事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

払いたくない ~ 1件目

2008-03-12 | 学校事務職員

Usmarshal01 給食費「払いたくない」
身勝手な親、滞納が急増  仙台

仙台市の小中学校で給食費の滞納が急増している。2002年度は滞納が過去最高の1568世帯、約3501万円に上った。生活困窮も少なくないが、半数以上は「払いたくない」などの身勝手な理由。滞納のしわ寄せで給食の質を落とさざるを得ない学校もあり、親の間で不公平感が強まりそうだ。

<高級車に乗って>
 太白区のある小学校では近年、11月ごろから給食のデザートが1品少なくなったり安い食材が使われたりと、献立に変化が生じている。独自に給食を作っている「自校方式」の小中学校で見られる光景になった。
 理由は給食費滞納分の帳尻合わせ。教頭は「給食費は独立採算なので、滞納で予算が足りなくなると年度末に給食の質を落として調整するしかない」と打ち明ける。
 若林区の中学校では「親が高級車に乗っているのに給食費を払ってくれない」と事務長が明かす。生徒数が約300人の学校で、昨年度の滞納は25世帯、約88万円に上った。
 昨年7月、生徒に気付かれないよう滞納家庭に電話した上、催告書を郵送して支払いを促したが、それでも滞納分を支払ってきたのはわずか2世帯。最終手段として家庭訪問も行っているが、「
義務教育だから払う必要はない」と抗弁する親もいるという。

<理由なく過半数>
 仙台市の小中学校では給食費の滞納が増加傾向を強めており、2000年度に初めて3000万円を超えた。その後も増加に歯止めがかからず、問題が深刻化している。

 市教委が理由を調べると「生活困窮」と判断された家庭は42.0%にとどまり、「転校生の未払い」1.4%、「その他」56.6%。「その他」は「理由もなく払いたくないと答える家庭」(健康教育課)という。
「給食費支払いの民事の時効が2年と知った上で納付を延ばす親もいる」と証言する学校関係者もいる。
                                          (河北新報)

共同実施、市町村合併、公務員制度改革など、学校および学校事務職員をめぐる情勢はゆれ動いている。でも、日々の事務のなかでいちばん頭を痛めているのが未納問題である人も多いのではないだろうか。

この、払いたくないという強固な“意志”が、はたしてどこから生まれたものかは判然としない。でも確実なのは

1.十数年におよぶ不況が背景にあり
2.払わなくてもいい、という「風潮」が生じたために加速度的に未納は広まった

ということだろう。どうやら酒田にはこの波はまだやって来ていないようなので……いや、わからんな。去年某校で給食から一品抜いたとかいう話は聞こえているし。

 それにしても給食費の民事の時効がわずか2年とは。こんな事実が一般に流布された日には、ばっくれる世帯はもっともっと増えるだろう。

家計の支払いの優先順位において、このまま学校徴収金の地位が下がっていけば、
「会議室や校長室でのはてしない面談」だの
夜の家庭訪問」だの
「束になりそうな督促状」といった消耗する作業は続くことになる。

市町村合併もからみ、酒田市は05年度から、未実施だった中学校でも学校給食を開始する予定。未納問題は露骨にこいつに影響するという危機感からか、市教委が各校に状況調査に入っている。何しろ集金額が一気に高騰するので、未納一件あたりのダメージが大きいからか。それにおそらく民間に給食は委託する腹だろうし、給食費の徴収率の低下は無視できないはずだ。前頁のような記事が出てきた以上、仙台市も徹底した調査を行ったのだろうか。

 市教委にかぎらず、何らかの第三者機関的な存在が(名前だけでも)あれば、学校にとってありがたいことは確かだ。甘いことを言っているようだが、なにしろ学校の職員は(子どもに面が割れているので)なかなか督促しづらい状況にあるからで……続きます

※これ、04年7月のネタ。まさかこの“某校”に自分が転勤するとは思わなかったときにまとめたもの。実際に行ってみたらこれがしかし……。そして自分がクミアイの役員に復帰して、取り組むべきでかい課題になるとは思っていなかったころ。思えば平和な日々。ふう。

※千葉県の高校の事例は「授業料取り立てマニュアル」で。

画像は、今はもう誰も語らないけれど傑作だった「追跡者」。
すっかり宇宙人役が定着したトミー・リー・ジョーンズが、しかしいい味を見せていた。

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