世評とは違う部分で息をのんだ。沢庵和尚を演ずる三國連太郎の“変わらなさ”だ。
彼は気弱さとずるさを併せ持ち、しかし強靭な体躯に包まれているために意外な味が出ていることに気づかされる。だから同じ内田吐夢の「飢餓海峡」の犬飼はうってつけの役だったし、かよわい女性(お通さん)をつかって猛獣である武蔵を生け捕りにする(よく考えてみれば)あくどい坊主もまた、三國がやるからこそいい感じ。
入江若葉とふたりでたき火を囲むシーンは、彼が述懐するように「いつかレイプしてしまうんじゃないか」という危険性をも確かに感じさせます(笑)。
内田演出は、「飢餓海峡」で見せた左幸子の爪の自慰(意味わかんないですね)に匹敵するセクシーな場面を用意しています。それは又八(木村功)の足の傷を、口に含んだ焼酎で消毒するシーン。
これを木暮実千代(この人もかなり大きい)にやらせて彼女の背中越しに撮れば、どう見えるかはご想像のとおり。いやーエロいわあ。
あ、錦之助の運動神経については、第二作「般若坂の決斗」で。
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