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1cm(センチメートル)は僅かの長さに感じますが、競争の世界ではその僅差が順位を決する大差となります。逆に言えば、この僅差にフォーカスすれば、この本の副題である、
「たった1cmの差があなたの世界をがらりと変える」
に変わります。つまりは僅差を大切にする心を持つこと、僅差を大差にするOS(オペレーションシステム)をインストールすることを強調している本書は、胸を差す言葉と楽しい絵で構成されて、どこを読んでも、どこから読んでも飽きません。
私が唸ったページが60ページの「ひとりぼっち」。孤独の居た堪れなさを切々と書いていますが、61ページの点線を谷折りすれば、62ページの「じゃない」に結びつき、60ページと62ページが融合して、「ひとりじゃない」に大変身。1ページを挟むだけで、「ひとりぼっちじゃない」気分にしてくれます。
また、175ページの「明日の降福確率」。奇跡は幸福ではありません。今あることが幸福であると思う心こそが「僅差を大切にする」心ですね。
最後にもう一つ。44ページの「Video Kills the Radio Star,Smartphone Kills Smart People」。スマートフォンの登場は世界を変えましたが、それで幸せになったのか?スマートフォン依存症は全世界に拡大しています。
「信じられないかもしれないけれど、わずか数年前わたしたちは〔 〕がなくたってとても幸せだったのです。」
リアルの方が大切と言われなくても理解できるけれども、すぐそばにある存在に引かれて(魅かれて)しまう人間の弱さこそが僅差かもしれません。
『+1cm』(キムウンジュ/文 ヤンヒョンジョン/イラスト、文響社、本体価格1,430円)
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