あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

退歩を学べ

2014-02-25 17:55:41 | 

  著者のロボット博士・森政弘氏はロボットコンテスト(ロボコン)の創始者で、約40年にわたる仏教および禅研究家と活躍されています。仏教に関する著作も多く、本書は矛盾の多い現代を生きる上で多くの示唆を与えてくれます。

   森先生は書名の通り、「退歩に生きろ!」とおっしゃっています。成長を目指し、何事も外に外に求めていこうとする「進歩」に対し、自己の内面に智慧の光を照らし、静かに見直す「退歩」が必要であることを強調しています。では、具体的にはどのようにすればよいか?

  一例として、説教強盗を紹介しています。大正15年から昭和4年まで強盗に入って、お金や通帳を盗み、家主に「犬を飼いなさい」など、戸締りについて説教して逃げる犯人がいました。指紋から逮捕、無期懲役に処せられましたが、戦後に出所し、防犯協会の顧問に就任。前歴の知識がフル活用されました。

  強盗は「悪」、防犯は「善」です。「悪」から「善」へ転ずるのに、「悪」でも「善」でもない、善悪以前の状態を「無記」と言いますが、この場合の無記は「戸締りに精通している」ということになり、無記を善にするには「心の制御」が必要になります。人には「善」ばかりでなく、「悪」の部分も悲しいかな持っています。「善」が70%で、「悪」が30%だったら、その人のパワーは70%となりますが、30%の「悪」を「無記」の状態にして、「善」に転ずると100%の力が発揮できます。このように、「善悪は容体の属性ではなく、心(主体)が作り出すものという『三性の理』の理解が不可欠」になります。すなわち、心次第で人は変わるのです。アメリカなどの心理学ではポジティブ心理学の成果を発表していますが、何のことはない、禅の導きで十分なのですね。

 さらに、もう一つ、現代日本人が忘れていること、それは「仏性」です。「経済では、『物』は金に換算できる貨幣価値、または使用価値として計算の対象」になりますが、「仏教では、『物』は合掌の対象」です。「宇宙のすべての存在には、仏になれることができる性質、『仏性』を有している」ため、「尊い物によって生かされているという感謝の念」を抱いたり、「物が発する無言の声を聴く」姿勢が大切になります。私が子どもの頃、物をまたぐと、おばあちゃんに「物にも心があるから、またいだらあかん!」と怒られました。物に対する感謝の心があれば、「足るを知る」が肚に落ちてくるのでしょうね。大量生産、大量販売、大量消費、大量廃棄は「悪」となり、物を大切に扱う心が養われます。

 「退歩」、これからの世、これは欠くことができない思想です。

 『退歩を学べ ロボット博士の仏教的省察』(森政弘著、佼成出版社、本体価格900円) 

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びんぼう神様さま

2014-02-25 17:21:53 | Weblog

  びんぼう神はなるべく避けたい存在ですが、松吉の家に居座ってしまったびんぼう神。松吉一家は貧しくなるばかりですが、びんぼうなりとも、せっかくやってきた神様を神棚に祀り、毎日拝むとどうなるのでしょうか?神様も情が移り、松吉の家には幸せが訪れます。

  グローバル経済の進行で、格差社会が広がり、一度底辺に落ちるとなかなか上がることができませんよね。『里山資本主義』が人気を博すのも無理はないです。貧しいながらも幸せを感じて生きていくには、『びんぼう神様』が答えを出してくれます。思いやりと他利に勤しむと訪れますよ、幸せは。

 『びんぼう神様さま』(高草洋子/画・文、地湧社、本体価格950円)

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できる社員の損益分岐点

2014-02-24 17:45:55 | 

 副題が「あなたは、黒字社員?赤字社員?」となっており、会社で起こる様々な事象に対して、どうのように対応するかで、社員を判断しています。これを読んでいると、その社員の意識の置き所、そしてその行動がよくわかり、「いかにすべきか」が明確にわかり、すぐさま変わることができます。

 例えば、報連相についてですと、

 赤字社員=案件の進捗を報告しない

 白字社員=案件の結果が出てから報告する

 黒字社員=「まだ着手していない」ことも報告する

と「やっていない報告」までできると合格となります。

 もうひとつ、これは有名ですが、「レンガを積んでいたら、『何をしてるの?』と聞かれた場合、

 赤字社員=レンガを積んでいると答える

 白字社員=責任者に聞いてくれと答える

 黒字社員=教会を作っていると答える

と、全体像が見えている人が黒字を生んでくれます。

 誰もができる人になれる指針書です。しかし、そのためにもリーダーの力が黒字社員を生むと肝に銘じなければなりません。

 『できる社員の損益分岐点 あなたは、黒字社員?赤字社員?』(松尾喬著、実業之日本社、本体価格1,000円 )

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自律神経を整える「あきらめる」健康法

2014-02-17 16:15:06 | 

  自律神経研究の第一人者であり、『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』の著者の小林弘幸先生の本を初めて読みました。本書は自律神経のバランスを整えることが健康には最もよいこと、そして、そのための生き方について述べています。

 交感神経と副交感神経から成り立っている自律神経は、血液循環、呼吸、消化吸収、排泄、免疫、代謝、内分泌など恒常性を維持するためのシステムに大きくかかわっています。これらは無意識に行われますが、すべては交感神経の影響下にいます。自律神経のバランスの悪い人の血液は、充分な酸素を運ぶことができないという研究結果が出ており、本当の健康とは、

 「良質な血液が細胞の一つひとつに充分に届いている状態」

と定義されています。すなわち、交感神経が過剰に高くなると欠陥がキュッと収縮して、血流が悪くなったり、血液の質が悪くなります。また、副交感神経が過剰に優位になると、血管が開いて血流がよどみ、同じように血流が悪くなったり、血液の質が悪くなります。交感神経と副交感神経のどちらかが過剰に優位になっても、「免疫系」「血管系」の両方に悪影響を及ぼすわけです。

 そこで「あきらめる」ことを提唱されています。これは「諦める」ではなく、「明らめる」、つまり、「物事を明らかにする」ことです。そして、交感神経と習慣としての生き方を研究すると、

 微笑みをたたえ、マイナスな言葉を口にしない。

 「ありがとう」「楽しい」「ついている」「幸せ」と、明るく前向きな言葉を口にすると、副交感神経が上がる

 ゆっくりとした呼吸をする

 文字をゆっくりと丁寧に書く

 日記を書く

 ゆっくり動く

などを行うと、低下しがちな副交感神経の機能が向上し、自律神経のバランスが良くなります。より良い生き方として自己啓発書で提案されていることが、自律神経から見ても実証されました。

 

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心を動かす!「伝える」技術

2014-02-12 17:11:46 | 

  オリンピックの誘致に関して、日本中を感動に包んだ、Team Japanのプレゼンには多くの戦略があった!

  ジェスチャーや表現によって、思いを伝え、感動を呼び起こすことができるんですね。本書には、その技術のポイントと練習方法がまとめてあり、誰でも今すぐ実践可能です!

 井戸書店の「板宿子ども論語塾」で講師として、子どもたちの前に立っている私も、本書を参考にして、より楽しい「論語塾」を演出していきます!

 今回は井戸書店のスタッフの田中さんの出番でした。『心を動かす!「伝える」技術 五輪招致7人のプレゼンターから学ぶ』(荒井好一著、SBクリエイティブ、本体価格730円)  です。

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心を動かす!「伝える」技術

2014-02-12 17:11:46 | 

  オリンピックの誘致に関して、日本中を感動に包んだ、Team Japanのプレゼンには多くの戦略があった!

  ジェスチャーや表現によって、思いを伝え、感動を呼び起こすことができるんですね。本書には、その技術のポイントと練習方法がまとめてあり、誰でも今すぐ実践可能です!

 井戸書店の「板宿子ども論語塾」で講師として、子どもたちの前に立っている私も、本書を参考にして、より楽しい「論語塾」を演出していきます!

 今回は井戸書店のスタッフの田中さんの出番でした。『心を動かす!「伝える」技術 五輪招致7人のプレゼンターから学ぶ』(荒井好一著、SBクリエイティブ、本体価格730円)  です。

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君たちは偉大だ

2014-02-08 16:31:04 | 

  『君たちは偉大だ すばらしい自己に目覚める』(百瀬昭次著、偕成社、本体価格1,200円) は1988年に出版された、中高生向けの自己啓発本です。25年を経ても、まだ古くなっていない内容に驚きを感じます。

  書名の通り、「わたしたち人間は、(中略)人類史上稀に観る奇跡中の奇跡的存在である」ことを認識することからスタートしています。先祖から命をバトンタッチしている確率からすれば、自分自身は「希少価値ある尊厳な生命体である」という自覚を持て!とエールを送っています。

 次には、「潜在意識」のことに言及しています。「個人が体験してきたすべてのものを吸収して、それを将来の使用にそなえて記憶している」潜在意識に対して、私たちは無意識にアクセスし、行動しています。例えば、何かに挑戦しようとする時に、「だって、できない」と頭から否定しているのは、潜在意識に蓄積した考えからです。潜在意識をマイナスにしている場合は成功にはつながりません。ポジティブに変換していく人だけが生き残れるのです。そこで提案しているのが、

 『自分は毎日、あらゆる点でよくなっていく」という言葉を、毎日20回以上唱える

ことです。これだけでも積極的になれるはずです。

 他にも多くの知恵が詰まっている本です。これを中高生向けだけにするのはもったいない!

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泣きながら、呼んだ人

2014-02-05 17:42:03 | 

  加藤元さんの 『嫁の遺言』を取り上げましたが、さらに読んだのが『泣きながら、呼んだ人』です。

  若い女性4名の主人公の母との出来事をロンド形式で続いていきます。母の存在は、人生の中では徹底的に影響力を持ちます。生んでもらった人であり、育ててくれ、節目節目で助言し、進むべき道の後押しをしてくれます。母の生き様は自身に投影され、逃げたくとも執拗に追いかけてきます。

  「ママはどこにも行かない。いつだって傍にいてあげるわ」

 母なくして私なしですね。この本は特に女性にはたまらない1冊になるはずです。

 『泣きながら、呼んだ人』(加藤元著、小学館、本体価格1500円) 

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