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カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

線状降水域が発達しやすい静岡県内!どうがご用心を!!

2020-08-03 02:04:51 | 日記
①7月27日21時~24時までの1時間ごとのレーダーエコー図 国土交通省川の防災情報HPより引用

ⅰ:27日21時
 

ⅱ:27日22時 


ⅲ:27日23時 


ⅳ:27日24時


27日夜21時頃から静岡県中部の平野部で雨雲が線状に発達、その後、翌28日1時頃にかけて当該線状降水域は発達しながら東西方向へ広がり、その後、次第に弱まっていきました。

この線状降水域内では、所々、1時間に50㍉を超す非常に激しい雨を観測し、このため、付近を走る東海道新幹線や東海道本線では、雨量が運行中止規制値以上となったため、雨が小降りとなる、翌28日未明にかけて、運行がストップしました。


② ⅰ:27日21時の地上天気図 ⅱ:28日3時の地上天気図 ともに気象庁HPより引用
ⅰ:

ⅱ:

この線状降水域の発生原因ですが、引用図②ⅰ、ⅱより、地上天気図上では、東北地方から日本海にかけて停滞する前線が、Λ状になっている箇所(地上付近では低圧部に対応し、当該周辺の上空3000㍍付近では、上昇流が広範囲に分布しているものです。)
が、27日21時には、能登半島沖に、翌28日3時には、山形沖付近に見られます。 


③ ⅰ:27日21時の日本付近水蒸気画像図 ⅱ:28日3時の日本付近水蒸気画像図 ともに気象庁HPより引用
ⅰ:

ⅱ:

続いて、引用図③ⅰ、ⅱより、前記した前線上の低圧部に対応する、上空3000㍍付近の上昇流域 A が、27日21時には東海地方から近畿地方周辺、翌28日3時には東北地方南部〜関東地方周辺へと東方向に移動しています。

ちょうど、当該線状降水域が静岡県内で発達する時間帯に、上空3000㍍付近の上昇流域は静岡県内上空を通過していったことになります。


④ ⅰ:27日21時の静岡県周辺アメダス風向風速分布図 ⅱ:28日3時の静岡県周辺アメダス風向風速分布図 ともに気象庁HPより引用
ⅰ:

ⅱ:

さらに、引用図④ⅰ、ⅱより、前記した線状降水域が発達した時間帯である、27日21時と24時の静岡県周辺アメダス風向風速分布図を見ると、当該線状降水域が発生発達していた地域を挟んで、南側では、会場からの南寄り〜南西風、愛知県境付近からは西寄り風となり、逆に線状降水域の北側では、おおむね北より風か疎らで、風速は弱めとなっており、明瞭な気流のシアーラインが形成されており、このシアーラインに沿って、線状降水域が形成されて、前記したように、静岡県内を通過していった、上空3000㍍付近の上昇流域のアシストもうけて、当該線状降水域が発達していったというわけです。

静岡県内では、前線の南側や勢力の強い高気圧の縁に当たって、海上から南寄り〜南西風が入りこむ気圧配置時には、県内伊豆南部~駿河湾南部~中西部平野にかけて、明瞭な気流のシアーラインが形成されやすく、当該シアーラインに沿って帯状に雨雲が発達しやすい傾向がありますから、この点、注意が必要ですね。

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から9年!

2020-03-11 01:08:55 | 日記
11日で、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から9年が過ぎました。

今回も、この東北地方太平洋沖地震、どのように引き起こされたのか振り返ってみましょう。

一昨年、昨年同日の本ブログ記事の一部を再度引用しますが

①㍻23年東北地方太平洋沖地震発生させた地殻変動の時系列図 防災科学技術研究所HPより引用


◇引用図①より、

宮城県牡鹿半島東約130㌔東で発生した変動(震源)は、発生後90秒までは、プレート間内陸部に近い部分で一部発生するものの、
殆どの変動は、震源より東側、宮城県沖でのプレート間の海底の近い部分(比較的軟らかい地層)主体に変動しており、この変動のずれは、一部で50㍍以上に
及んでおります。



◇変動発生後90秒後になりますと、これまでとは異なり、プレート間でも、陸地に近い部分での変動が発生、比較的古い堅固な地層が変動したことで、比較的
周期の短かい地震波を発生させて、



◇発生100秒後になりますと、福島県沖でも変動が発生、この変動も、プレート間の陸地に近い部分での
変動が広がり、やはりこの地域特有な比較的古い堅固な地層が変動したことで、これまた比較的周期の短かい地震波を形成させながら、プレート間での変動は次第に
茨城県沖へと広がった。

というシナリオを描きました。

②平成3年東北地方太平洋沖地震での宮城県築館、塩竃、茨城県日立 と、平成7年兵庫県南部地震での、兵庫県鷹取と葺合での地震波速度応答スペクトル図
(東京大学地震研究所HPより引用)



引用図②より東北地方太平洋沖地震、前記のように、比較的周期の短い地震波が多く発生したことで、
建造物の深刻な被害を与える地震波は多くなかったことがわかります。

しかしながら、前記のように、プレート間の海底に近い地層の変動が甚大であったことで、未曽有の大津波を引き起こす結果
となりました。

③平成23年東北地方太平洋沖地震で、いずれも震度7を観測(防災科学技術研究所観測)した、
ⅰ:宮城県築館 ⅱ:茨城県日立 ⅲ:栃木県芳賀 での地震波形図(防災科学技術研究所HPより引用

ⅰ:


ⅱ:


ⅲ:


④平成23年東北地方太平洋沖地震での最大加速度観測分布図 防災科学技術研究所HPより引用





引用図③ⅰより、築館では、変動発生後およそ90秒後発生した、宮城県沖での陸地に近いプレート間が変動したことでの
比較的周期が短かい地震波が最大の揺れを引き起こしましたが、周期が短い地震波のため、最大の揺れはすぐにおさまっています。

引用図④より、最大加速度1000GAL以上を観測した、マゼンダ色の観測地点が、宮城県内、福島県内と、関東地方の広範囲にまで
及んでおりますが、今回の地震が、宮城県から福島県、そして、茨城県沖でのプレート間の変動が、陸地に近い比較的深い地域の境界部分で発生したため、
変動した地殻が比較的固く、地下の比較的深い箇所であったため、内陸部の広範囲にまで、比較的周期の短い地震波が発生拡散していったといえる証左ですね。


日立では、変動発生凡そ110秒に最大の揺れを観測、これは、当初発生した宮城県沖の変動に伴う地震波と、福島県沖から茨城県沖に変動が及んで発生した地震波との収束の賜物で、
芳賀(栃木県)での最大の揺れは110秒から120秒にかけて発生しております。


最大の揺れの発生時刻が、ⅰ→ⅱ→ⅲと時系列で変化していることがわかりますが、これは、福島県沖から茨城県沖での変動の伴う地震波と、最初に発生した
宮城県沖での変動で発生した地震波が、福島県中通り地域に広がる、地形的鞍部を伝播して、収束した結果と思われます。

さらに、気象庁HP内、強震観測データの項目をひも解くと、東北地方太平洋沖地震発生時の、各観測地点の波形や、加速度、震度などが閲覧できますが、と以外強震観測データより、地震波の加速度(瞬間的な揺れの強さ)に地域性があり、総じて、加速度が高かった地震といえそうです。

地震波は、加速度は高くなるほど、当該地震波の周期は小さくなり(比較的がたがたと揺れる)加速度が低くなるほど、当該地震波の加速度は大きくなる(比較的ゆさゆさと揺れる)ようになる性質があります。

一つの地震の中には、様々な周期加速度の地震波が含まれてはいるものの、おおまかに地震波の加速度と周期の間には次のような関係があります。(引用画像は気象庁HPより)


東北地方太平洋沖地震では、震度7を観測した宮城県栗原市(栗原市築館)での最大加速度(南北、東西、上下3成分合成)で、2933ガルなのに対し、20年前の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)発生時の、
震度7と推定される地域の最大加速度(3成分)は、おおむね700ガル〜800ガルでした(気象庁等調べより)同じ震度7でも、栗原市は、周期0・1秒程度だったのに対し、兵庫県南部地震での震度7観測地域では、
地震波の周期は0.8秒~0.9秒程度だったことになります。

地震波とその周期との関係として(筆者調べ)

◆地震波の周期が1秒程度であると、建造物と共振して揺れが大きくなり、建造物にかかるダメージは大きくなってしまいますが、周期0・1秒~0.4秒の短周期の地震波は、山がけ崩れや、
建造物の外壁破損や屋根瓦のずれ・落下などは発生しやすくなるものです。

◆地形的に、台地や丘陵などの比較的固い地盤では、周期の短い地震波(周期0・3秒以下)が共振しやすく、三角州や埋め立て地などの軟弱地盤では、
比較的周期に長い地震波(周期0・6秒以上)が共振しやすくなります。

◆さらに、周期の短い地震波ほど、崖の周辺や硬軟が不均一な地質を伝番する際に、地震波が屈折、反射して、より周期な短く、加速度が高い地震波を
発生しやすくなります。


まさに、東北地方太平洋沖地震、比較的周期の短い地震波が多かった地震といえますね。東京都内でも、山の手地域の観各観測地点が、下町地域の観測地点よりも加速度は高く観測されております、

山の手地域の属する、杉並区や中野区、千代田区の一部では、加速度が、300ガル台〜400ガル台を観測しており、被害状況(総務省消防庁)見ましても、一部破損家屋の戸数は山の手地域でもまんべんなく発生しており、杉並区で956棟も発生していることからも、このことが伺えられますね


続いて、全被害のおよそ90%をもたらしたといえる 津波 ですが

◇プレート間の変動と、変動に伴う地殻変動との双方で津波を発生させ、双方が合体し、大津波を引き起こした!!⑤岩手県沖~宮城県沖~福島県沖のかけてのGPS波浪計の観測結果(港湾航空技術研究所HPより引用)
※引用図内メートル表示数字は、観測地点の水深です。


引用図⑤より、地震発生直後から、プレート間の変動に伴う海面の変動が見られ、引用図内矢印で示す第1波の峰は岩手南部沖と宮城北部沖で比較的大きくプレート間の変動が、これらの地域の沖合で大きかった所作ですが、
岩手中部沖や岩手北部沖、それに、福島県沖には、第1波の峰のあと、それ以上に極めて短時間に急な海面の変動が見られます。

この急な海面の変動ですが、
岩手北部沖では15時19分に約4・0㍍上昇、岩手中部沖では、15時12分に約6・3㍍上昇、岩手南部で、ほぼ同時刻の15時12分に、約6・7㍍上昇福島県沖でも、15時15分頃、約2・6㍍上昇 となっており、
各々の地点で、ほぼ同じ時刻頃に、急な海面の上昇が見られます。

なお、宮城北部沖と宮城中部沖でも、津波の第一波の峰自体高いところへ、前記の各地点と同様な短時間での海面の上昇が見られるものの、測定機材が津波の影響で測定不能となってしまい、正確な値は測定不能です。

これら、第1波の峰の後の、短時間の急な海面の上昇は?それは、地震を引き越したプレート間の変動の後、岩手県沖から福島県沖にかけて、プレート間変動とは別の地殻の変動があったといえ、当該地殻変動は、引用図④より、岩手県沖と、もう一つ、福島県沖でも発生したものといえますね。

そして、この地殻変動が発生した原因ですが、引用図➀より、今回の東北地方太平洋沖地震、岩手県沖から茨城県沖にかけて、プレート間の変動は、陸側の直下に近い箇所からプレート間の境界の日本海溝の海底に近い箇所まで広範囲に変動が生じましたが、とりわけ変動した面積が大きい箇所は、岩手県沖から宮城北部沖の部分と、もう一つ、福島県沖沖にもみられます。
どうも、この、変動の面積が大きい ア:岩手県沖から宮城県北部沖 と イ:福島県沖で、海溝側に堆積している比較的柔らかい地層が、プレート間変動に触発されて、大規模にかつ、急激に崩壊移動したためではなかろうかと私は考えております。

今回の東北地方太平洋沖地震のように地震を起こすプレート間の変動が、海底近くの箇所が広範囲に大きくなった場合、2次的な地殻変動が海底で発生しやすく、大津波をひこ起こす。このことは今後の教訓となるでしょう!!

兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)から25年!改めて合掌!!

2020-01-17 03:02:20 | 日記
兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)から、本日で25年が経ちました。

この地震、神戸という大都市のほぼ直下で発生した直下型大地震で、神戸や淡路島を中心にした阪神地区に未曽有の大被害をもたらしました。が、いつまでも、防災上の観点から、この地震の特徴・教訓は語り継がなければなりません。

本日は、この立場から、本ブログで記した記事を抜粋し、兵庫県南部地震というものを語っていこうと思います。

以前、本ブログにて記述したように、この兵庫県南部地震、建造物にダメージを及ぼしやすい周期の地震波が卓越した地震ということでした。
今一度、平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震での速度応答スペクトル図(任意の固有周期を持つ建造物が地震でどのようは速度を観測したかを図示したもの)
を引用図①(東京大学地震研究所HPより引用)をご覧ください 。




周期1秒以上の地震波が、木造家屋への影響が大きくなるもので、鉄筋や鉄骨建造物も同様です。それに、建造物の階数がより高くなると、影響を受けやすい地震波の周期は大きくなります。
さらに、速度応答スペクトルが周期1秒以上で200㌢毎秒以上になると、建造物に壊滅的な被害が生じるようになります。

ご覧のように、東北地方太平洋沖地震での築館、塩竃、日立では、応答速度が100㌢毎秒以上の固有周期は1秒以下なのに対して、兵庫県南部地震でも、神戸市中央区葺合と須磨区鷹取の速度応答スぺクトル値を見ると、
周期1秒以上で200㌢毎秒以上をなっております。故に、兵庫県南部地震では、建造物にダメージを及ぼしやすい地震波が卓越したといえるわけです。

さらに、昨年発生した熊本地震での、熊本県益城と熊本での速度応答スペクトル図(防災科学技術HPより引用)を引用図②で紹介しでみました。


◇4月14日21時26分発生

益城


熊本



◇4月16日1時25分発生

益城


熊本


ご覧のように、昨年の熊本地震(4月14日21時26分と 4月16日1時25分)においては、益城、熊本いずれも、周期1秒以上で速度100㌢毎秒以上、益城では、4月14日、4月16日双方発生の地震でも、
速度200㌢毎秒を観測した周期が1秒以上の周期に見受けられます。


よって、昨年の熊本地震でも、兵庫県南部地震ほどではないにせよ、建造物のダメージを及ぼしやすい地震波が卓越した地震であるといえるでしょう。


兵庫県南部地震や熊本地震のように、建造物にダメージを及ぼしやすい地震波はどのような地形やメカニズムにして発生するか?ですが、

Ⅰ:基盤の上に表土層が堆積している箇所(火山の近隣など)

Ⅱ:地震発生する地殻の破壊が、ドミノ崩しのごとく、連鎖的になっていた。

ことがあげられますね。



④兵庫県南部地震発生させた断層破壊プロセス図 国土地理院HPより引用


⑤兵庫県南部地震時の神戸海洋気象台(当時は神戸市中区山手)の地震波形・スペクトル図 気象庁HPより引用


引用図④より、兵庫県南部地震発生させた断層破壊プロセスは、大きな破壊は3つ※3つを細分して5つという説もあります。で、明石海峡→神戸市中央区沿岸→神戸市東部 と推定されて、これに対応して、
当時の神戸海洋気象台の地震波形。プロセス図より、大きな揺れの部分が3つあることがわかります。

さらに、⑤より、大きな揺れの部分は、地震波のS波到達とともに発生しており、さらに、当該大きな揺れの到達時に、東西方向、南北方向、上下方向とも顕著なっており、かつ、東西方向、南北方向の地震波成分の継続時間が上下方向よりも長くなっております。
これは、表面波が顕著になっていて、神戸市周辺の地形的特性(基盤が地震波が進んで来る方向に開いていて、斜面状になった基盤の上に相対的に柔らかい表土層が堆積している)を反映して、実体波S波の部分が上下方向に変化したことと、表面波のラヴ波が顕著になったことですが、まさに、前記、Ⅰ、Ⅱを如実に反映しているといえますね。


※大阪府や京都府も甚大な被害であった!!最後に未曾有の大被害をもたらした兵庫県南部地震ですが、京阪神地域(兵庫県、大阪府、京都府の被害状況について記しました、ご参考にしてください!(気象庁発刊、㍻9年兵庫県南部地震報告より、震度分布は気象庁、JR,各自治体、阪神高速道路公団発表地震加速度値より筆者が推定したもの)

<兵庫県>
※神戸市、淡路島北淡町、津名町、一宮町、宝塚市、芦屋市、西宮市の一部で震度7を観測

死者:6394名 行方不明:2名

負傷者 :(重傷)857名 (軽傷)31497名

全壊家屋:103934棟 半壊家屋:136096棟 一部損壊家屋:240030棟


<大阪府>
※大阪では公式発表震度は4であったが、現行の震度算出方式では計測震度4・55(現行では震度5弱)であった。大阪市、豊中市、池田市、吹田市の一部地域では、震度6弱以上を観測したものと推定される。

死者:30名 

負傷者:(重傷)175名 (軽傷)3414名

全壊家屋:895棟 半壊家屋:7221棟 一部損壊家屋:87879棟


<京都府>
※京都市の公式発表震度は5 現行では震度5強、京都市一部や亀岡市などの一部地域では局地的に、現行震度では震度6弱程度の揺れがあったものと推定される。

死者:1名

負傷者:(重傷)3名 (軽傷)46名

全壊・全焼家屋:3棟 半壊・半焼家屋:6棟 一部損壊家屋:2741棟




関東~東北太平洋側で大雨 千葉県内ではまたまた罹災!!大雨原因の雨雲集団は2種類要因で形成!!

2019-10-29 02:28:44 | 日記
①10月25日9時の天気図 気象庁HPより引用


②10月25日15時の天気図 気象庁HPより引用


10月25日、低気圧が本州南海上を東進し、この低気圧の外縁部と、千島にある優勢な高気圧と、本州東海上の台風21号の周りを
通って関東や東北太平洋側に流れ込んだ暖湿流の影響で、関東地方と東北地方太平洋側で大雨となり、関東地方や東北地方南部
太平洋側では、前回の台風19に伴う大雨に続いて、土砂災害や河川決壊、広範囲の低地浸水などの災害が発生してしまいました。

千葉県内では、台風15号、台風19号、そして、今回の大雨と、3回にわたって気象災害の罹災を受けてしまいました。



③特に降水量多かった関東南部から東部と東北南部太平洋側の24時間雨量日最大値一覧画像
気象庁HPより引用

ⅰ:関東南部から東部周辺


ⅱ:東北南部太平洋側周辺


引用図③より、24時間雨量200㍉を超えた箇所は、福島県浜通り山間部や茨城県一部、そして、千葉県中央部に散見しています。
他、引用図にはありませんが、千葉県の観測で、市原市や佐倉市、茂原市の一部地域など、総雨量で300㍉を超えた地点も見られました。

この大雨ですが

④10月25日 9時、12時、15時のウインドプロファイラー風向風速分布図※気象庁HPより引用 と全国レーダーエコー図※国土交通省川の防災情報HP
より引用

ⅰ9時:



ⅱ12時:



ⅲ:15時




まず、ⅰ、ⅱ、ⅲ、ⅳのウインドプロファイラー風向風速分布図より、北海道東北では、上空1000㍍から2000㍍、3000㍍にかけて、一様に、高気圧性循環がみられ、優勢な高気圧のおおわれていることがわかります。そして、高気圧の外縁部に当たる関東地方~東海地方にかけて、東より~南東風が強まっており高気圧の外縁を流れる暖湿流がこれらの地域に大量に流れ込んでいる状態を示しています。
また、四国沖には、低気圧に伴う手気圧性循環が見られますね。

千葉県の勝浦上空1000㍍付近で、9時では東風10㍍以上となっており、低気圧接近時、勝浦上空1000㍍でこの程度の風向風速であると、千葉県内東部沿岸部から中央部に雨量がまとまる傾向にあります※筆者調べが、
千葉県内中央部に発達した雨雲かかかっております。
南海上の低気圧に伴う低気圧性循環は、紀伊半島沖から東海道沖まで東進してきました。

12時になりますと、勝浦上空1000㍍では、南東風で風速20㍍以上と強まり、勝浦上空1000㍍で南東風で風速10㍍以上ですと、千葉県内中央部から北西部、そして、東京23区東部でも雨量がまとまる傾向にあります.
※筆者調べ が、まさに、強い雨雲が千葉県内、中央部から北西部、一部は東京23区東部にも広がってきました。

15時なりますと、低気圧性循環は伊豆半島に南西にあると推測され、低気圧が次第に伊豆半島域に接近しつつあることがわかりますが、この低気圧性循環にそって、新たに螺旋状の発達した雨雲委が分布、この発達した雨雲の集団が再び
千葉県内にかかり始めてきました。ⅰ、ⅱで先行して千葉県内中心に発生した発達した雨雲の集団は、茨城県内や関東平野内陸部へと移動しています。

このように、今回の大雨の原因となった発達した雨雲の出処ですが、
イ:千島にある優勢な高気圧の外縁部を流れる暖湿流 と 台風21号の外縁を流れる暖湿流 に



本州南海上を東進する低気圧の外縁部を流れる暖湿流


といえるでしょう。

優勢な高気圧の後続を進む低気圧がある場合、このように、大雨のピークは 2回 やってくる!※筆者調べ
これ、鉄則!!と認識しておいてください!!


台風19号、関東東北甲信に記録的大雨 他にもこんな特徴が!

2019-10-17 01:30:08 | 日記
①10月12日12時、15時、18時、21時の天気図aと全国レーダーエコー図b天気図は気象庁HPより引用、レーダーエコー図は国土交通省川の防災情報HPより引用
※レーダーエコー図凡例
12時
a:

b:


15時
a:

b:


18時
a:

b:


21時
a:

b:

日本の南海上で、一時猛烈な勢力にまで発達した台風19号、各方面とも厳戒態勢の中、12日19時過ぎに、静岡県伊豆市付近に上陸、その後、神奈川県西部から東京と町田市付近を通過し、関東平野を北東へ進んで13日未明に福島県沖へ達しました。

台風の進路に当たった地域では猛烈な暴風に見舞われ、東京都心では、12日21時14分に最大瞬間風速41.5㍍毎秒(戦後最高)を観測しました。

さらに、台風19号の規模は大型だったためと台風の進行方向前側には前線もあったため、引用図①より、関東地方山間部や甲信越地方、東北地方の太平洋側には発達した雨雲がかかり続けてしまい、引用図②の各画像ご覧のように、あちこちで24時間雨量が500㍉以上と記録的な豪雨となり、関東、東北、甲信越、静岡県の1都11県に一時、大雨の特別警報が発表されて、東北や関東、甲信越では
、河川の氾濫、土砂災害が相次いでしまいました。

②10月12日の24時間雨量日最大値画像 気象庁HPより引用
岩手県周辺:

東北南部周辺:

関東北部甲信北部周辺:

関東南部甲信南部周辺:

引用図②各画像図より、

24時間降水量日最大で、
岩手県では、沿岸地域で150㍉~200㍉程度、

宮城県では、牡鹿半島東側と仙台湾沿岸沿い~南部地域でおおむね200㍉~300㍉、南部では一部600㍉超えた地点もあります。
さらに
福島県では浜通り地域や中通り地域山間部で200㍉以上、一部で300~600㍉程度。、

関東地方甲信越地方では、千葉県や甲府盆地、長野県東部地域の一部を除き、おおむね200㍉以上、関東北部西部山間部や甲信越山間部では、軒並み400㍉以上を観測して、
神奈川県の箱根では942・5㍉を観測しております。

筆者調べですが、
一級河川程度の河川で

源流地域で

おおむね総雨量200ミリ以上で、河川沿線洪水注意、内水氾濫発生し始める。
おおむね総雨量300ミリ以上で、河川沿い洪水警戒、氾濫危険水位達する箇所で始める。内水氾濫多発。


でありますから、これらの地域にこのような記録的な降水量を観測したため、当該地域に源を発する、阿武隈川、信濃川、那珂川、多摩川などの、一級河川の氾濫につながったわけです。

さらに今回の台風19号、台風自体及び周辺部の風の吹き方に、以下のような特性が見られました。

③引用図①と同時刻の、12日12時、15時、18時、21時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図※気象庁HPより引用

12時:

15時:

18時:

21時:

引用図③各時刻とも、北陸西部地域では、上空2000㍍、3000㍍よりも、上空1000㍍での風速が強めとなっており、この傾向は、15時、18時と、台風が本州へ接近とともに、
新潟付近から東北南部地域へと広がっています。

このように、上空2000㍍、3000㍍よりも、下層(上空1000㍍)での風速が強い地域は、寒気移流が強まっている証拠!で、併せて、下層や地上付近での風速が強まりやすい状況下にある と言えます。山越え颪風が強ま誌やすい状況下でもあるわけです。

事実、当該状況下にあった、12日昼頃からは、東北南部、北陸、近畿北部中部、山陰、九州北部にかけて、台風の中心から比較的離れているのにかかわらず、20㍍毎秒を超す暴風があちこちで観測されております。