です。」

⑥怒る人は、進化できない「弱者」であり、自分の能力不測の露呈
  ~ 怒りという外に向けたベクトルを自分に向け、客観視せよ!

です。思考の向ける視点を180度変える思いで、何事にも対処することが重要です。

『怒らない、落ち込まない、迷わない - 苦を乗り越える宿題』(アルボムッレ・スマナサーラ著、幻冬舎、本体価格1,100円)

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職場を幸せにするメガネ

2017-11-06 15:03:03 | 

  アドラー心理学の本はまだまだ売れています。リーダー向けのビジネス書として、本書は非常に価値ある一冊だと思います。働き方改革ではありませんが、職場に集う人が幸せになることを目標にしてのリーダー論を展開しています。

  まず、リーダーとして3つの認識を胆に銘じることから始まります。それは、
①「リーダーは幸せの専門家である」
②「人はビジョンと価値観に基づいた『自分軸』を大切にして生きるべきである」
③「誰もが『人生の主人公」として生きることができる
です。

 実際には、アドラー心理学を応用して、

・部下を鍛えるのではなく、部下を幸せにするという認知をする。

・職場において、自分が好きになる「自己受容」、人を信頼できる「他者信頼」、私は貢献できることからの「他者貢献」の幸福の3条件のコップに水を満たすことをリーダーが努め、職場内に共同体感覚を向上させる

・人間は「未来に成し遂げたい何らかな目的」があって、感情を生み出し、行動している目的論を大事にし、

・褒めるのでははなく、叱るのでもなく、部下を勇気づける言葉をかける

ことを実践すべきです。
 
 今までの部下へ対する認識を180度転換して、上下の関係から横の関係へ変え、人間は不完全なのだから寛容の精神を持ち、職場では目的に向かって楽しみ、互いに否定し合うのではなく、認め合うことが職場の結束を高めます。

  前回取り上げた『仏教と科学が発見した「幸せの法則」』(スマナサーラ長老・前野隆司著、サンガ、本体価格1,800円)のビジネス版、リーダー編みたいに読めました。幸せを求める思考は似通ってくるのかもしれません。

『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント』(小林嘉男著、まる出版、本体価格1,500円)

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