カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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本州付近を帯状高気圧覆う 所々で初夏の陽気 帯状高気圧ってどんな構造?

2009-04-09 23:43:37 | インポート

①4月9日12時の天気図 気象庁HPより引用

09040912

②4月9日9時気象庁発表 AXFE578図(日本付近の ※上側図・・・・・上空5500m付近の等高度線と渦度分布図 下側図・・・・・上空3000m付近の鉛直方向気流動向図 と上空1500m付近の気温と風向風速分布図) 日本気象予報士会HPより引用

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4月9日は、本州付近を高気圧が東西に渡って帯状に覆い(帯状高気圧)、本州の所々で初夏を思わせる陽気となった箇所もありました。

日中の最高気温は、広島県の加計で26・9℃、三重県亀山で26・8℃、群馬県館林で26・2℃を観測しています。

春真っ盛りのこの時期、本日のように、本州付近を帯状高気圧が覆うことがたびたび発生しますが、

この、帯状高気圧(高気圧が東西に帯状に覆う状態)の際には、

本州付近では

●上空10000m付近の強風軸(ジェット気流)が本州の北と本州の南に2本あり、本州の東海上でおのおのの強風軸が合流している状態で発生します。

その際に

Ⅰ・上空10000m付近のジェット気流は、北側のはチベット高原を迂回している状態で、本州付近上空~中国大陸上空で風速が周囲よりも比較的弱めとなっており、

その結果

Ⅱ・帯状高気圧の位置する箇所の上空3000m付近で下降流が顕著になっていて、上空1500m付近の気温が周囲より高温となっているものです。

さらに、

Ⅲ・帯状高気圧に覆われている時間が長いほど、上空1500m付近の気温は上昇し(つまり地表付近も気温が上昇することになります。)、地表付近でもより高温となる。

以上3点の特徴があります。

引用図②の上側図より、本州付近上空では、等高度線が比較的開いており(風速が弱め)、本州の北と、本州の南海上で等高度線が狭まっている(風速が強め)状態となっており、下側図より、上空3000m付近で下降流が卓越(白地で-表示がある)しており、上空1500m付近では、本州付近上空から中国大陸上空にかけて、気温がおおむね9℃以上と高めになっていますよね。

引用図③より、あす4月10日も、本州付近は帯状高気圧に引き続き覆われて、各地で9日よりも気温が上昇しそうです。

こうなると、左党の私にとっては、これまでの熱燗から、冷酒か冷えたビール。う~ん。これまたたまらないですな!(笑)