あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

たった ひとつの ドングリが -すべての いのちを つなぐー

2019-03-15 16:29:24 | 

  板宿で里山活動をし始めて13年余り。この3月10日に第12回の記念植樹をして、延べ1200本以上の植樹をしてきました。元々は常緑樹とニセアカシアの真っ暗な森でしたが、クヌギ、アベマキ、コナラを中心に落葉樹を植えて、元通りの山へ戻りつつあります。秋にはどんぐり拾いをして、苗木を育てて、山に返しています。

 この本では、コナラの仲間のホワイトオークが主人公です。森の生態系の出発点はドングリ。ドングリは実として動物に食べられたり、昆虫は卵を産み付けます。発芽したドングリはホワイトオークの立派な木に成長すれば、鳥たちには住処を与え、人間にも憩いの場になります。樹液は昆虫たちのドリンクになります。

 「たった ひとつの ドングリから うまれる、ゆたかなもり。」

 私たち、人間もその生態系の一員です。

『たった ひとつの ドングリが -すべての いのちを つなぐー』(ローラ・M・シェーファー&アダム・シェーファー/ぶん、フラン・プレストン=ガノン/え、せなあいこ/訳、評論社、本体価格1,400円)

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すぐに真似できる 天才たちの習慣100

2019-03-12 16:34:20 | 

 前回は、天才の育て方でしたが、今回は天才の習慣を探っていきましょう!100人の天才の様々な習慣を観察してますが、共通点があります。それは

「シンプル」

であること。スティーブ・ジョブズは、三宅一生のデザインの黒のタートルネックとリーバイスのジーンズ、ニューバランスのスニーカーというスタイルが定番。マーク・ザッカ―バーグはグレーのTシャツを着、アインシュタインは古ぼけた革製のジャンパーかジャケットが日常服。何を着るか、衣服を決めるのにあれこれと考える暇があれば、自分の事業や研究に没頭する時間にする。無駄を省く姿勢が分りやすい。

 また、成功者は

「細部へのこだわり」

が強い。大枠だけを考えて、あとは任せるのではなく、任せた上でも最終評価には自分の思いを細部へも徹底的に追及する。イーロン・マスクしかり、スティーブ・ジョブズも同様です。イチローも「結局は細かいことを積み重ねることでしか頂上には行けない。」と言っています。

 そして、

「新しいことへの挑戦」

を忘れていません。デヴィッド・ボウイ、ポール・マッカートニーは新しいトレンドや音楽シーンに注目し、取り入れていき、マイルス・デイヴィスは新しいことを吸収するために、若いミュージッシャンと演奏することを心掛けたそうです。変化することを恐れず、現状のままだと成長しないのでしょう。

 最後に、面白い習慣と思ったのは、宇宙工学者の糸川英夫先生の、

「1日のうちの2%を10年、20年先のために使う」

というもの。彼は2%の時間をライフワークである、ヴァイオリン製作や執筆に向けていました。私で言えば、落語でしょうか。

 前回の育て方にも因りますが、各人の習慣はルーチンの如く、その人を形作ることでしょう。

『すぐに真似できる 天才たちの習慣100』(教養総研著、KADOKAWA、本体価格1,500円)

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あの天才たちは、こう育てられていた!

2019-03-07 15:11:01 | 

 天才と言えども、人間です。幼少の頃から天才ぶりを発揮している訳でもなく、普通の子どもです。本書に登場する36人の天才も各人が問題を抱えて成長しています。その子の独自の才能を開花させるには、やはり、環境が重要です。とりわけ、親、祖父母、親戚、そして先生がその子にどのように対するのかが分かれ目となります。

 例えば、人類初の動力飛行に成功したライト兄弟。彼らの母親の父、つまり祖父はドイツ系で、車作りを職業にしていました。母親スーザンは息子たちを祖父のもとに連れていき、仕事で使用する旋盤などの機械を見せていました。彼らがおもちゃを壊した時に、母は、「どうすれば直るか、考えなさい。工夫すれば、あなたたち自身でできるはず。」と促しています。普通の親なら、「アホやなぁ~壊して。もう捨てなあかんで~」と言われると思われます。ものづくりへの道に誘導するその一言が人生を左右しています。

 この本には36通りの育み方が書かれています。自分のお子さんのタイプと一番近い天才の育ち方を学び、天才への道を歩ませましょう!

『あの天才たちは、こう育てられていた! 才能の芽を大きく開花させる最高の子育て』(諸富祥彦著、KADOKAWA、本体価格1,500円)

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神道が世界を救う

2019-03-03 13:05:12 | 

 『英国人記者が見た 世界に比類なき日本文化』(ヘンリー  ・S・ストークス、加瀬英明共著、祥伝社新書、本体価格800円)で、ヘンリー・S・ストークス氏から教えてもらった、日本は、「和の国」「自制の文化」「美の感性の国」であるということ。これには、日本だけにある神道が寄与しているとも書いてありました。そこで紹介されていたのが、サンマリノ共和国の駐日大使であり、在日外交団長を務めている、マンリオ・カデロさんの日本の深い理解のこと。これは、一度、マンリオ・カデロさんのことを知ろうと、本書を読みました。

 神道と、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が比較されています。

            【神道】                 【ユダヤ教、キリスト教、イスラム教】

教祖         いない                     いる
教義・戒律     ない 心の信仰                ある 契約の宗教
神           平等                      序列
最高神        女性                      男性
天国・地獄        なし                       あり
自然            人間は自然の一部             人間が自然を支配
布教         しない                     する

 このように考察すると、神道が穏やかで、和を重んじ、争わない、美を尊ぶ考えである事が判ります。また、現在、世界で問題になっている、宗教戦争、環境問題、人種差別などの課題解決の切り札に、神道の思想が有効になってきます。しかし、神道も宗教ではないかと問われますが、それに対して、マンリオ・カデロさんは次のように訴えています。

 「神道は、宗教というよりも、人々の日常を律している〝ライフスタイル〟-生活態度か、〝フィロソフィー〟-人生哲学だといったほうがよいでしょう。」

神道で大切にしているのは、「清い」ことですから、宗教ではないかもしれません。しかし、このように考えると、日本人で良かったと深く思います。

『神道が世界を救う』(マンリオ・カデロ/加瀬英明著、勉誠出版、本体価格900円)

 

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世界史とつなげて学べ 超日本史

2019-03-02 07:39:05 | 

 新聞を読んでも、世界の動静は自国だけでなく、自国の置かれた環境に左右されているのは納得できます。自国の歴史もおいても、当時の政権担当者の決断は同様の判断をしているはずです。しかしながら、学生時代の学んだ歴史は、受験用の学びであり、大人になってからの教養としての位置付けはありませんでした。本書を読んで、まさに知りたいことが書かれていました。

 例えば、戦国時代。大名たちがスペインやポルトガルからやって来たキリスト教の宣教師に布教を許した理由は、火縄銃、鉄砲の火薬の原料の硝石を輸入したかったから。逆に、宣教師たちの思惑は、キリスト教を布教することによって、日本を自国の植民地にすることであり、日本人を海外への売りさばく奴隷にすることでした。このことを知るだけでも、豊臣秀吉の伴天連追放令、徳川政権の鎖国の手腕は素晴らしいものでしょう。また、秀吉が朝鮮出兵したことは、彼の主君であった織田信長に宣教師が中国へ攻め込むことを提案していたらしい。中国を植民地にするために、日本の軍備を活用するという戦略だったことを、宣教師たちが自国への報告に書いていました。

 それでは、このようなことを我々は知らないのか?戦後の歴史教育での、キリシタン研究を担ったのが、「ラテン語の文献を読めるカトリック系の大学の研究者」であり、「彼ら自身の多くがクリスチャンであり、(中略)宣教師たちの苦難と殉教を称賛し、これを弾圧した秀吉や江戸幕府の圧政を糾弾する、という価値観に従って歴史を記述してきた」からでした。私自身も、そう学んできたし、記憶に留めています。歴史は片寄った価値観から学ぶと恐ろしいことになり、事実を事実のまま提示し、判断できる自分を育てないといけません。そのきっかけに、本書はなるでしょう。

『世界史とつなげて学べ 超日本史  日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史』(茂木誠著、KADOKAWA、本体価格1,600円)

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