……読み返したら2004年当時のゲーム業界、特にハードの盛衰の記録になっている。そのつもりで懐かしく読んでね。
映画をさしおいてゲーム業界のお話を一席。現在この業界が三つの勢力に分かれていることはご存知のとおり。
・プレイステーション(PS)を擁してシェアトップをぶっちぎるSONY。
・ゲームキューブ(GC)が苦戦するものの携帯ゲーム機ではゲームボーイアドバンスが独壇場の任天堂。
・オンラインで一発逆転を図るX-Boxのマイクロソフト。
それぞれのハードにはオタクなファンがついており、それぞれが罵倒しあっている。ハードの盛衰はどれだけ面白いソフトを提供できるかにかかっているが、サードパーティとよばれるソフト専業メーカーの分捕り合戦が水面下で続いており、ハードから撤退したセガなどはその代表格と言われている。しばらくはドラクエとFF(ファイナルファンタジー)を提供するPS陣営の優位は動かないだろうし、ひょっとしたらSCE(ソニー・コンピュータ・エンタテインメント)社長の久多良木は、ソニー本体の次期社長とまで噂されている。
問題は任天堂。コアなファンはついているものの、問屋などとの関係が今ひとつ不透明で、このあたりは花札メーカーの匂いをまだまだ残している。そして、マリオ、ゼルダ、ポケモンという強力なソフトを抱えながら、そのクリエイターをきちんと遇しているという話が聞こえてこないのだ。たとえばこのポケモン。田尻智という天才が創りあげたものだが、彼がはたして長者番付に載っただろうか。もちろん金だけで計れるものではないけれど、青色レーザーの例をひくまでもなく、ゲームクリエイターがいくら世間知らずとはいえ、いつか造反されるのではないかという危惧を任天堂が持っているのか。この業界、やっぱり目が離せないのである。今のところ、ゲーム自体より面白いところが問題なのだけれど。
あ、映画?ドラえもんが来年('05年)はお休み、ゴジラがラストとなる緊急時に、キチンと東宝お子さま映画の王道を歩んでおりました。これはこれで立派。
……08年、状況がここまで変わるものだろうか(笑)
ちょっとした企画モノかと思われたDSが爆発的大ヒット。引きずられてWiiも絶好調だ。
問題はPS3。久多良木は次期社長どころか(^^;)。
ブルーレイ搭載の唯一のハードである強みと、しかしドラクエの新作がDSに奪われた弱みと……さあ来年はどうなってるのかな。さっぱりわかんないところが、この業界の面白いところなのだった。この面白さは、次世代DVD以上に、みんなが感情的になっているあたりが妙味。だってこの気運があるかぎり、日本人は新しいハードにとりあえず飛びつくだろうからだ。ナイス国民。わたしもその一人ざんす。