事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

払いたくない ~ 4件目

2008-03-14 | 学校事務職員

3件目はこちら。Shinndemoii

Mail02a 集金の滞納急増の背景には、口座振替が増えたことがあるのでは?

……まったく、そのとおりだと思う。「子どもが現金を扱うことがない」これが口座振替の最大のメリットなわけだが(少なくともそう言って保護者を説得してきたでしょう?)、振替が滞納につながる事情とは、こんな具合だ。現金集金の場合……

1.集金日前日、担任が集金袋を児童生徒に配布するその時点で、子どもは袋の領収印から何月分まで自分のウチが納入しているか知ってしまう。

2.あるいは、袋を配布されないことで先月分を納入していないことを知る。

3.同様に、翌朝みんなが集金受付に袋を持っていくのを、滞納する家庭の子は、さみしい思いで見ることになる。

4.そして、以上のことが“不憫だから”と、親は多少の無理をしても現金を学校へ持たせてやる。

……こんな感じ。そしてこれらの葛藤は口座振替の場合ほとんどない。わけのわからない封筒(気づいているだろうけれど、督促状だと)を子どもに渡す、あるいは郵送するだけだ。

 問題は、事務職員として保護者の「子どもを不憫だと思う心」を利用しようという気持ちがどこかにありはしないかということだ。いや、それを糾弾するわけでも「子どもだって自分のウチの経済状態を知るべきだ」と開き直るわけでもない。ただ、意識できているのか、これだろう今回のキーポイントは。

 なぜなら、そうでもないと「子どもの集金ぐらいちゃんと払え」というこちらの事情と
「子どもの集金ぐらい払わなくてもたいしたことない」という滞納世帯の心のすれ違いは広がるばかりだろうから……。

あー具体的な解決方法はやっぱり思いつかなかった。まだまだこの悶々とした気持ちのままで、年度末を迎えることになるのかなあ……

……以降は、事務職員部報版でお送りします。

画像は、大竹しのぶ入魂の演技が怖い「死んでもいい」('92 監督石井隆)。生活困窮世帯に育った彼女は、集金日が大嫌いだったという。

コメント
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