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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

隠れ教育費 解答篇その4 制服

2019-11-25 | 受験・学校

夜空ノムコウ SMAP (女性が歌う夜空ノムコウ) COVER by Uru

解答篇その3「学級費」はこちら

「隠れ教育費」の序文は、アルマーニの話から始まっている。銀座の公立小学校の校長が、8万円のアルマーニ監修の制服を導入しようとして問題になったあの件です。

私立と公立が併存する都会において、特に銀座という土地柄を考えて高級ブランドを採用すれば……校長の発想は、道筋としてはわからなくはない。でも、保護者や児童の立場になって考えるということを校長は忘れていたかも。8万円を払えない家庭に対して、その小学校は門戸を閉ざしているわけだ。

学校の制服がどのように始まり、どのように浸透したかの経緯は福嶋先生がていねいに解説してくれている。詰め襟、金ボタンの男子の学生服は陸軍の制服がモデル。女子のセーラー服はイギリスの水兵のスタイルがモチーフになっている。それが明治期の洋装への世間の変化にのって全国の学校に広がっていったと。

一律に、一斉にすることが日本人は大好きだから制服の存在はしごく当然のこととして扱われてきた。しかしアルマーニの例は極端にしても、はたして制服は学校に必要なものなのかという議論は当然あってしかるべきだ。

自分の考えを先に言っておくと、わたしは制服なるものが大嫌いだ。よくもまあこれだけ長いこと制服が生き残っているものだと思う。もちろん、制服存続を願う人の

・私服よりも総合的に見れば安価

・自由にすれば子どもは奇矯なファッションに走る

・服装の乱れは心の乱れ。制服によって学校の規律は保たれる

という意見にも、傾聴すべき点はあるように思える。しかし本当にそうだろうか。同じ服装でなければ保てない規律がはたして必要なのか。

しかも、この書で指摘されているとおり、学校の教職員が制服について考える機会はとても少ない。それに、長年のつきあいである指定店の意向を(人事異動がひんぱんだからこそ)ひっくり返すのは容易ではない。

かくて前年度踏襲がつづき、保護者から見直しの要望が出ると学校側は驚くことになる。そういえば……以下次号

本日の1曲は「夜空ノムコウ」
作詞のスガシカオ、作曲の川村結花、オリジナルのSMAP、それぞれに味があるけれども、Uruはそれに参戦した。そうかキムタクのソロアルバムに登場する“謎のシンガー”って彼女のことなんだね!

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「DEAD OR ALIVE 犯罪者」(1999 大映)

2019-11-25 | 邦画

長いことメルマガやブログをやってきて、自分をほめてやりたいのは、とにかくどんなネタも最後まで書く、これだけは守ってきたつもり。

でも、一回だけ途中で挫折し、ボツにしたネタがありました。それがこの「DEAD OR ALIVE 犯罪者」です。どんなやり方でこの映画の興奮を伝えればいいか、さっぱりわからなかったので。

ストーリーをざっくりと紹介すると、暴走刑事の城島(哀川翔)と中国残留孤児三世の龍(竹内力)がいろいろあって最後に激突する、と。ほんとにざっくりした紹介(笑)だけど、この映画はとにかく男ふたりの怒りがラストで燃え上がることだけを理解できればそれでいいんです。そしてその結果、あのわけのわからないラストに打ちのめされればそれでけっこうでしょう。

監督の三池崇史は、「新宿黒社会」「極道黒社会」「日本黒社会」でわたしを熱狂させてくれていたけれど、この作品が決定打。オープニングの襲撃シーンだけで、ああ映画監督をやるために生まれてきたような人なんだな、と思わせてくれます。みごとなリズム、エッジの効いた編集。画面に映りこむ落書きまで、徹底して客を喜ばせようという意欲に満ちあふれている。

ただし客を選ぶ映画だとは思います。若い女性が糞尿にまみれて死んでいったり、ラーメンをたらふく食べた人間を射殺したせいで腹から麺が飛び散ったりするシーンを笑って受け止める度量(とは言わないか)がないとなかなか。

主役のふたりが素晴らしいのは当然にしても、脇を固める、というか右往左往する役者たちがみんなすばらしい。

ちんこが小さい石橋蓮司、不倫に走る杉田かおる、子煩悩な寺島進、切れまくる小沢仁志やべきょうすけ大杉漣平泉成……本田博太郎に至っては手に小麦粉とパン粉をつけて油で揚げるという狂いっぷり。

そして、こんな狂気が横溢しているからこそ、あの伝説のラストが納得できるのだ。

よかった、今回は最後まで書き上げることができた。体調のいいときに、ぜひぜひ。

コメント (2)
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