①2月24日12時の天気図 気象庁HPより引用
②2月24日9時から15時までのウインドプロファイラー熊谷時間高度断面図 気象庁HPより引用
③2月23日21時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用
④2月24日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用
24日も本州付近は強い冬型気圧配置で、北日本中心に本州上空には強い寒気が流れこんで日本海側では軒並み大雪となり、各地で強風が吹き荒れました。
24日15時までに、白河で34・0m 三宅島で30・6m 釧路で30・4mの最大瞬間風速を観測jしたほか、東京(観測地点が千代田区北の丸公園科学技術館屋上)でも、最大瞬間風速26・4m 10分間の平均風速でも最大で14・2mの大変強い風を観測しています。
引用図②③を比較していただきたいのですが、23日21時現在 山陰沖と本州中央部、それに能登半島北西沖に指数200以上の正渦度(斜線表示部分)があり、東海地方や関東地方では、正渦度移流流域の場となっています。これに対応して、23日深夜から24日朝にかけて伊勢湾岸周辺や関東北部の平野部にも日本海側から雪雲が流れ込み、積雪となった箇所もありました。
特に、冬型気圧配置でめったに積雪とならない埼玉県北部から栃木県南部、群馬県南部平野部でも積雪となり、所によっては積雪が5cm以上となり、鉄道などに遅延も発生してしまいました。
⑤2月24日3時の関東周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
冬型気圧配置時で発生する降水雲の盛弱を決定ずけるものとして、1・上空の寒気 2・季節風の強さですが、3・上空(5500メートル付近)で正渦度移流流域に入っているか?も重要な点であることがわかります。
さらに、引用図③④の上側より、23日21時には東北地方日本海側上空にある負渦度が全前面の正渦度部分に割り込むように南東方向へ移流してきて、24日9時現在、関東地方上空5500メートル付近が渦度0線(上空の特に風が強い部分です)がかかっています。
以前、このブログでもお話しましたように、上空5500メートル付近が渦度0線がかかると、関東地方では、北部や西部のある山地を越えるえる山越えのおろし風が強まりやすく、関東平野一帯で強風が吹き荒れるようになります。このような時は、下層(おおむね上空1000mより下側)の風速が強まるという性質があります。※引用図②を参照ください。
関東地方各地の強風は、この、山越えのおろし風によって引き起こされたというわけですね。