カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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大雪の範囲は山間部や太平洋側の一部までにも。関東平野では 山越えおろし風による強風も。

2010-02-06 15:28:13 | インポート

①2月6日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月6日9時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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③2月6日9時気象庁発表のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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④2月6日7時~13時までのウインドプロファイラー時間高度分布図(熊谷) 気象庁HPより引用

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⑤2月6日7時~13時までのウインドプロファイラー時間高度分布図(勝浦) 気象庁HPより引用

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ここ数日、本州の日本海側では所々で大雪が降り続いていますが、2月6日は、東北日本海側~北陸の山間部、関東北部山間部などでも大雪となっています。

6日9時現在、群馬県利根沼田地域や、新潟県の一部、長野県北部には 大雪警報が出されています。

また、6日は、本州付近で等圧線が混んで風が強く、東北日本海側から北陸地方には、あちこちに、暴風雪警報や波浪警報も発表されています。

新潟空港は大雪と強風で閉鎖されているとのことですが、上空の寒気が強く(上空5500付近で-35℃以下)、かつ、上空1500m付近の風が強まる(おおむね40ノット以上)と、日本海で発生した雪雲は、本州の脊梁山脈を超えて、一部、太平洋側にもかかるようになってしまいます。

特に、本州の脊梁山脈の鞍部を雪雲がかかりやすく、500hpa(上空5500m付近)となっての正渦度移流域となっていればなおの事ですね。

6日は、若狭湾~関ヶ原~伊勢湾のかけての鞍部にかかってきた雪雲のため、愛知県名古屋周辺でも降雪となっており、岐阜県関ヶ原付近では大雪となって、この地区を走る東海道新幹線が速度を70㎞ までに減速して運行しているため、運行ダイヤが大きく乱れています。

他、6日明け方、群馬県南部でも降雪を観測して、上信越道など一部通行止めとなりましたし、6日12時現在、栃木県南部の宇都宮周辺でも降雪となっている模様です。

さらに、引用図③より、500hpa(上空5500m付近)となっての正渦度移流域の後ろ側から、関東平野を含む本州中部では、逆に負渦度移流域に入りそうですが、こうなると、関東平野や甲府盆地などでは、山越えのおろし風による強風が吹き荒れますね。

山越えおろし風が吹く際には、地表付近から上空3000m付近にかけて、気流の上昇流域と下降流域とが時系列に見ると交互に現れるようになりますが(気流が鉛直方向へ蛇行していることを示すものです。)、引用図④⑤より、熊谷では11時30分頃から、勝浦でも111時50分頃から、地表付近から上空3000m付近にかけて上昇流域と下降流域とが交互に現れ始めて、当該、上昇流と下降流とのコントラストが次第に大きくなっている様子が判ります。

特に、山越えおろし風の吹き始めは、地表付近が気流が大変乱れていますので、低層乱気流やウインドシアーが頻発するもの。現に、6日13時には、羽田空港や成田空港では、着陸間際の航空機から、低層ウインドシアーを受けたとの報告が入っています。


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