カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

西日本の一部で本年初真夏日

2009-04-19 23:21:20 | インポート

①4月19日12時の天気図 気象庁HPより引用

09041912

②4月19日9時気象庁発表のAXFE578図(上側・・・・・上空5500m付近の等高度線と渦度分布図 下側・・・・・上空3000m付近の気流の鉛直方向の動向と上空1500m付近の気温と風向風速分布図) 日本気象予報士会HPより引用

11

4月19日は、西日本を中心に晴れて気温が上がりました。

最高気温は、大分県玖珠と広島県加計で30・3℃、大分県犬飼で30・2℃と、本年になって始めて、最高気温が30℃以上となる 真夏日 となりました。

他の西日本各地でも、軒並み、最高気温が25℃以上を観測しています。

今回の高温ですが、引用図②の上側図より、西日本の上空5500m付近では、気圧の峰があり、引用図②下側図より、上空3000m付近では、下降流が卓越しており、このため、西日本の広範囲で気温が12℃以上と、夏の陽気となっています。さらに上空1500m付近では、山陰沖で時計周りの気流の流れとなっているのが解りますよね。

つまり、西日本上空では上空まで高気圧の勢力が及んでおり、山陰沖に高気圧が隠されているわけです。このため、西日本の各地で、気温が上がった理屈です。

引用図①より、地上天気図上では、日本海中部の高気圧の中心がありますが、当該高気圧、等圧線の走向より、ほぼ南方向へ勢力を広げて、西日本各地は、高気圧の勢力下に入っていますが、高気圧が、このように、南北に広く張り出す場合(東西方向に広く張り出す場合も同様)が、当該高気圧は、決まって、上空まで勢力が及んでいる、背の高い高気圧 となっているものです。

背の高い高気圧は、下降流が水平方向のみならず、鉛直方向にも広範囲に卓越していますから、下層では気温が高いなり、地表付近の高温に繫がります。ただ、梅雨期のオホーツク海高気圧のように、上空5500m付近で、当該高気圧の前面が気圧の谷になっていて、上空1500メートル付近で寒気移流が強まっている場合だと、話は別。高気圧の進行方向前側や南縁側にあたる地表付近では、気温が低くなってしまいます。