事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

市町村合併の行方 第4回

2007-11-25 | 社会・経済

Aboutaboy 2003年12月4日号の裏情宣では、市町村合併でよくもめるネタである新市名を特集。

庄内北部地域合併協議会はWeb上でも新市名を募集している。各市町の思惑がぶつかり合う状況下、新市名については公募するということで問題は先送りされたわけだ。

いきなりミもフタもない言い方になるが、新市名について現酒田市は当然「酒田市」でいきたいと考えているらしく、市民や労働組合への説明でもそうなっている。根拠は

・酒田市の歴史を大切にすべき
・知名度、新市のイメージ等を考慮すべき
・市民の意向を反映した名称とすべき
・地域座談会における意見としては、「酒田市」を望む声が多い

……強引(笑)。実はわたしは新市名など、たいした問題ではないと考えている。全体にかかるコストや、酒田市民として暮らしてきた長い年月を考えれば、確かに「酒田市」は便利だし愛着もあるけれど、ごり押しして他の町の意向を無視するまでもないだろう。こっちが変な名前をつけといて、庄内南部が「鶴岡市」だったら目も当てられないが。

しかしこの名称問題は市町村合併について住民が本気になって考えるいいきっかけになるのではないかという気もする(ま、エゴむき出しの醜い争いになるのでしょうが)。ここはいっちょうわたしも本腰を入れて考えてみようと仲間内にメールで新市名を募集したら、きたきた変なのがいっぱい。次号でご紹介します。  

Aboutaboy2 画像は「アバウト・ア・ボーイ」About A Boy(’02 英=米=仏)
 シングルマザーをひっかけるために(後腐れがないから、というだけの理由)シングルファーザーのふりをする独身プータロー。最低の人間の話なのになぜか憎めないのは、この男をヒュー・グラントが演じているから。ひと頃の、なんちゅーいい男なんだこいつはっ!という美形さは薄れたけれど、男のわたしから見ても、こりゃもてるのも無理はない、と素直に納得できる。父親が昔クリスマスソングで大ヒットをとばし、その印税のおかげで遊んで暮らせているという設定も笑える。この無責任男が、フラワーチルドレンの生き残りのような母親(シックス・センスの、あのお母さん→トニ・コレット)とのいびつな関係のために虐められている少年と心を通わせるうちに……ひとりの少年について、という原題だけど、実はグラントも含めた二人の大人ではない男たちについてのお話だった。佳作。

ヒュー・グラントがわたしと同い年という事実は、いろいろと考えこませる(笑)☆☆☆★★★

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市町村合併の行方 第3回

2007-11-25 | 社会・経済

Wtbys1 2003年11月6日付の裏情宣ネタ。

現在、情報プラザにおかれた合併準備室ではボー大な事務のすりあわせが行われているわけだけれど、一見学校には無縁に見える市町村合併は、しかし数多くの影響を市町村立小中学校に与えることが確実視されている。

合併方式が新設となったことで、どんな枠組みであっても、どんな名称になろうとも、新設である以上すべての学校にとって設置者が合併の時点から変更になることはここで確定。 

 その理念、方針については、いままでにそれぞれの市・町が築きあげてきたものの継承を各教育長が望んでいることからも知れるように、ドラスティックな方向変換は“すぐには”行われないだろう。しかし……

 他にも、問題は山積。

必ずしも一致していない条例規則(新設合併なので、全ての例規が新たにつくられることになる。事務事業のすりあわせと平行してこの作業も行われている)

学校給食(現酒田市立の中学校への給食導入を酒田市長は公約)
・教育研究所、研究会の統合
・財務システム、備品管理方式の選択(電算システムの選択と統合が、混乱のない合併をするための鍵の一つとなっている。数ヶ月の時間と億単位の費用が予想される。)
・各市町でレベルの違う各方面の条件を、どのレベルに収束させるか

……ちょっと考えただけでこれだけ思いつく。現実の作業がかなりハードなものであることが容易に想像できるというものだ。    (PARTⅣにつづく)

画像は「ウォーターボーイズ」(‘01 東宝)
 シネコンへの対抗策として、宮崎合名社グループは方向性を模索している。その中のひとつが「高校生をねらえ!」だろう。車という移動手段を持たず、ベネトンやユニクロで買い物をする金も義理もない彼らなら、まだまだ近所の映画館に駆けつけてくれるというわけだ。で、「ウォーターボーイズ」学生一律千円。例によって学校から車で7分の映画館では、私の他の客はみな高校生。結構なことである。変なおじさんがいると思われたかも。

Manabekaori  映画は、高校生役の連中の演技があまりにオーバーアクションで、日テレの青春ドラマかこら、と思うレベルだったんだが、主役の妻夫木聡(「池袋ウエストゲートパーク」からまた新星出現)が、シンクロ用の鼻の洗濯バサミを投げ捨てられるあたりから、そうか、これはスポ根モノじゃないんだ、と気づき、お伽ばなしとして気楽に眺めることが出来た。

 噂どおり、ラストのシンクロのシーンは、肌が粟立つほど感動したし、いろんな意味で“現役”な高校生たちには最高の映画だったろう。

 中年男にとっては、お気に入り眞鍋かをりと平山綾が最高☆☆☆★★

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市町村合併の行方 第2回

2007-11-25 | 社会・経済

Ffm 市町村合併の行方の続報を裏情宣でやるのは思ったよりもあとになった。なぜかというと……
それでは情宣さかた2003年10月28日号を。

……もうお忘れだろうがPARTⅠをお届けしてから1年以上たつ。「あれの続きはどうなったんだ」と言われたりもしたし、「市町村職員との連携を~」と定期総会で提起している以上、この問題は避けては通れないはずなのに、なんでPARTⅡがこんなに遅れたか。

 展開が速すぎたのである。合併の枠組みや方式にしても、日々情報は錯綜し、情宣でとりあげるにはあまりにも“ナマ”すぎた。

 しかしほぼ1年後の合併に向けて状況はかたまりつつある(破談や離脱の可能性は常につきまとっているが)。1年前には噂にすぎなかった「余目町」と「立川町」の、いわゆる第三極の合併も庄内北部にくらべれば(笑)順調に推移しているらしい。

Ff10  さてその庄内北部。合併範囲は
遊佐町
八幡町
酒田市
平田町
松山町
の1市4町。合併方式には“編入”と“新設”があるが、紆余曲折はあったものの、これは新設に落ち着いている。問題は、ここからだ。

……2007年現在ならいえる。まさしく、問題はここからだったのだ。以下次号。

画像は「ファイナル・ファンタジー」(‘01 スクウェア)
 この映画こそ「A.I.」のように日米同時公開すべきだったのだ。アメリカでの大コケが伝わりすぎて日本の興行も冴えないさえない。FFフリークの私ですら気合いが入らず最終日にやっと観たぐらいだし(年休1時間)。

Ff3  しかしスクウェアのこのチャレンジは無駄ではなかったろう。CG表現は確実にこの映画のおかげで進歩したはず。私は見終わってつくづく思った。もうCGに出来ないことはなんもない、と。ただ、あまりにも脚本が独りよがり過ぎたわけだ。よくあんなんでハリウッドがゴーサイン出したよなあ。あ、そうか、ヒットしていれば壮大な“作家の映画”が出来上がったのかもしれなかったんだ……ってまさか坂口博信はキューブリックめざしたんじゃあるまいな。100年早いってば。

 大赤字をすべてかぶったスクウェアは、ソニーに救済されてなんとか延命。映画事業からは完全撤退とか。もったいないけど、まあ無理ないか。

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市町村合併の行方 第1回

2007-11-25 | 社会・経済

Apes 久しぶりクミアイ裏情宣特集。今回は市町村合併を。
まだこの当時は酒田市を中心とした合併の形態は不確定だった。
遊佐町が離脱するなど考えもしていなかったころ……
2002年6月4日発行分です。

「え?ウチの学校が酒田市立だか庄内市立○○小学校になったら?」
ある町立小学校に勤務する事務職員にきいてみる。
「大変じゃない!?」
「だろ?なにしろ設置者が変わるんだから。」
公印あたらしくしなくちゃねー。」
「……。」

 2005年3月31日までに合併すれば、という期限付で合併特例債の発行が認められるという“アメ”政策と、規模が小さい町ほど財政のなかに占める割合の大きい地方交付税の段階補正を見直していく(つまり、減らしていく)“ムチ”政策によって、全国各地で市町村合併の動きが同時多発的におこっています。

 この飽海地区も例外ではありません。そのワク組みすらいまだに明らかになっていませんが、まもなく町長選をひかえた余目町は、その件について現町長が今月中に何らかの意思表示をする(であろう)と言われており、立川町はそれに追随する(のではないか)と噂されるなど、風雲急を告げています。

 山形県教職員組合はその賛成派、反対派のいずれにも加担する立場にはないし、ただ同じ公務員としてこの問題を自治労関係者とともに学習する必要はあるだろう、ぐらいの気持ちで平和センターが共催する「地方自治を考える集会~市町村合併について」という学習会に参加してきました。

 いきなり結論。市町村合併は学校にも激しく影響する。このことを突きつけられた集会でした。そこでこの問題について、何回かシリーズで、裏版で特集します。

Ape2  この学習会は、山形県地方自治研究センターの情勢報告と、山形大学人文学部の木村武司教授の「市町村合併とはなにか」という講演がメイン。

 まずは歴史を。
市町村の「大合併」は今までに二度ありました。最初は……

1.明治の大合併
1890(明治23)年前後に行われたこの「大合併」では、それまでの自然村を合併することで、自治体数はおよそ七分の一になっています。それではどうしてこの合併が行われたのでしょう。総務省の小冊子によれば、明治期に小学校が義務教育化されたことがその背景にある、となっています。これは、明治12年の教育令によって公立の小学校を全国に整備し、義務教育として実施されることになったものの、その設置・運営の責任をもたされた町村にとって、教育費の負担はかなりきつかったのです。教育費とは、そのほとんどが教員の人件費。教育の機会均等をめざした義務教育費国庫負担制度などなかったわけなので、小さい自然村単独では学校経営ができなかったというわけです。つまり、市町村合併はそのスタートから「学校」のために行われたということは認識しておく必要があります。

2.昭和の大合併
1955(昭和30)年前後に行われたこの大合併には様々な背景があります。
GHQの指示によって、軍国主義遂行の末端組織だった町内会・隣組制度が解体され、地域共同体機能が低下したため、それまで農村集落が担ってきた機能が役場事務に移行したこと。

②戦後の引き揚げ者が農村に還流し、その受け入れや配給事務などが激増したこと。

③農地改革により、それまで地主が処理していた事務が役場の事務となり、職員の増員が急務となった。加えて、地主が名誉職的に町村長をつとめる時代ではなくなったこと。

 そして市町村の行財政に大きな影響をもたらしたのがまたしても学校。1947年3月、教育基本法と学校教育法が公布され、六・三制が実施されて小学校に続いて中学校の設置が市町村の事務となり、多様化した行政指導や国庫補助金に対応するために……

Heston ……久しぶりに大学教授の講演などを聴いたので頭が痛くなる。自分が授業中ほとんど別のことを考えていた劣等生だったことまで思い出してしまった。今回はほんのサワリの部分。次回からは本格的に“平成の大合併”にふれますが、賛成派、反対派のいずれもが掲げる【市町村合併は住民自らが決めるもの】であることを頭に入れて、情報に耳をそばだててみて下さい。学校がその動きに無縁ではありえないことを、常に意識しながら。

→結果的に酒田市+平田町+松山町+八幡町が合併。余目町と立川町が合併して庄内町となった。鶴岡市では三川町がそりゃもう色々とあって離脱。その“色々”関係は後日。

画像は「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(‘01 米)
 今回はネタバレなしでいきましょう……つってもあのラストはなあ。旧作よりも猿のメイクアップ、さして進歩してるとも思えないし。映画自体はそりゃあティム・バートンだから面白いけれど。カットされたというマーク・ウォルバーグ(人間)とヘレナ・ボナム=カーター(猿)のセックスシーンは観てみたかったな。
 で、カンフー映画以上にワイヤーアクション使いまくり。悪~い将軍(猿)セード役ティム・ロスが跳ぶ跳ぶ!
 そのティム・ロスのインタビューが笑えた。「要するに(ピエール・ブールの)原作は人種差別や文明の奢りを糾弾する左翼小説で、そいつを旧作では右翼(チャールトン・ヘストン)が主演してたわけだ(笑)」
 ここまで言われたゴリゴリの反動ヘストンは新作にもカメオ出演していて(長老猿)、それは気づいたのだが、旧作のあのラストと同じセリフを言ったとは気づかなかったなあ。

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