引用図は23日21時と24日3時の天気図、および、23日24時と24日1時の北海道東部のアメダス風向風速図です。気象庁HPより引用。
23日から24日にかけて、低気圧が千島付近で猛烈に発達して、北日本中心に冬型気圧配置が強まりました。
このため、24日未明、北海道知床半島付近では局地的に暴風が吹き、一時、根室北部には暴風警報が出されるほどでした。
今回の、北海道知床半島のように、中央部にある山脈に切り刻まれた谷や鞍部の形成されている方向と、地表の風向が一致する場合、当該谷や鞍部で風が吹き抜けたり、風が上空の風を引き摺り下ろして、相当強い風を吹かせることがあるものです。 この強風を、おろし風、または だし風 などと呼んでいます。
今回のように、低気圧が千島付近で発達する場合、北海道知床半島の羅臼町を中心とした、知床半島周辺で、北西の風が相当強まることがあります。(羅臼風などと呼ばれています。)
昭和29年5月11日には、この羅臼風が非常に強まり、最大風速は40メートル以上にも達して、羅臼町(当時は羅臼村)と中心にして、死者11人、全半壊家屋112戸を出す始末でした。
日本列島各地には、この、おろし風 や だし風が吹きやすい個所はいたる所にあり、時には強風の被害を引きおきします。 静岡県網代の西南西~南西風や、兵庫県神戸市六甲山南側の六甲おろし(北より風)、それに岡山県那岐地方の広戸風(北より風)、愛媛県東予地方のやまじ風(南西風)、山形県庄内平野の清川だし風などが典型的なものです。