高校一年の春のこと。教室で視力検査が行われた。生徒はそれぞれ、氏名と生年月日を申告してから担任の検査をうける。たとえば
「ホリヒロシ。昭和35年2月5日生まれでっす!」こんな感じ。それまでの小中学校と違い、各教室で行われたのでみんな他人の検査結果に注目。いやそれ以前にチェックされたのが…
「齋藤○子、昭和34年4月16日生まれです。」するといきなり
「……ってことはぁ、おーサイトウ!お前もう16才なのかあ!おばさんじゃーん!」
高校を卒業して26年がたち、先日3度目の同窓会が開かれた。80名ほどの出席。四十代といえば、若い頃など、きっと頭の中では小難しいオヤジくさいことを考えているのであろうと想像していたというのに、
「バカヤロー。おれなんかまだ44才だぞ。45のジジイと一緒にすんな!」
いやはや。少しは成長しなきゃ。
しかし内面はどうあれ、ルックスはやはり人によって様変わりしている。
「あーホリは変わらないな。お前は昔から年寄りくさかったもんな」うるせー。しかし多くは白髪が目立ったり髪自体が不在となったり、そして肉付きのせいで本人確認が困難な例が続出。
わたしはここで法則を発見した。どうやら顔の中心に造作が「集中」している人間は、なんか、顔が変わらないのだ。輪郭がどうあれ、みんなに「お前は変わらなくていいなー」とか言われている。逆に、目や鼻が、えーと「点在」(笑)している人は、どうも「どなたでしたっけ?」パターンにおちいるようだ。
同級生の読者が驚いていたのは、どちらかというと無口だったタイプが、やはり世間の洗礼を浴びたかすっかり雄弁になっていること。確かに、ほとんど自分からは口をきくことのないように思えた男(石川島播磨重工の課長ですと)から「ホリくん、バリューエンジニアリングというのはね……」と説明が始まったときは、やはり人間って変わりもするんだなあと納得。
でもいちばん困ったのは「あんた、(創価)学会に興味ある?」と酒を注ぎに来た女。
同窓会で布教はじめるんじゃなーいっ!
※なぜ急に同窓会特集をアップしようかと思ったかというと、本日同級生の通夜に行ってきたからである。同級生たちとしみじみ語った。
「オレら、死にすぎじゃねぇ?」
そうかも。どう考えても確率的に死にすぎなのである。しかし上には上がいる。わたしが卒業した小学校の学年は、男子がわずか14名しかいないのに、そのうちの4名がもう死んでいる。しかも3名はかなり若いときだったので担任は激昂。
「お前らいい加減にしろ!」
その担任も死んで随分たつ。
次は誰だ、と葬儀のときにギャグを誰からともなく飛ばしていたが、近ごろそんなリスキーなセリフは誰も口にしないのである。シャレになんない。
画像はわたしが卒業した高校のいちばん有名な同窓生、成田三樹夫。「探偵物語」の“くどぉちゃあああぁん”が懐かしい。ネットから勝手にいただいてすみません。
同窓会’05につづく!