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14歳の水平線

2020-07-27 16:03:57 | 

 児童文学作家の征人は離婚後、14歳(中学2年生)の息子の加奈太を育てるも、反抗期でもあり、二人の生活はなかなか軌道に乗りません。夏休みに故郷の神の島・天徳(てんとく)島へ連れていくことになりました。島では征人は自分の14歳だった頃を思い出し、加奈太は島での中学2年生男子限定のサマーキャンプに参加します。

 征人も加奈太も、時代は変わっても青春の夏の1ページは大きく変わりません。14歳に、征人は漁師だった父が海で遭難したのか帰宅しなかったことで、どうしても父を生き返らせるように、島のドゥヤーギーという妖怪の力を借りようとした夜を振り返り、加奈太はサマーキャンプ参加者との関係がぎくしゃくして思うようにいかなかった。

 「自分のことしか考えなくて、世界におれだけみたいな感覚があって…。だけどそういうのって違うんだ。」

 サマーキャンプで加奈太が発見した事実は父・征人の出来事とも重なるようであり、青春のしょっぱさを感じます。だれにも悩み、苦しみ、そして、発散する一時期があります。そんな時にどんなことでも受け入れてあげる大人の存在の必要性を感じました。

『14歳の水平線』(椰月美智子著、双葉文庫、本体価格667円)

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