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カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風15号 千葉県各地に記録的暴風もたらす!内房地域では瞬間で70㍍毎秒以上の地域も!

2019-09-19 04:15:30 | 日記
①台風15号が、千葉県に接近・上陸した時刻頃の
ⅰ9日2時  ⅱ9日3時  ⅲ9日4時  ⅳ9日5時 の関東周辺レーダーエコー図 国土交通省川の防災情報HPより引用

ⅰ:


ⅱ:


ⅲ:


ⅳ:


台風15号は9日5時頃、千葉県千葉市付近へ上陸し、千葉県を中心とした関東南部では、所々で記録的な暴風を観測しました。

9月18日現在、千葉県内では6万戸以上の家屋で停電が続き、千葉県内だけで全壊家屋6棟 半壊家屋19棟 一部損壊家屋6171棟
といった甚大な被害であることが判明!ですが、館山市など損壊家屋が未確認ではあるもののおよそ1万棟以上ある様子であったり、
被害の全貌がいまだに判明していない自治体もあるため、さらに被害は甚大なものとなるでしょう。

とりわけ、千葉県内房地域では、被害が甚大な様子ですが、この内房地域では、筆者自身の推定で、およそ瞬間で70㍍毎秒を超える、激烈な暴風がふいたものと思われます。

②ⅰ千葉県の地形図 ⅱ千葉県内房地域の地形図 国土地理院HPより引用
ⅰ:

ⅱ:


③9月9日2時の千葉県内房地域周辺主な観測地点の最大風速 海上保安庁HPや白地図ソフトから筆者引用作成



まず、内房地域の暴風を語るうえで、基準となる、地形的特性を受けない海上にある観測地点 浦賀水道航路中央第一号AIS信号所のデータを基準として、洲埼灯台、剣埼灯台の
風向風速データ最大値と観測時刻を記しました。

これら地点とも、引用図①ⅰでも、台風15号の中心 A を取り巻く螺旋状降水域の外縁部に差し掛かった時刻で最大風速が観測されていると推定されて、浦賀水道航路の風速値より、剣埼ではおよそ1.31倍、洲埼では、およそ1・5倍増となっておりますが、剣埼、洲埼とも、地形的には、緩やかではあるか斜面沿いに位置しているため、地形的特性による風速の増大がみられることを確認されております。

引用図②ⅱより、千葉県内房地域、海岸線に山地が迫り地形的には比較的急峻で、浦賀水道に向かって西~南西方向の鞍部が幾重にもみられます。

今回の台風15号接近の際には、引用図②ⅰで示すように、台風の中心取り巻く螺旋状降水域の外縁部東側にかかり、浦賀水道から陸地方向への暴風が吹きつけたと推定されますが、同様な風向の際に、内房地域で、どれほどの地形的特性での風速の増大がみられるか?

この事例を示すものとして、④1979年(昭和54年)10月19日台風20号の際の、千葉県富津市明鐘岬と、富津岬での風向風速観測値をご覧ください(日本風工学会誌第15号、昭和58年2月 相馬清二先生投稿記事より引用)






この引用原稿では、地形的特性を受けない海上風として、砂丘突端に位置する富津岬の風速データが引用されており、明鐘岬と富津岬ともに、最大風速値と明鐘岬では最大瞬間風速値とも列記しております。
引用図③ⅱで、明鐘岬の地形的特性を勘案して風向風速データを見ると、海上風とみられる富津岬の風速データのおよそ1・67倍の風速を明鐘岬で観測しています。明鐘岬の地形的特性で、海上風速より1・67倍増幅されるわけですが、この風速から、さらに最大瞬間風速は、およそ1.38倍の風速となっています。

引用図③ⅱより、明鐘岬周辺と酷似している地形は、内房地域に随所でみられ、こういった地域では、浦賀水道から吹き付ける風の場合、明鐘岬周辺と同様な海上風からの風速の増大が見られれるものと推定されます。

よって、引用図③④より、浦賀水道の海上風速は32㍍より、内房地域では、地形的特性のより風速増大受けて、平均風速の最大で53㍍毎秒程度、最大瞬間風速で73㍍毎秒程度の激烈暴風を観測している地域があると推定されるわけですね。


台風15号千葉県千葉市付近に上陸!実は台風の中心は分裂していた!これも暴風被害増大の一要因か。(9月9日の事例より)

2019-09-11 03:30:48 | 日記
①9月9日3時の天気図 気象庁HPより引用


台風15号は9日5時ごろ、千葉県千葉市付近へ上陸しました。上陸時は戦後関東に上陸した台風の中ではトップクラスの勢力であったため、千葉県や神奈川県など、関東地方南部地域中心に記録的な暴風が吹き荒れて、千葉県内では3日経過した11日現在、千葉県中心に停電50万戸以上、水道や電気などのインフラが大きく罹災し、大混乱となっております。

この台風15号ですが、9日未明に三浦半島通過時、台風の中心がいったん北東方向へ変形して、北東側に中心が飛ぶような形になり分裂しました。台風の中心の、北東方向に分裂したこと、台風前側に分布する強風域をさらに強めてしまい、今回の記録的暴風を引き起こしたといえそうですね。

その様子を、9日2時、3時、4時と時系列で紹介していきましょう

⓶9月9日2時、3時、4時、5時の、レーダーエコー図(国土交通省川の防災情報HPより引用)と関東周辺アメダス風向風速分布図(気象庁HPより引用)
ⅰ 9日2時



9日2時現在、台風は、伊豆大島のすぐ北にあり(中心Aと表示)北上中。台風を取り巻く螺旋状雨雲が、関東地方南部で、幾重に重なり合いように分布していて、房総半島の南西からは、別の螺旋状雨雲が移動中で、千葉県南部地域の螺旋状雨雲と合流しかかっております。

台風を取り巻く螺旋状雨は、気圧傾度の大きい箇所で幾重にも連なる特性があり、螺線上雨雲の外縁部では強風を伴い、螺旋状雨雲同士が合流する箇所付近では、雨雲自体発達して、
その外縁部では強風は一層顕著となります。(筆者確認)


このため、9日2時現在、東京都羽田付近や千葉県安房地区で20㍍毎秒を超えており、館山で2時14分に最大風速28・4㍍毎秒(南風)2時31分に最大瞬間風速48・8㍍毎秒(南南西風)を観測しております。


ⅱ 9日3時




9日3時現在、台風15号の中心Aですが、移動速度から推測すると、神奈川県浦賀付近にあると推定されますが、その形はぼやけ始め、かわって、北東側の千葉県木更津付近に、B で表示する渦が顕著となってきました。この B 発生のため、中心北側の気圧傾度をさらに増大させたと考えられ、北側の螺旋状雨雲は一層発達しています。

このため、千葉県京葉地区や東京23区沿岸部で風が一層強くなり、羽田では30㍍毎秒もの東寄りの猛烈な風を観測!千葉県木更津では、前記時刻に近い 9日2時48分に最大瞬間風速49・0㍍毎秒(東南東風で、観測開始以来最高)2時53分に最大風速23・2㍍毎秒(南東風)を観測しました。



ⅲ 9日4時





9日4時現在、新たに発生した渦 B は千葉市の南西まで移動、中心のすぐ外縁の発達した螺旋状雨雲が千葉県から東京23区の東京湾岸地域にかかり始めてまいりました。千葉県から東京23区までの東京湾岸地域では、おおむね20㍍毎秒を超す北北東から東南東風となっており、千葉で29㍍毎秒(東南東風)東京羽田で25㍍毎秒(北北東風)といった暴風を観測しています。

一方、B の 西側に当たる東京湾上の 海ほたる では 3時25分に南東風23㍍毎秒だったのが、3時55分に風向が西南西風に変化して、風速は9㍍毎秒と一時的に弱まり、B が台風の新たな中心として形成されたといえます。


ⅳ 9日5時



台風15号は、9日5時ごろ、千葉県千葉市付近へ上陸確認されて、上陸後は千葉県北部を北東に移動していきました。

千葉県千葉市では、9日4時28分に 最大風速35・9㍍毎秒(南東風)最大瞬間風速57・5㍍毎秒と、最大風速、最大瞬間風速共に観測開始以来最高の猛烈な暴風を観測しております。さらに、およそ36分後、南西方向と南東方向との螺旋状雨雲が交わる千葉県成田では、最大風速29・6㍍毎秒 最大瞬間風速45・8㍍毎秒と、これまた、最大風速,最大瞬間風速ともに観測開始以来最大の暴風を観測しました。

台風を取り巻く螺旋状雨雲というもの、ご覧のように、一様に螺旋状に分布するものではなく、地形的特性をうけて、その発達具合や、雲の集団の走向具合にコントラストが生じて、台風の中心が分裂することはよくあることです。
なので、当該、台風を取り巻く螺旋状雨雲の分布状況から、台風のとりわけ強風となりやすいエリアを的確に見極めることが重要ですね。











静岡県三島市内で突風発生!竜巻か?(8月28日の事例より)

2019-09-02 01:09:05 | 日記
①8月28日9時の天気図 気象庁HPより引用



九州北部各地で記録的大雨となり、福岡県,佐賀県,長崎県に大雨の特別警報が出された
8月28日午前8時頃、静岡県三島市内で突風が発生!乗用車が横転したり、民家の屋根が飛ばされると
いった被害が発生しております。

この突風ですが、竜巻らしい所見がレーダーエコー画像で見られ、私自身は竜巻であると推測しますが、
8月28日7時、7時30分、8時のレーダーエコー画像図(国土交通省 川の防災情報HPより引用)で検証しましょう。

②8月28日7時、7時30分、8時の レーダーエコー図(引用画像内で黄緑●印は、突風発生箇所)
ⅰ:7時


ⅱ:7時30分


ⅲ:8時



28日7時現在、静岡県内中部地域から東部地域山間部にかけて、帯状に発達した雨雲集団 A がかかっており、所々で
1時間あたりで50㍉~80㍉もの非常に激しい雨を降らせておりますが、A の南東側にあたる駿河湾北東部付近には、
別の帯状の雨雲集団 B が発生し始めております。

この B ですが、帯状の雨雲集団が発生・発達する際に、当該雨雲集団の暖気側の勢力が強い際にみられるもので、
中層の上昇流域や、下層の気流の不連続箇所発生など受けて発生するものです。

さらに、7時30分、8時、と時間経過するとともに、B は次第に発達しながら北東寄りに広がっていきますが、Aは、ほとんど停滞気味となり、時間経過とともに、少しずつ衰える傾向にあります。
これは、下層では、A から広がる気流が卓越して、この気流が B を発達させているわけです。

さらに

③8月28日8時のレーダーエコー図を三島市周辺拡大※②ⅲ図と比較してご覧ください



三島市内で突風発生した28日8時、レーダーエコー図では、三島市付近にはフック型のエコーが表れており、竜巻発生の証左を示すものです。

◆2つの帯状の雲が発生する場合、後続の帯状雲のほうが、より竜巻などの激しい突風を伴う傾向にある※筆者調べ

これ、帯状雲監視に際して、極めて重要な着眼点ですね。


20日夕方、茨城県南部で突風!ガストフロントと推定。

2019-08-22 02:03:20 | 日記
①8月20日15時の天気図 気象庁HPより引用



8月20日、関東甲信、東海、近畿中心に 大気が不安定なため所々で雷雲が発達して、雷交じりの非常に激しい雨を観測しました。

また、関東地方の茨城県南部地域に位置する、行方市、潮来市、鹿島市、神栖市など、20日16時ごろから、北~北西で瞬間でおおむね25㍍毎秒以上、所によっては推定で毎秒35㍍毎秒~40㍍毎秒程度の激しい突風を観測!民家の屋根瓦が飛ばれたり、JR鹿島線が一時、沿線で、規制風速25㍍毎秒以上に達したため、列車の運行がストップしたりとの被害が生じました。

この突風ですが、帯状に発達し積乱雲列の進行方向前側で、行方市や、潮来市、鹿嶋市の一部地域に及ぶ、比較的広範囲にわたって発生していることより、帯状に発達した積乱雲列より下降流となって、その前側に広がって発生する、ガストフロントであると、私は推測いたします。



②8月20日15時の日本付近水蒸気雲画像情報図 高知大学気象情報項HPより引用



引用図①②より、地表付近では、秋田沖には低気圧、関東から北陸にかけて前線が延びていますが、中層では、本州南海上上空から本州中部にかけて、帯状に白くぼやけた画像域が広がり、当該帯状に白くぼやけた画像域内、筋状に連なる白く輝いた画像域が連なっております。

これは、上空の偏西風帯の谷が本州に差し掛かり、当該谷の前側では、上昇流域が連なって発生している証拠で、大雨発生時の典型的な水蒸気画像上の画像パターンなのです。


③8月20日、15時、16時、16時30分、17時のレーダーエコー図(ⅰ:15時、ⅱ:16時 ⅲ:16時30分 ⅳ:17時)
国土交通省 川の防災情報HPより引用


ⅰ:15時


ⅱ:16時


ⅲ: 16時30分


ⅳ:17時



引用図3 ⅰ、ⅱ、ⅲ、ⅳ より、関東地方には、帯状の発達した雨雲の集団がおおむね南東方向に移動中ですが、当該帯状の発達した雨雲集団、複数の筋状の雨雲の集団で形成されており、北西~北方向(風上方向)の雨雲集団のエコーは輪郭がぼやけていて、衰弱傾向にあるものの、移動方向前側では、エコーの輪郭がはっきりしており、発生間もないか、発達途上にあるエコーといえます。
つまり、進行方向に、筋状に波状的に雨雲を発生発達させながら、それらが帯状にまとまりながら移動している雨雲集団といえます。

実は、こういったプロセスを経て形成されて移動中の雨雲集団(冬季は雪雲集団)は、形成する帯状の部分のうち、進行方向前側で、ガストフロントを伴いやすく、新たに発生する筋状雲と、その後続する筋状雲との間で、ガストフロントが一層顕著になる、と言えます。最前列の筋状雲列を形成する下層の上昇流が、後続の筋状雲列より、下降気流を引っ張り込む働きをするためです。(筆者調べ)


複数の筋状雲列が形成する帯状雲列が移動する場合時、移動方向風下側では、ガストフロントによる強風発生を懸念する必要があるでしょう。



11日、東北地方太平洋沖地震から8年!

2019-03-12 01:22:38 | 日記
11日で、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から8年が過ぎました。

今回も、この東北地方太平洋沖地震、どのように引き起こされたのか振り返ってみましょう。

一昨年、昨年同日の本ブログ記事を再度引用しますが

①㍻23年東北地方太平洋沖地震発生させた地殻変動の時系列図 防災科学技術研究所HPより引用


◇引用図①より、

宮城県牡鹿半島東約130㌔東で発生した変動(震源)は、発生後90秒までは、プレート間内陸部に近い部分で一部発生するものの、
殆どの変動は、震源より東側、宮城県沖でのプレート間の海底の近い部分(比較的軟らかい地層)主体に変動しており、この変動のずれは、一部で50㍍以上に
及んでおります。



◇変動発生後90秒後になりますと、これまでとは異なり、プレート間でも、陸地に近い部分での変動が発生、比較的古い堅固な地層が変動したことで、比較的
周期の短かい地震波を発生させて、



◇発生100秒後になりますと、福島県沖でも変動が発生、この変動も、プレート間の陸地に近い部分での
変動が広がり、やはりこの地域特有な比較的古い堅固な地層が変動したことで、これまた比較的周期の短かい地震波を形成させながら、プレート間での変動は次第に
茨城県沖へと広がった。

というシナリオを描きました。

②平成3年東北地方太平洋沖地震での宮城県築館、塩竃、茨城県日立 と、平成7年兵庫県南部地震での、兵庫県鷹取と葺合での地震波速度応答スペクトル図
(東京大学地震研究所HPより引用)



引用図②より東北地方太平洋沖地震、前記のように、比較的周期の短い地震波が多く発生したことで、
建造物の深刻な被害を与える地震波は多くなかったことがわかります。

しかしながら、前記のように、プレート間の海底に近い地層の変動が甚大であったことで、未曽有の大津波を引き起こす結果
となりました。

③平成23年東北地方太平洋沖地震で、いずれも震度7を観測(防災科学技術研究所観測)した、
ⅰ:宮城県築館 ⅱ:茨城県日立 ⅲ:栃木県芳賀 での地震波形図(防災科学技術研究所HPより引用

ⅰ:


ⅱ:


ⅲ:


④平成23年東北地方太平洋沖地震での最大加速度観測分布図 防災科学技術研究所HPより引用





引用図③ⅰより、築館では、変動発生後およそ90秒後発生した、宮城県沖での陸地に近いプレート間が変動したことでの
比較的周期が短かい地震波が最大の揺れを引き起こしましたが、周期が短い地震波のため、最大の揺れはすぐにおさまっています。

引用図④より、最大加速度1000GAL以上を観測した、マゼンダ色の観測地点が、宮城県内、福島県内と、関東地方の広範囲にまで
及んでおりますが、今回の地震が、宮城県から福島県、そして、茨城県沖でのプレート間の変動が、陸地に近い比較的深い地域の境界部分で発生したため、
変動した地殻が比較的固く、地下の比較的深い箇所であったため、内陸部の広範囲にまで、比較的周期の短い地震波が発生拡散していったといえる証左ですね。


日立では、変動発生凡そ110秒に最大の揺れを観測、これは、当初発生した宮城県沖の変動に伴う地震波と、福島県沖から茨城県沖に変動が及んで発生した地震波との収束の賜物で、
芳賀(栃木県)での最大の揺れは110秒から120秒にかけて発生しております。


最大の揺れの発生時刻が、ⅰ→ⅱ→ⅲと時系列で変化していることがわかりますが、これは、福島県沖から茨城県沖での変動の伴う地震波と、最初に発生した
宮城県沖での変動で発生した地震波が、福島県中通り地域に広がる、地形的鞍部を伝播して、収束した結果と思われます。

続いて、全被害のおよそ90%をもたらしたといえる 津波 ですが

◇プレート間の変動と、変動に伴う地殻変動との双方で津波を発生させ、双方が合体し、大津波を引き起こした!!⑤岩手県沖~宮城県沖~福島県沖のかけてのGPS波浪計の観測結果(港湾航空技術研究所HPより引用)
※引用図内メートル表示数字は、観測地点の水深です。


引用図⑤より、地震発生直後から、プレート間の変動に伴う海面の変動が見られ、引用図内矢印で示す第1波の峰は岩手南部沖と宮城北部沖で比較的大きくプレート間の変動が、これらの地域の沖合で大きかった所作ですが、
岩手中部沖や岩手北部沖、それに、福島県沖には、第1波の峰のあと、それ以上に極めて短時間に急な海面の変動が見られます。

この急な海面の変動ですが、
岩手北部沖では15時19分に約4・0㍍上昇、岩手中部沖では、15時12分に約6・3㍍上昇、岩手南部で、ほぼ同時刻の15時12分に、約6・7㍍上昇福島県沖でも、15時15分頃、約2・6㍍上昇 となっており、
各々の地点で、ほぼ同じ時刻頃に、急な海面の上昇が見られます。

なお、宮城北部沖と宮城中部沖でも、津波の第一波の峰自体高いところへ、前記の各地点と同様な短時間での海面の上昇が見られるものの、測定機材が津波の影響で測定不能となってしまい、正確な値は測定不能です。

これら、第1波の峰の後の、短時間の急な海面の上昇は?それは、地震を引き越したプレート間の変動の後、岩手県沖から福島県沖にかけて、プレート間変動とは別の地殻の変動があったといえ、当該地殻変動は、引用図④より、岩手県沖と、もう一つ、福島県沖でも発生したものといえますね。

そして、この地殻変動が発生した原因ですが、引用図➀より、今回の東北地方太平洋沖地震、岩手県沖から茨城県沖にかけて、プレート間の変動は、陸側の直下に近い箇所からプレート間の境界の日本海溝の海底に近い箇所まで広範囲に変動が生じましたが、とりわけ変動した面積が大きい箇所は、岩手県沖から宮城北部沖の部分と、もう一つ、福島県沖沖にもみられます。
どうも、この、変動の面積が大きい ア:岩手県沖から宮城県北部沖 と イ:福島県沖で、海溝側に堆積している比較的柔らかい地層が、プレート間変動に触発されて、大規模にかつ、急激に崩壊移動したためではなかろうかと私は考えております。

今回の東北地方太平洋沖地震のように地震を起こすプレート間の変動が、海底近くの箇所が広範囲に大きくなった場合、2次的な地殻変動が海底で発生しやすく、大津波をひこ起こす。このことは今後の教訓となるでしょう!!