リアル書店はずっと苦境の波の中に泳いでいます。色々な手段を講じても答えが出ない。デジタル、インターネット通販、コンビニなどに攻められるばかり。書店経営者やリーダークラスに対して、変革のヒントを本書では提示してくれています。
まずは、数字に詳しくなれ!決算書の見方は最低理解せよ!
次に、人の本質を学べ!当店の人間学にあたります。
そして、ビジネスの基礎、マーケッティングを応用せよ!
買う人も売る人も人間であればこそ、現代の人はいかに考え、行動するかをしっかりと知ることが先である。私自身も店のスタッフに口酸っぱく言っているのが、
「目の前の人が抱く期待や予想を超えたことを行い、喜んでもらえ!」
「モノではなく、ヒトにフォーカスせよ!」
です。モノに引っ張られることなく、お客様であるヒトに視点を移せば答えは自ずと見えてきます。ベストセラーや注目の商品も必要ですが、自店に来られるお客様が誰であるかを見定めて、モノを揃えることが重要です。
「今の街の本屋に求められているのは、『売り方・売り先・売るもの』を抜本的に変えてゆくイノベーション」
であるのは間違いなく、これはどんな企業も同じ。一歩先、いや半歩先の変革を考え続けていくべきですね。
本書に対して2点指摘して終えます。掲載されていた「社会人の基礎知識」は取り外しの出来るとじ込み付録にしたら、どのページを読んでいても参考に出来たかなぁと思います。もう1つは蛇足ですが、インターネット通販大手「インジス」というのは、本国にある「ミシシッピー」という名にしたら良かったのに・・・。
『崖っぷち社員たちの逆襲 お金と客を引き寄せる革命──「セレンディップ思考」』(小島俊一 著、WAVE出版、本体価格1,500円)